バイクの燃料計は参考レベル? あまりアテにしないようが良い?
バイクの燃料計はアナログ式かデジタル表示かはともかく、1980年代頃から装備が始まり、現在はほとんどの車両が備えている。もちろん無いより付いている方が断然便利だが、じつはあまり正確ではない。
燃料タンクの中に備えた「浮き」がガソリンの量(ガソリン油面の高さ)を計測し、電気信号で燃料計のメーターを動かしている。しかしバイクの燃料タンクは形状が複雑なので、浮きの高さでは正確なガソリンの量が測れないのだ。そのため、たとえば燃料計が真ん中を指していても、実際にガソリンが満タンの半分になっているとは限らなかったりする。
また、乗り方や走りのペースはあまり変わらないのに、満タンに近いうちは燃料計の残量がなかなか減らず、後半になったらけっこうハイペースで減っていくので焦った……という経験のある方もいるだろう。
なのでガソリンン残量を知るには燃料計はあくまで参考程度に考え、満タンからの走行距離と燃費でザックリと計算した方が正確といえるだろう。
デジタル式の燃料計の場合は、ガソリンの残量が少なくなって燃料計のドットが最後のひとつになると、ドットが点滅するパターンが多い。また燃料残量警告インジケータが点灯する車種もある。こうなったら速やかに給油しよう。 [写真タップで拡大]
キャブレター車のような古いバイクはどうすればいい?
カワサキ ゼファー1100
燃料タンク容量は18Lで、燃料コックRES(リザーブ)で残量4.8L。2007年に生産終了しているため、燃料消費率は国土交通省届出値(60km/h定値燃費値・2名乗車)の表記のみで24.0km/Lだが、実燃費とはかなり差がある。 [写真タップで拡大]
知るべきことは現行車と基本的に変わらず、燃料タンクの容量と燃費で、それを元に航続距離を算出すれば良い。まず、燃料タンクの容量はスペック表などで確認できる。ただし現行バイクの燃料計のドットの点滅や燃料残量警告インジケータのような機能は基本的に装備していない。
現実的には燃料コックをONの状態で走っていて、アクセルを開けても加速せずブスブスとエンジン回転が下っていく「ガス欠の症状」が出た時点で燃料コックをRES(リザーブ)に切り替えるが、その時のガソリン残量を知っておく必要がある。
そして燃費だが、これは走行距離と給油量で実際に計算しよう。実燃費に近いWMTCモード試験法が日本に導入されたのは2012年なので、それ以前のバイクはカタログやスペック表に記載がないからだ。
ちなみに昔から定値燃費値は記載されているが、こちらは実燃費と乖離しているので、航続距離や残燃料での走行可能距離の計算には使わないのが賢明だ。
燃費=走行距離÷給油量(例:200km÷13L=15.4km/L)
航続距離=燃料タンク容量×燃費(例:18L×15.4km/L=277.2km)
RESからの走行可能距離=タンク残量×燃費(例:4.8L×15.2km/L=72.96km)
とくに高速道路ではガス欠に要注意!
高速道路のサービスエリアは約50kmおき、パーキングエリアは約15kmおきに設置される(ただし絶対にその間隔で設置されている訳ではないので要注意)。またSAでも給油所が無かったり、給油所のあるPAも存在するので、高速道路を長距離走るツーリングなら、事前に確認しておくのが安心。 [写真タップで拡大]
高速道路を走行中に、ガソリン残量の警告灯が点灯したり燃料計のドットが最後の目盛りになったら、迷わず次のサービスエリアで給油すること。
先にあげたバイクの燃料警告灯点灯後の走行可能距離を見ると、もっとも短いNinja H2 SX SEでも55.2km走れる(あくまで計算値)ので、直ちにガス欠になる恐れはないが、SAが設置されている間隔(約50kmおきだが、最近はルートによっては50kmおきに給油できないことも多い)を考えると、警告灯が点灯したタイミングにもよるが、SAをひとつ通過してしまうと次のSA(もしくは降りる予定のインターチェンジ)に到達する前にガス欠する危険がある。
ちなみに高速道路上は基本的に駐停車禁止だし、ガス欠してレスキューを呼ぶにも時間と費用がかかる。もし給油のタイミングを逃してしまったら、面倒でも直近のインターチェンジでいったん降りて、ガソリンスタンドで給油してから再度高速道路に乗るようにしよう。
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