ダイソーの工具「フリーレンチ」使ってみたらコスパ良だけど非常に惜しい出来だった!【100円ショップDIYアイテム徹底レビュー】

百円ショップのダイソーに「フリーレンチ」が売っていたので、実際に使ってみたレポートをしたい。お値段は破格の220円。通常のメーカー品の4分の1から10分の1以下の価格なので、もし「マトモに使えたら」そのコストパフォーマンスは計り知れない!? 良かったところ、ダメだったところがしっかりと両方あったので興味ある方はぜひご一読をば!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
ダイソーにフリーレンチが税込み220円で売っている!
100円ショップの雄、ダイソーの工具を買ってみよう使ってみようシリーズ。今回は「フリーレンチ」(税込み220円)です。
てか、ダイソーでフリーレンチが売っているとは思わなかった。だってフリーレンチだよ?
ちなみにフリーレンチは、筆者によるアマゾン調べによれば安いのでは700円、通常の価格帯でも1500円から高いものになると2500円といったところ。それなのに税込220円とは価格も破格。
この金額だったらもし使い物にならなくても許せちゃう? 気軽にテストしてみましょう~!
そもそも「フリーレンチ」とはなんぞや?
フリーレンチ(スピードレンチとか、フリーサイズレンチとも言う)は、スパナとラチェットの良いとこ取りをしたような工具です。スパナの先端が自在に動くようになっていて、その特殊な形状から、締め込む方向に回すと食いついて、反対方向に回すと緩むという動きをします。
回す対象から外すことなくラチェットのように連続して回転させることが可能なため、狭い箇所の作業でとても重宝するアイテム。また、舐めかけたネジやボルトでも回すことが可能なのでとても優れたアイテムといえます。
つまりは、たくさんのサイズのスパナやレンチを持たなくてもフリーレンチ一本があればあらゆるシーンに対応できるということマジで使えるアイテムなのです! ただし、ちゃんと使えたら・・・のハナシなのは御愛嬌。
回せるサイズ(大と小)をチェック
ダイソーのフリーレンチは両頭あって、それぞれ大きい方と小さい方のサイズに対応しています。大きいほうが15~22mm(0.59-0.86インチ)。
小さいほうが9~14mm(0.35-0.55インチ)。
当たり前だけど、ミリ規格にもインチ規格にも対応してくれるのはマジでありがたい。実際筆者はインチサイズの工具は持ってないので、なんと頼もしいことか! ・・・あくまで使い物になれば、ですが。
じっくり見てみよう
お次は、フリーレンチをじっくり見てみましょう。
開いた状態と、閉じた状態はこんな感じ。
可動式の爪が六角っぽい形になっていて、固定式の爪がギザギザになってます。この2つのコンビネーションでガッチリと掴むわけですな
この形を見る限りモンキーレンチよりも信頼度が高そう。強いて懸念を挙げるならば、ギザギザの爪がボルトやナットに傷をつけないか?ということぐらいか。
さっそく使ってみます!
まずはアクスルシャフトのナットでさっそく使ってみましょう。
最初のターゲットはフロントホイールのアクスルシャフトのクラウンナット。サイズは17ミリ也。
そんじゃやってみよう(ドキドキ、ワクワク♪)。
ナットに当てて回してみると「ずるっ」
空振り~!!!!
焦った。マジでビビった。いきなり豪快にナメたのかと思っちゃいましたが、どうやら力がかかる前に外れちゃったみたい。
え、なんで??
よくよく観察してみると、この2つの爪が噛み合うように合わせてあげないとちゃんと食いつかないみたいです。そうか、そうなのか。
改めて再挑戦!リトライします
フリーレンチをナットにあてがって、もう一方の手で抑えてちゃんとナットに噛ませます
トルクがかかるのを確認してから回してみると・・・
ぐいっ
何の不安感もなく回りました!!
拍子抜けするぐらいに簡単に外せました
一度食いついちゃえばこっちのもののようで、とくに苦労も問題もなくナットを外すことはできました。
そうかそうか、最初さえちゃんとすれば、フリーレンチらしい仕事をしてくれるようです。
連続して締めこんでみた
お次はナットを締めてみます。フリーレンチの爪をちゃんと合わせてから、
締めこんで…
反対方向に回したらロックが解けて、レンチだけが空回り。そして再び爪を合わせて回すと・・・
ぐいっと締めこむことができます。
ナットから外すことなくラチェットのように締めては戻して締めては戻してと、往復することができます。これこそフリーレンチの真骨頂!!
そして最後の本締めまでしっかり締め込むことができました。
一番力が入ったところでは、モンキーレンチやスパナよりも力が入れやすい感じ。もちろんメガネレンチにはかなわないものの、予想外のホールド感です。
ホールド感をシッカリ感じられる
え、あれ? これって凄くない・・・??
トップブリッジのボルトも回してみる
お次はトップブリッジのボルトを緩めてみます
爪をしっかり合わせて…
ぐいっとな。
こちらもあっさり外すことができました。
そして先ほど懸念だった傷についてですが、ボルトを取り付けて締め込んで本締めした後チェックしてみましたが・・・傷はついてませんでした!!
