
ライダーの数だけバイクに対する向き合い方も、バイクライフの楽しみ方も違うハズ。そんなひとりひとりのこだわりをリレー形式で語ってもらう連載企画。第13回は映像クリエイターとして活躍する、ふーまさんだ。
●文:[クリエイターチャンネル]ふーま ●編集:ヤングマシン編集部(石川) ●外部リンク:GarageFilmHP, GarageFilmYouTube
みなさん始めまして!北海道札幌市在住のふーまと申します。バイクや車とそのオーナーさんを被写体にした、映像制作や写真撮影をしているチーム「Garagefilm」で活動をしております。 動画作品は、YouTubeで見ることができますので、興味のある方はぜひ! この記事では、私がバイクやクルマが好きになった経緯やエピソードなどを書かせて頂こうと思います。
幼心に響いたカッコよさ
私の好きを形作ったのは、趣味人だった父の影響が一番大きいです。 私が幼少期の頃、父はときどきバイク通勤をしていました。そのバイクはスズキの2ストオフロード車、RM250。 すごい煙と爆音、飛び散るオイル…うるさい、汚い、臭い。周囲からすれば最悪でしたが、楽しそうに乗る父の背中に自由を感じたのか、バイクを好きになるまでに、そう時間はかかりませんでした。
クルマにしても、趣味の塊。ランチアデルタイングラーレというイタリア車でした。 低く構えた見るからに速そうなスタイリングや、近所ではまず見ない左ハンドルで、子どもながらにすごくかっこよく感じました。でも、それも私が幼かった頃だけ。
中学生、高校生と私が成長するにつれて父は車を手放し、バイクも乗らず、家族のために仕事に打ち込むようになりました。その姿を頼もしく思いながら、趣味から離れていく父をどこか寂しく感じていましたね。そのせいか、自分もクルマとバイクが好きなことは、父にはなかなか話せない期間が続きました。
ところが高校生になった頃、過労がたたったのか父が倒れ、入院する事態に。医者からは「覚悟はしといてください」 と病状の重さを説明されました。言えなかった思いの数々が頭に押し寄せ、人生で初めて神に祈ったことをよく覚えています。
憧れた父の背中を追うように
父は本当に強い人で、その後10ヶ月後には回復。現在も元気でいてくれていますが、記憶障害を負ってしまい、 退院後は笑顔を浮かべられなくなってしまいました。その日から父を元気づける方法を模索していったところ、行き着いたのが一緒に共通して盛り上がれる「クルマとバイク」の話でした。
思い出話を語るときの父は笑顔こそ見せませんが、本当に楽しそうで、中でも昔乗っていたというスズキ「RG500Γ」の話がとにかく面白くて。私にとっても次第に憧れに代わっていき、2023年にはRG400Γを知人から購入するところまで発展しました。 納車してすぐに父へ見せに行った時の表情ときたら…。「お前もこっち側に来たか」という感じで最高でしたね(笑)。
RG400Γが持つ、レーサーレプリカ全盛期のデザインや、後ろから見たときの4本出しマフラーはいつ見ても惚れ惚れします。前オーナーがペプシカラーに全塗装しており、それもお気に入りポイントのひとつです。 今後は、チャンバー、CDI交換、状態のいい1型ウォルターウルフカラー外装を集めて大切に乗っていきたいと思っています。長く付き合って行きたいですね。
そんな私も気が付けば、立派な趣味人に。クルマは「サバンナRX-7 FC3s」「ジムニーja12」 バイクはカワサキ「GPZ900R」スズキ「RG400Γ」「RM250」と、なぜか乗り手1人に対し乗り物5台…。さすがに満遍なくは乗れません(笑) 。仕事にしても、父と同じ建築関係で、何かと父の背中を追いかけています。 私にとっての父は、もっとも身近な憧れです。私が趣味や仕事を存分に楽しんでいる所を見せ、一緒に巻き込んで行く。それが自分なりの親孝行だと思っているので、頑張っています。
バイクあるところ思い出あり
これまでのバイク所有経歴は、前述した3台を含めた5台です。バイクに乗り始めた高校時代は原付免許しかなく、「パワーバンドがあって、乗って楽しい! 速い! 2ストサイコー!」というイメージで、最初に手にしたのがコレダスポーツでした。
