「危険走行ヤバッ!」忘年会シーズン真っ只中! 免許なしでも電動キックボード『LUUP』を安全に乗れた理由

●文:[クリエイターチャンネル] 名城政也
世の中は忘年会シーズン真っ只中。あっちに行ったりこっちに行ったりと、一次会や二次会などで都心を駆け回るビジネスマンをよく見かける。でも、忘年会の会場が駅や会社から離れた場所にあるときは、移動が面倒…。ちょっとの距離を歩いて移動するには時間がかかるし、わざわざタクシーを捕まえるのはもったいない。
そんなときに思いつく選択肢が、今話題のLUUP。飲んだ後の帰路に使うと飲酒運転になるのでNGだが、日常で使うのはとても便利。生まれてこの方、バイクにしろ、クルマにしろ、運転免許を取得したことのない私自身も、頻繁にLUUPを利用させてもらっている。そこでこの記事では、LUUPの安全な乗り方についてぜひ伝えたい。危険な乗り方で、まわりに迷惑をかけちゃあダメだぞ!
じつはLUUP=電動キックボードではない
そもそものLUUPについて振り返っておこう。これは、株式会社LUUPが運営するモビリティシェアリングサービスだ。『LUUP=電動キックボード』のようなイメージも広がっているけれども、電動アシスト自転車も導入している。
じつは、LUUP自体はサービス名であって、電動キックボードそのものを指しているわけではないのだ。ただし、この記事の主題はあくまで電動キックボード。こちらを示すものとしてLUUPを扱っていく。
LUUPはこんなときに便利!
私自身、都心を移動する際にLUUPを利用するケースが多くある。たとえば、原宿の竹下通りあたりから渋谷までの道を想像してみてほしい。原宿駅に戻るのは少し面倒でもあるし、渋谷まで歩けない距離ではない。むしろ駅まで戻って電車を待ち、渋谷に行く方が少し面倒に感じないだろうか。とはいえ、歩くには少々時間がかかってしまう…。
そのほかにも、新宿駅から新宿御苑、観光スポットなら横浜の中華街から赤レンガ倉庫等など。こうした物凄く微妙~な距離(いわゆるラストワンマイル)の移動に、LUUPは適しているのだ!
LUUPは免許なしでも乗れてしまう!
とはいえ、ニュースを見れば「LUUPは危険、邪魔だ」といった意見ばかりが目に付く。使っている身からしても、LUUPの使用方法に若干の問題があるように感じている。
なにせ、LUUPは16歳以上であれば誰でも乗車可能。アプリに登録して年齢確認証を提出すれば、運転免許証がなくても乗れてしまう。つまり、交通ルールの理解が乏しい人であっても乗れてしまうのだ。そうなると、歩道を我が物顔で走ったり、二車線道路をクルマと一緒に右折していくなんていう事態だって、起こっても当然なのかもしれない。
免許がない私でもLUUPを安全に乗れた理由
じゃあ、私自身は危険なことしていないのかといえば、報道にあがるようなことは一切したことがない。「運転免許もない男が何言っているんだ!」と思うかもしれないが、ここにはちゃんと理由がある。そのあたりをここから解説したい。
LUUPは利用前のテストに合格する必要がある
じつはLUUP、年齢確認をおこなった後にアプリ内での交通ルールテストがある。このテストを満点でクリアできなければ、そもそもLUUPを利用できないのだ。公式サイトにも、以下のような記載がある。
LUUPの電動キックボードに乗車するためには、交通ルールテストに全問・連続で正解する必要があります。このテストは警察庁が監修しており、LUUPの電動キックボードが該当する「特定小型原動機付自転車」ならではの交通ルールはもちろん、飲酒運転等に関する基本的な項目や、自転車に関するルールも確認する内容となっており、運転免許証を持たない方も乗車することを考慮しています。
このテストが意外と侮れない。私も何度か挑戦したが、適当に回答している間はまずクリアできないのだ。しっかり内容を覚えて回答しなければならないので、良い勉強になった。
簡単な交通ルールについては下調べ済みであった
これは私自身の場合のみだが、いちおうバイク免許をとる予定ではあったため、交通ルールについて多少は普段から調べていた。基本的な標識の見方や、二段階右折についてはもちろん履修済み。そのほか、飲酒や二人乗りのルールなどもあるけれど…。正直なところ、このあたりは常識的に考えればわかる範疇だと、私は思っている。
だけれど、やはり免許がない分、曖昧な点もあったのは確か。そうしたことがあったときは、警察庁の『特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について』を見て学ぶようにしていた。
