![ホンダ スティード[名車バイクレビュー]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2021/12/th_MC_newm_hon_CF10_0202.jpg)
●文:モーサイ編集部(阪本一史)
国産アメリカンブームを築いた“Vツインエンジン+魅せる車体構成”
レーサーレプリカをはじめ、高性能モデルが400ccクラスを席巻した1980年代から1990年代初頭を経て、次に国内中型二輪クラスの販売をけん引したのが、“ほどほどの性能”のモデルだった。
筆頭に挙がるのはカワサキ ゼファーだが、それ以外では国産アメリカンが多様なモデル展開を見せ始めた時期でもある。
その急先鋒にあったのが、“ホンダの鉄馬”=スティードである。
日本国内の2輪車市場での1990年前後というのは、ひとつのターニングポイントだったと思う。1970年代後半から1980年代にかけて、熾烈な性能競争と販売シェア競争に明け暮れた各国内メーカーは、開発面で少なからず疲弊した。
従来モデル、あるいはライバルモデルを上回るべく、次々と市場に送り出される高性能モデル…「この競争にどこまで付き合うべきなのか」という疑問が、徐々に作り手にも消費者にも生まれた。
それをふまえ、腰を落ち着けて乗れる“ほどほどの性能”が模索されるようになったのだ。代表格が、オーソドックスなフォルムに空冷4気筒エンジンを搭載したカワサキ ゼファー(1989年)だ。
だが、この方向を模索したのは、カワサキだけではない。ゼファー登場以前に、ホンダも親しみやすい性能のモデルの開発に取り組んでいる。
売れ筋の400ccロードスポーツでは、水冷400cc並列4気筒のネイキッドモデル・CB-1(1989年3月発売)を出したが、その前年1988年1月には、新設計の水冷Vツインを近未来的なフォルムに搭載したブロスシリーズ(プロダクト1=650cc/プロダクト2=400cc)も発売。
この2モデル、今なら評価は違っただろうが、古典的なデザインをあえて復活させたゼファーとは異なり、デザインをはじめ車体もエンジンも新たなトライにこだわった。それはそれで過去を振り返らないチャレンジングスピリットのホンダらしいモデル展開だったのだが、それゆえゼファーに勝てなかった、とも言えた。
ホンダ スティードのデザイン=リジッドサスペンション風の本格的フォルム
そうした時代の中、ホンダが出した“非高性能モデル”で成功した筆頭は、1988年1月登場のアメリカン・スティード(400/600)だろう。車名の「STEED」は、英語で“元気な馬/軍馬”といった意味だが、同車は発売後10年間で累計8万台の出荷を記録。一時期はベストセラーモデルに君臨した。
低く構えたフォルムに1600mmという長いホイールベース、680mmの低いシート高、狭角52度水冷V型2気筒を抱える車体は、ヘッドパイプから後輪車軸部までを一直線に見えるように構成し、これをホンダは“デルタシェイプデザイン”と表現。
小ぶりなティアドロップ型の燃料タンク、スリムな右側2本出しマフラーを採用し、リヤサスペンションはモノショックを内側に隠すようにスイングアーム基部につなげる形式。
いわばハーレーダビッドソン ソフテイル系に通じるような、リジッド風サスペンションとしている(ホンダはこれを“レトロな固定式後車軸システムをイメージ”と表現している)。
ロー&ロングなスタイルで、各部はハーレーダビッドソンのスポーツスターにも、ソフテテイル系にも通じる雰囲気でまとめられた。これを「独自性や先進性がモットーのホンダらしくない」と批評する向きもあったが、消費者がこの時期に求めたものには合致したのだ……
※本記事は2021年12月15日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
ホンダ・スズキと同じく、浜松で創業した丸正自動車製造 中京地区と同様に、戦後間もなくからオートバイメーカーが乱立した浜松とその周辺。世界的メーカーに飛躍して今に続くホンダ、スズキ、ヤマハの3社が生まれ[…]
80年代、80ccであることのメリットに、金欠ライダーは着目した 高校生が自動二輪中型免許(当時)を取ったはいいけれど、愛車をすぐ手に入れられるかは別問題。資金の問題が立ちはだかるのだ。2年ごとの車検[…]
ヤマハ AG200(1985年2月発売)「AGはAGRICULTURE=農業の略」 直訳すると車名は「農業200」だが、いわゆる農耕地での移動や運搬に使われるバイクのこと。ホンダのCTシリーズと成り立[…]
’80年代の国内市場は短命モデルの宝庫でもあった 若年人口の増加も手伝い、国内でのモーターサイクル販売需要も多かった’80年代。エンジンは空冷から水冷化が進み、サスペンションもフレームも日々進化が見ら[…]