ところが、走り出してみるとパワーバンドのパの字もないぐらい非力で…。ですが、初めての愛車ということもあり、たくさん乗り回していく内にカフェレーサースタイルに憧れ、コンドルハンドルへの変更をはじめとしたカスタムを楽しみました。
後に普通二輪免許を取り、ホンダCB400スーパーフォアに乗り換え。それからは、行動範囲も広がり、さまざまな集まりやオフ会にも参加するようになり、出会いや繋がりが増えました。中でもカスタムバカで、今では同じく「Garagefilm」で活動するマチルダとの出会いは、良くも悪くも転機でしたね(笑)。
彼の影響を受け、某オークションサイトやフリマサイトの沼にズブズブと…。セパハンにバックステップ、マフラーといった専用品があるものはもちろん、バンディット400耐久レーサー用テールカウル、GS1100用のフロントカウルといった流用パーツ、テールランプをはじめとした自作パーツにまで手を出し、自分の理想を追い求める旅が始まってしまったのです。
最終的にはCB400スーパーフォアの面影はもはやなく、そこにあったのはタンクにはHONDA、カウルにはSUZUKIの文字があるようなキメラ。「このバイク何?」と言われるようになってしまいました…。説明もめんどくさくなり、「僕も分かりません」と答えていたのは今ではいい思い出です(笑)。
やるだけやって、あとは全塗装を残すだけとなり、計3~4年乗り続けたCB400スーパーフォア。ですが、唯一の不満がありました。 それがサイズです。177cm75kgのそこそこ図体の大きい私が乗ると、サイズ感がちょっと…。「なにこれ125cc?250cc?」ひどいときには「50cc?」みたいなことを、知人に冗談めかして言われるようになってしまいまして。それならと、大型バイクが欲しくなりました。
マチルダと同じく「Garagefilm」の仲間である、かわさきしゃけに「一緒に大型取ろう!」と必死に誘ってみたところ、「黙っていたけど、ゼファー750買って、もう教習所入校したよ?」という答えが。勝手にライバル視している私はすぐに入校し、バイク屋を巡りに巡り、やっと見つけたカワサキ「GPZ900R」を購入しました。
購入したGPZ900Rは逆車のA8で、FCRキャブレターに大型ラジエーター、バックステップなどなどいい感じのカスタムが満載でお得でした。サイレンサーは納車後に、K2tecをチョイス。見た目がよかったのはもちろんですが、サイレンサー角度などを特注できることが決め手でした。音も見た目もよく気に入っています。
その後、友人と一緒に「このバイクを一緒に直そう」という気持ちになったことをきっかけに、父のRM250も引き継ぎました。十数年来不動のバイクを起こすのは大変でしたが、キャブ洗浄をはじめとした軽いオーバーホールを行い、今では元気に走ってくれます。
エンジンをかけ、爆音を聞き、煙を浴び、匂いを嗅いでいると、幼い頃の記憶が蘇ります。やっぱり、うるさい、臭い、汚いは変わりません(笑)。
正直、このバイクを運転する日が来るとは思ってもみませんでした。乗ってみると、クロスミッションと2スト250ccエンジンが生み出すパワーに振り落とされそうになり、むち打ちになるかと思いました。
譲り受けた当初は50km走行したら、不動になるなどいろいろありましたが、それも思い返せばいい思い出です。 苦労したことほど、笑い話になるのはバイク乗りあるあるですよね。
燃え上がり続けるバイク熱
バイクとクルマはいずれも思い入れがあるものばかりなので、今後も全台維持しつづけられるようにしたいです。加えて最近は、お世話になっているショップの方の影響でより「走る」ことの楽しさも感じられるようになってきました。
ミニサーキットやテイストオブツクバに見学へいったおかげか、仲間うちで「俺達もいつかレースに出ようぜ!とりあえずサーキットで練習しよう!」と盛り上がっているぐらい(笑)。 バイク歴も6年にさしかかりますが、まだまだバイク熱は燃え上がるばかりです。 ミニバイクや装備など、まだまだ用意するものがたくさんあるので、気長にそろえて、バイクライフをさらに充実させようと思っています。
次回の「こだわりライダーSNSショッキング」は…
ゆーまさんが登場予定。どんなバイクライフやバイク愛を語ってくれるか、乞うご期待!!
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