
●文: モーサイ編集部(上野)
スズキXF4:1991年第29回東京モーターショー登場のコンセプトモデル
2020年春に登場したホンダCT125ハンターカブ。維持費も安い原付二種クラスで、オシャレなデザイン。そして、カブシリーズならではの“使い勝手の良さ”を受け継ぎつつ、釣りやキャンプなど昨今人気のアウトドアアクティビティとの親和性も高い。それは売れに売れるワケである。
が、そんなCT125ハンターカブ同様のコンセプトを、スズキは30年以上前の1991年東京モーターショーで提案していた。こんなスゴい形で…。
そのコンセプトモデルの名は「XF4」。強制空冷2サイクル125cc単気筒エンジンを搭載し、無段変速トランスミッションを組み合わせ、なんとクルマのフルタイム4WDならぬ、フルタイム2WDで前後輪ともに駆動する、“どこでも行ける125ccスーパーレジャーバイク”である。
バブル時代の名残を感じる“原色系”(当時のスキーウェアなどを彷彿させますね)のカラーリングもさることながら、真っ先に目が行くのは、4輪改造車の“竹槍マフラー”のようなパーツではないだろうか。
実はこれ、アップマフラーではなく釣り竿ホルダーである。「ぜひ釣りに使ってくれぃ!」と言わんばかりに、水面から飛び跳ねる魚のイラストがタンクに描かれている点にも注目。
その他にも、サイドスタンドは不整地でも安定するように“折り畳みシュー”が装備されていたり、ヘッドライトを取り外してサーチライトとして使えたり、コンパスがついていたり、徹底してアウトドアでのアクティビティ用途を追求した装備の数々…。じつにオトコの子の夢と遊び心がてんこ盛りという感じである。
スズキXF4の大きな特徴=無段変速AT+フルタイム2WD
テールカウルに装着されている収納は“無線機収納ボックス”で、車体後尾には牽引用のヒッチも装備。ホイールには「SUZUKI-2WD」のロゴが入る。
以下は、当時スズキが発表した資料の抜粋である。
XF4はオートマチック無段変速フルタイム2WDを採用。フルタイム2WDのメリットを最大限に活かした、簡単操作の全地形走破バイクです。前後輪回転差吸収装置を持つことにより、ブレーキング現象及び駆動力によるハンドリングへの影響を解消。極太低圧タイヤとのマッチングにより、砂上/雪上/泥濘地/低ミュー路で2WDのメリットを最大限に発揮します。またVベルト無段変速や低シート高により、ビギナーライダーや女性にも扱い易いよう、考慮されています。
しかし、XF4が市販車として実現することはなかった……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
ホンダはEクラッチとDCTの二面展開作戦だ 自動クラッチブームの火付け役として、まず一番目に挙げられるのが今のところホンダCB/CBR650Rとレブル250に採用されている”Eクラッチ”。機構としては[…]
オートバイって何語? バイクは二輪車全般を指す? 日本で自動二輪を指す言葉として使われるのは、「オートバイ」「バイク」「モーターサイクル」といったものがあり、少し堅い言い方なら「二輪車」もあるだろうか[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
人気記事ランキング(全体)
RZ250を上回る新テクノロジー満載! 1979年にホンダがリリースした、まさかの2ストローク50ccスポーツのMB50(広告なでの名称はMB-5)。 250ccやビッグバイクのスケールダウン・デザイ[…]
エンジニアもバイクに乗る、それがボッシュの面白さ ボッシュが二輪車向けABSを世に出してから今年で30周年を迎えた。ボッシュといえばドイツのメーカーだが、バイク部門の開発拠点が日本の横浜にあることはご[…]
コンパクトで取り付けが簡単なスマートモニター タナックス(TANAX)の「スマートライドモニター AIO‑5 Play (SRS‑015)」は、本体サイズ78.8(H)×136.2(W)×26.8(D[…]
KATANAというバイク 一昨年のこと、キリンと同じ年齢になったことをキッカケにKATANA乗りになったYです。 ノーマルでも十分乗り易いKATANAですが、各部をカスタムすることで、よりカタナ(GS[…]
X-ADVの兄弟車として欧州で販売される「フォルツァ750」 ホンダは欧州でフォルツァ750(FORZA 750)の2026年モデルを発表した。主要諸元に変更はなくカラーバリエーションの一部変更でイリ[…]
最新の投稿記事(全体)
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 ジャパンモビリティショー2025でカワサキが新型「Z900RS」シリーズを世界初公開した。主軸となる変更はエンジンまわり[…]
外観をスタイリッシュにリニューアルしたトリシティ125 前回のトリシティ300に続き、今回試乗を行うのも前2輪を持つLMWシリーズのトリシティ125。ちなみにLMWとは、リーニング・マルチ・ホイールの[…]
父とB+COM SB6XRで会話しながらプチツーリング すっかり秋模様。なんなら執筆している今日は、最高気温が15度。朝から冷え切っていて、冬気分です。 自宅近くを走っているスクーターの方を見て、「わ[…]
KATANAというバイク 一昨年のこと、キリンと同じ年齢になったことをキッカケにKATANA乗りになったYです。 ノーマルでも十分乗り易いKATANAですが、各部をカスタムすることで、よりカタナ(GS[…]
エンジニアもバイクに乗る、それがボッシュの面白さ ボッシュが二輪車向けABSを世に出してから今年で30周年を迎えた。ボッシュといえばドイツのメーカーだが、バイク部門の開発拠点が日本の横浜にあることはご[…]


![スズキXF4(コンセプトモデル)|[バイク歴史探訪] 今から30年以上前、スズキ版CT125ハンターカブと言える万能レジャー125cc計画があった!?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/th_img313-768x488.jpg)
![スズキXF4(コンセプトモデル)|[バイク歴史探訪] 今から30年以上前、スズキ版CT125ハンターカブと言える万能レジャー125cc計画があった!?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/01/th_60-06-768x510.jpg)

































