目標やゴールはあえて決めない。プロセスを重視したバイクと人生の楽しみ方【ファイナンシャルプランナーのライフプラン解説】
●文:[クリエイターチャンネル] 石川英彦
目標やゴールは決める? 決めない?
何かをしようと思ったとき、あなたは”目標”や”ゴール”を決めていますか? ファイナンシャルプランナーの私はというと、じつは”決めない”タイプです。時間が限られていても、余裕があったとしても決めません。
時間が限られていたら、その時間が目標やゴールになりますし、期日や数量が定められていると、それが目標やゴールになったりします。でも、自分でやろうと決めて自分が自由にできることに対して、わざわざ目標やゴール設定はしません。
これにはきちんと理由があります。目標設定をすると、その達成のためのプロセスに行動を縛られてしまう感じがして、面白くないなと。
そんな私が、目標やゴールを決めない代わりに、決めているのが”方向性”や”方針”です。ツーリングでいえば「●●方面に行く」とか「高速を使わずのんびり行く」といった感じです。帰宅時間を決めたり、昼食の時間や場所を決めたりしません。先日、静岡県にある寸又峡へツーリングに行きましたが、そのとき決めたことは、下記の3つだけです。
- 寸又峡方面に行く
- 時間があればその近辺を走る
- 同行者との待ち合わせ時間
また、北米を約3ヶ月間、野宿をしながらツーリングしたときも、下記の4つしか決めませんでした。
- アラスカ方面へ北上する
- その前にカナダの内陸部へ行く
- 一度、拠点のカナダバンクーバーに戻りその後アメリカ本土を走る
- 秋口にはまたバンクーバーに戻る
私にとって目標やゴール設定はあまり重要ではないのです。
プロセスを楽しむと、偶然が必然になる
方向性や方針だけ決めて、プロセスは決めずに行動をはじめると、いろいろな偶然を楽しむことができます。
先日、静岡県にある寸又峡へツーリングにいきましたが、途中で道を間違えたおかげで、とある駅で1日に2本しか見られない列車を見ることができました。計画的にそこへ行けば見られるのですが、その列車を見ることがメインの目的にしていなかったので、偶然だけど価値あることを体験できた、おトク感を楽しめたわけです。
また、帰りのルートは行きと同じルートを予定していましたが、帰宅時間のことを考え、最短ルートを選んだ結果、今までに見たことのない不思議な滝を見ることができました。
北米大陸をツーリングしているときなんか、とある州で利用したキャンプ場でオーナーに誘われ、1週間そのキャンプ場でバイトしたことがあります。旅の途中のキャンプ場でバイトしたり、そのまわりの自然をゆっくり楽しめたりといったことは、計画してもできないことです。
こんなふうに、計画にはない偶然(必然かもですが)は、楽しめるだけでなく、記憶に深く残ります。
ファイナンシャルプランとライフプランって大事?
筆者はファイナンシャルプランやライフプランのお手伝いをする仕事をしていますが、個人的にはお金のことも人生のことも、目標やゴールの設定、計画をしない人間です。
たとえば、「何年後にいくら欲しいから毎月いくら貯める」といった思考ではなく、「とりあえず今ならこれだけ貯金に回せるので、すぐはじめてしまおう」といった思考です。ライフプランを立てるよりも、”どういう人生にしたいか”とか”どんな生き方をしようか”といった大きな方向性だけ決めます。
学生時代には、会社員ではなく起業することを決め、起業したらどんな仕事で社会に価値提供をするかを決めただけ。事業計画などは立てたことがありません。
2024年11月現在、東京を拠点に仕事していますが「東京に出て一旗あげよう」なんて考えたこともありません(愛知県出身です)。目標設定をせず、未計画だからこそ楽しめた偶然とワクワク感が今の自分をつくっているように思えます。スティーブ・ジョブズの名言のひとつに、次のような言葉があります。
「あらかじめ点と点をつないでおくことはできません。後から振り返ってはじめてできるのです」
想定できる出来事はあるけど、出来事から出来事へのプロセスは最初から繋ぐことはできないよということですね。本当にそう思います。
ただ、私のようなタイプもいれば、目標を決め、それに対する計画を立てて、実行に移す人もいます。計画通りにいかなければ、軌道修正や計画の見直しをすればよく、柔軟に対応していけばよいですね。どちらのタイプが良いか悪るいかはなく、自分がどちらのタイプかを知って行動することが大切です。その方がストレスを感じずに生きていけますよ。
最後に、ファイナンシャルプランナーの立場からひとこと。お金と人生のことは「目標を決めて計画を立てることが大切です」。あれ、私の生業なのに生き方と真逆だな…(笑)。
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