
2019年にスタートしたトライアンフの電動バイクプロジェクト「TE-1」。ついにプロジェクトの最終段階にあたるPHASE 4:実走テストの完了が発表された。最終プロトタイプの性能、航続距離、充電時間、そして最終テスト結果などの詳細は今夏7月12日に公開されるという。すでに公開されているYouTubeも含めて、本プロジェクトをチェック!
●まとめ:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●外部リンク:トライアンフモーターサイクルズジャパン
英国政府が資金提供! 官民協働による革新的な電動バイクプロジェクト
電動バイクプロジェクト「TE-1」は英国政府ゼロエミッション車局による資金提供を受けて、2019年5月よりスタートした。開発計画にはトライアンフのほかに、四輪フォーミュラeにバッテリーを供給しているウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング(WAE)やインテグラル・パワートレインのe-ドライブ部門、ウォーリック大学のウォーリック・マニュファクチャリング・グループ(WMG)( (学界と商業の協力機関)が参画している。
電動バイクの機能開発から始まり、将来的にはトライアンフ製電動バイクの発売に結びつけることを目的とした本プロジェクトは4つの主要段階に分けられている。その主たる目的のひとつが、システム統合の強化だ。
自動車をベースにした電気駆動系の個々の部品を開発し、それらを革新的な複合ユニットに最適化することで、マス、複雑性、パッケージ要件を軽減。そして新しい時代の電動二輪システムを生み出すことを目的としている。
180psのパワートレインの実走テストが完了!
2021年3月にはPHASE 2:パワートレインプロトタイプ発表が行われた。その当時リリースされた内容によると、パワートレインの検証では質量やバッテリー技術、パワートレイン性能において、英国自動車協議会が2025年に向けて設定した目標を上回ったことが示されたという。
このとき公開されたプロトタイプは、重量わずか10kgで180psを発生するモーターを搭載。これに最適化されたバッテリーモジュールを組み合わせることで、エキサイティングな電動モーターサイクルを開発していくという。これはプロジェクトの目標を達成することはもちろんだが、フル稼働できる電動バイクの性能においてまさに新基準を打ち立てたことになり、当時も大きな話題となった。
その後、PHASE 3:走行可能なプロトタイプの完成を経て、今回ついにPHASE 4:実走テストの完了が発表された。英国製電動モーターサイクルにおける新たな可能性の創出を目指し、4つの主要段階を着々とクリアしてきた「TE-1」プロジェクト。最終プロトタイプの性能、航続距離、充電時間などのテスト結果を紹介する写真や映像などは、7月12日に発表される。
果たしてここにスポーツバイクの未来があるのか?
長距離を移動できるツーリングバイクとしての要望を果たしているのか?
楽しみに待ちたい。
車体の重量配分の大きなポイントとなるバッテリーはWAEが開発を担当。エンジニアリングおよびテクノロジーセクターのリーダーになることを目的としてウィリアムズF1チームから誕生したWAEは、故フランク・ウィリアムズ卿によって2010年に設立。2014年にスタートしたフォーミュラeの第1世代、スパーク・ルノーSRT_01 Eのバッテリーシステムを担当したことでも知られる。 [写真タップで拡大]
【動画】Project Triumph TE-1 | Electric Prototype Completes Final Testing | Tease Trailer
トライアンフのオフィシャルYouTubeでは、TE-1プロジェクトに関する動画が4本アップされている。最新動画では、最終テストの完了と7月12日のプロジェクト全公開を紹介。コメントを見ても、世界各国から注目を集めていることは一目瞭然。7月12日に明かされる全貌に期待が高まるばかりだ。
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