加えて、その場でどうしてもわからない場合には、無理にLUUPに乗らずに、LUUPから降りて歩くようにしていた。この「不安な場合は歩こう」という考えは、交通ルールを守って乗車するうえで大切な考えだったように思うぞ。
都心はLUUPユーザーが多く、行動を真似できた
場所や時間帯がよかったのかもしれないが、私が見る限り、実際に都心で危険な走行をしているユーザーは少なかったように思う。だから私も、交通ルールで不安な部分があるときには、前にいる人の真似をしていた。
たとえば、大きな交差点の走り方はとても参考になったことを覚えている。都心でよく見かける、歩道か横断歩道橋しかないパターンの道だ。降りて、歩道橋をのぼるわけにもいかない。かといって、どのタイミングでLUUPで走り出して良いのかもわからない…と混乱してしまったのだ。
でも、前を走っていたLUUPユーザーを見習って同じタイミングで動き出すことで、無事クリアできた。正しい走り方をしているユーザーが多数いれば、周囲の模範となって、交通ルールの違反はほとんどなくなるだろう。
LUUPって本当に危ないの?
こうしたこともあり、私自身はLUUPを危険な乗り物だとは思っていない。ニュースやSNSでは度々話題になる飲酒運転、二人乗り、歩道走行なんて私は見かけたことがないからだ。こうしたユーザーは、あくまで一部の悪質なユーザーだけなのではないかと思う。
しかし、車を運転する知人に話を聞いてみると「ドライバー的には危険に感じる機会が多い」との答えを得た。とくに路上駐車している車を避けるときともなれば、その影からいきなりヒョコっとLUUPが車道に入ってくるとヒヤッとするとのこと。
しかも、LUUPは最高時速20km/hという制限がある。巡航速度が遅いLUUPがいきなり出てくると、ドライバーにとっては不安の種でしかない。そう考えると「LUUPは危険」とはいわないまでも、「LUUPは周囲のドライバーやライダーに配慮する必要がある」とはいえそうだ。
受け入れるには新しすぎる乗り物だと認識しよう
私の場合は、小心者な性格が幸いして「邪魔になっていないかな…」「ルールを守れていなかったらどうしよう…」と不安を感じながら乗っていたことが、安全に繋がったのかもしれない。だから、これからLUUPを乗る人もまわりに配慮しながら乗ってほしいと思う。もちろん、忘年会シーズンにハメを外して二人乗りや飲酒運転なんて絶対にしちゃダメだぞ!
個人的には、せっかくアプリを使う仕様になっているのだから、アプリ上で悪質ユーザーを通報する機能などがあると良いかもしれないと思う。バイクや車の免許と同様、通報されたら減点、減点されたら乗れないといったルールがあれば、多少なりとも安全運転を心がける人は増えるんじゃないだろうか。せっかく便利な乗り物だからこそ、もっと安全に乗ってくれる人が増えたら嬉しい。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名城政也)
二輪免許こそない私だけれど、子供の頃から「特攻の拓」や「バリバリ伝説」のようなバイク漫画がとにかく好きだった。学生時代ともなれば、漫画から読み取れた知識だけで「バリバリ伝説の主人公、巨摩 郡みたいにC[…]
「いつかは旧車に乗り、自分専用のカスタムをしたい」と、憧れを抱いている筆者。その夢を叶えるためには、ひとつの大きなハードルがあったりする。そもそも、各部の名称や役割についてよくわかっていないのだ。そこ[…]
幼い頃、ファーストフードのドライブスルーを「自転車でもできるのかな!?」と想像したことがある。大人になった今となっては、もうそんなことはしないが、実際はどこまで可能なのだろうか? と考えたときに、ひと[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 旧車とネオクラシックの違い、そしてネオクラシックバイクの特長や選ばれる理由を、知り合いのバイク屋に聞いた。 旧車とクラシックバイクの違いは? ほぼ同じ意味合いで、設計が古[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 高速道路を走ってみたいが…怖い ライダーの先輩に、高速道路を走る注意点やポイントについて聞いた。一般道すら走ったことない私からすると、高速道路は正直なところ怖いという印象[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
ビモータ「KB998 Rimini」を日本導入 イタリアが誇るモーターサイクルブランド ビモータは、カワサキとの連携による最新モデル「KB998 Rimini」を2025年9月1日に日本で発売すると発[…]