6年連続トップ人気の軽二輪! レブル250の魅力を500と比べつつ検証 2017年4月、250/500が同時発売されたホンダのレブルシリーズは、登場当初、かなり異色のクルーザーモデルに感じられた。エン[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ホンダ [HONDA])
長時間の高速移動で悩まされる風圧 休日のツーリング。目的地に着く頃には、高速道路での強烈な風圧で首や肩が悲鳴を上げている。そんな経験を持つライダーも多いはず。かといって、風を防ぐために過激な前傾姿勢を[…]
どう計算したって同じようにはなれない 2025年のホンダ熊本イベントでフレディ・スペンサーと話せる機会を得て、あらためて彼は「天才」だと感じたね。僕が高校時代にバイクの免許を取った頃には、もうスペンサ[…]
スペンサーの世界GPでの大活躍がAMAレースの注目度を高めた 旧くからのバイクファンなら、だれもが“ファスト・フレディ”の愛称を知っているだろう。1983年に世界GP500でチャンピオンに輝き「彗星の[…]
世界中のカスタムアワードを総なめしてきた有名ビルダー 2013年、ベルギーで開催されたブリュッセル・モーターショーのホンダブースは異様な熱気に包まれていたといいます。 ジャパン・トリビュートのタイトル[…]
ナナハンは重い、でも350は物足りないというジレンマへの回答 大型バイクの圧倒的なパワーには憧れるが、取り回しに気を遣う日常はしんどい。かといって、ミドルクラスでは加速感が足りず、どこか迫力に欠ける。[…]
人気記事ランキング(全体)
普通の移動手段では満たされないあなたへ 通勤や週末のちょっとした移動。便利さばかりを追い求めた結果、街には同じようなプラスチックボディのスクーターが溢れ返っている。「もっと自分らしく、乗ること自体に興[…]
長距離ツーリングの「疲労感」にお別れ 休日のツーリング。絶景や美味しい食事を堪能した帰り道、高速道路を走りながら首や肩の痛みに耐え、「明日の仕事、しんどいな…」とため息をついた経験はないだろうか。スポ[…]
毎日の移動、もっと身軽に楽しみたいあなたへ 朝の慌ただしい時間帯。重いバイクを狭い駐輪場から引っ張り出すだけで、どっと疲れてしまうことはないだろうか。渋滞路のストップ&ゴーや、ちょっとした段差での車体[…]
レプリカブームの始祖、RZ250/350誕生 ヤマハは1950年代の創業以来、2ストローク専業メーカーとして名を馳せていたが、1970年代に入ると4ストローク車の台頭や世界的な排出ガス規制の波に直面し[…]
原付二種の身軽さに、高速道路という自由をプラス 毎日の通勤や街乗りで大活躍する125ccクラス。しかし、休日のツーリングで「自動車専用道路」の看板に道を阻まれ、遠回りを強いられた経験を持つ人は多いはず[…]
最新の投稿記事(全体)
新車こそ走行開始直後のエンジンオイルが汚れやすい 時代は巡りに巡って流行は変わるものだ。その傾向は、商品デザインの世界でも同様で、昭和から平成、そして令和へと時代が移り変わり、現在では、懐かしの昭和レ[…]
胸のすく高回転サウンド! これぞ四発だ!! 走り出してすぐに感じるのは、驚くほど素直で扱いやすい低中速フィールだ。右手のスロットル操作に対し、過不足なく1対1で応えるようなダイレクトなレスポンスが返っ[…]
米国発の王道スタイルを英国流にアレンジ「コーチジャケット」 アメリカ発祥のシンプルでクリーンなコーチジャケットを、モートーンが英国風の解釈で再構築。スッキリとしたシルエットに見えるが、実はプロテクター[…]
BMW Motorradらしい機能美でライダーを力強くサポート GS Coro(コロ)GTXジャケット 希望小売価格 104,500円(税込) MEN サイズ:46〜62 WOMEN サイズ:34[…]
チャリティとバイクの祭典「DGR Tokyo Central 2026」 「DGR(The Distinguished Gentleman’s Ride)」は、男性のメンタルヘルスと前立腺がん研究の支[…]


![ホンダ スティード|ホンダ スティード[名車バイクレビュー] ゼファーと並び1990年代に人気を集めた“ほどほどの性能”モデル](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/02/th_MC_newm_hon_CF10_0203-768x503.jpg)
![ホンダ スティード|ホンダ スティード[名車バイクレビュー] ゼファーと並び1990年代に人気を集めた“ほどほどの性能”モデル](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/02/th_MC_newm_hon_CF10_0200-768x512.jpg)




