憧れのヨーロッパを快適に駆け抜けろ HondaGO TOURによるヨーロッパツーリング企画、「HondaGO TOUR in EUROPE」。 このツアーの最大の魅力は、海外でのツーリングを「気軽に」[…]
ホンダ GB350S カスタムコンテストが欧州で開催 ホンダが欧州で開催した正規ディーラー向けカスタムコンテスト「Honda Garage Dreams Contest」で、スペインのHONDA MO[…]
ベストソーシャルメディアアクティベーション賞を獲得したSNS投稿 まず体制発表会の前にピンクフロイドの『狂気』からインスパイアされたジャケットをアップ。『狂気』の原題、“THE DARK SIDE O[…]
1位:「CBR500R FOUR」最新情報/予測まとめ 今なお復活が待たれているCB400スーパーフォアの後継モデル「新型CB400」。そのフルカウルモデルに、500cc版が登場するかもしれない。中国[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
「危険なら道路を改善しないの?」との疑問を感じるが…… 市中の道路を走っていると「事故多発交差点」と書いた立て看板を見かけることがあります。 その交差点で交通事故が多発しているので気を付けて運転してほ[…]
情熱は昔も今も変わらず 「土日ともなると、ヘルメットとその周辺パーツだけで1日の売り上げが200万円、それに加えて革ツナギやグローブ、ブーツなどの用品関係だけで1日に500万円とか600万円とかの売り[…]
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題 上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。 高度経済成長期には大規模[…]
「令和4年改正道路交通法(マイナンバーカードと運転免許証の一体化・オンライン更新時講習)ポスター」から抜粋 免許情報が記載された「マイナ免許証」は便利に使える? 運転免許証とマイナンバーカードが一体化[…]
人気記事ランキング(全体)
コーデュラ(R)ユーロ3Dメッシュジャケット:プロテクションと通気性を両立 ライダーの安全と快適を追求した一着。腕部分には耐摩耗性に優れたコーデュラ(R)素材を採用。万が一の転倒時にもダメージを軽減す[…]
ホンダ GB350S カスタムコンテストが欧州で開催 ホンダが欧州で開催した正規ディーラー向けカスタムコンテスト「Honda Garage Dreams Contest」で、スペインのHONDA MO[…]
SHOEIは、2025年5月9日に東本昌平のイラストをSNSで公開。このとき「WYVERN(ワイバーン)」を被っているライダーが唐突に現れたことから、もしや復活ではとの噂が立ったが、2025年6月2日[…]
スズキではレアだった並列2気筒は、GSX-8Sの遠い先祖かも? 今回ご紹介するスズキGR650は1983年3月30日にデビューしました。 1983年といえば、日本のバイク史に記憶される年号のひとつと思[…]
予選はCBR1000RR-RとCBR600RRがトップタイムだったが…… 今年のマン島は、予選ウィークがはじまった5月26日から雨が降らない日が一日もない、悪天候に見舞われた。そのため予選はことごとく[…]
最新の投稿記事(全体)
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
PROSPECを謳い一人称カタログで語る自信のほど! ’80年代の2ストレプリカ時代を知るライダーは、’88のNSR250Rを史上最強のマシンに位置づけるファンが多数を占める。 実はホンダにとって2ス[…]
運を味方につけたザルコの勝利 天候に翻弄されまくったMotoGP第6戦フランスGP。ややこしいスタートになったのでざっくり説明しておくと、決勝スタート直前のウォームアップ走行がウエット路面になり、全員[…]
25SJ-1 レザージャケット:普段使いもスマートに決まる、大人のレザージャケット ふだん使いにも最適な、シンプルでスタイリッシュなレザージャケット。バイクに乗る際はもちろん、街着としてもコーディネー[…]
モトラのデザインエッセンスが令和に登場 バブルが弾ける前、空前のオートバイブームが訪れた1980年代には現在では思いもよらぬほど多種多様なモデルが生まれた。ホンダからは、トールボーイデザインの新しいコ[…]
- 1
- 2