これ以外にも12mmや14mmのボルト、単管クランプのボルト等々、いろいろなボルトに使ってみましたが結果は変わらず。もうちょっと決定的なオチがあるかと思ってたのですが、至って普通に緩めたり閉めたりそして本締めまでこなしてくれました。
やはり気をつけるべきは回す前の「合わせ」ですね。最初だけじっかり食いついてくれれば、あとはしっかり回すことができました。マジか~。
ちょっと残念な弱点その1:小さいボルトが・・・
大きめのボルトを回す時にはまったく気づかなかったのですが、小さいボルトが回せないことが分かりました。
たとえばこのM6のフランジボルト。なんかうまく食いつかないなと思っていたら、爪の厚みが邪魔をして半分もかかってないことに気づいたのです。こりゃ、安定しないわけだ~・・・。
構造上しょうがないにしても、必要な努力が少ないわけだからもうちょっと薄くできないものでしょうか??(残念!)
残念な弱点その2:質感・・・よりもバネが欲しい!
使っていて気になったのはその質感。
ちょっとザラザラしすぎてるのと、本体が薄い上にエッジがあるので(バリがあるわけではないけど)、力をかけた時に手のひらが若干痛い。だけども、値段から考えたらここを指摘するのは筋違いというものですよね。だって220円だし!
それよか気になったのは、可動部の爪のとこにバネを仕込んで欲しいですね。
ボルトを包み込んでくれるぐらいの強さのバネが欲しい!!!!!!
バネが強すぎても使いにくいけど、狭いところで作業する時は両手で押さえられないこともあるから、ちょっとでもバネの力で食いついてくれたら外れることなく連続して締め込みができるはず。そうすりゃ完璧だと思うのだが!!
すごいぞ、ダイソーのフリーレンチ!
そんなわけで、若干残念なポイントがあったものの、220円という価格からすればとんでもないコストパフォーマンスを実感できました。コツさえつかんじゃえばマジで本締めできます。しかも手早く。まさかこんなに使いやすいとは想像もしてませんでした・・・見くびってゴメン!
使いにくくて、しかもナットやボルトに次々と傷をつけていくような代物だったら「【葬送のフリーレンチ】でした」っていうオチも用意してたのに・・・(チェッ)。
まとめ
そんなわけで今回のレポートをまとめてみます
・いきなり回すと外れるので、ちゃんと両手でおさえること
・小さいボルトは爪が当たって浮いてしまうことがある
・薄くてエッジがあるのでちょっと手が痛いかも
・だけど食いつき良好なので本締めもイケる!
・慣れちゃえば普通以上に使える
そんなわけでダイソーのフリーレンチは220円とは思えぬコスパでした。
最後に1つ個人的な希望なのですが、小さい方の爪のスリム化と、取っ手部分をもうちょっと厚くして丸みを持たせて、先端の爪にバネを仕込んでほしい。
- スリム化+100円
- 取っ手の改良+100円
- バネの仕込み+100円
これらの改良で500円(税込み550円)になってもぶっちぎりのコスパになると思います。ダイソーの商品開発の方いかがでしょうか??
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
おじさんライダーにはおなじみのテクニック 本来、クラッチケーブルはクラッチレバーのボルトとナットを外してからでないと、取り外せないもので、これがまた地味に時間がかかるもの。 それをもっと簡単に取り外し[…]
いざという時に役に立つ小ネタ「結束バンドの外し方」 こんにちは! DIY道楽テツです。今回はすっごい「小ネタ」ですが、知っていれば間違いなくアナタの人生で救いをもたらす(大げさ?)な豆知識でございます[…]
汚れに応じて希釈倍率を調整。アルミやメッキも傷めず使用できる 「強力洗浄剤」を謳う洗剤やケミカルは数多く存在するが、ポテンシャルを引き出すには“汚れの種類”を明確にすることが大切だ。 あらゆる物質には[…]
30年以上乗っていないバイクのエンジンオイル交換 「しばらく乗っていなかった」という表現もじつにさまざま。露天放置で長年放置されていた個体と、環境が良いガレージ内で保管されていた個体とを比較すると、そ[…]
多彩なアダプターによる高い汎用性と車載できるコンパクトさが魅力 買い物用の原付スクーターでもサーキットを走行するレーサーでも、タイヤの空気圧管理は重要。空気圧は徐々に低下するため、気がついたら標準値よ[…]
最新の関連記事(工具)
多彩なアダプターによる高い汎用性と車載できるコンパクトさが魅力 買い物用の原付スクーターでもサーキットを走行するレーサーでも、タイヤの空気圧管理は重要。空気圧は徐々に低下するため、気がついたら標準値よ[…]
思い通りに調整できないバイクのチェーン バイクのチェーン調整でこんな経験したことはありませんか? 伸びてゆるくなったチェーンを… アジャスターで調整して、チェーンの弛みを適正値に確認して… アクスルシ[…]
ガソリン漏れトラブルは突然に これは先日実際に起こった出来事です。 ガソリンを携行缶からバイクのガソリンタンクに注入しようとしたら・・・ボタボタボタッ・・・。 「!!!!」 携行缶のノズルの根元からガ[…]
スパナプライヤー:刻みのないジョーが平行にスライド。スパナのように使えるプライヤー ストレートのスパナプライヤーは、細部の形状や仕上げは異なるものの、ヒンジの仕組みや特徴はクニペックスのプライヤーレン[…]
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
人気記事ランキング(全体)
いざという時に役に立つ小ネタ「結束バンドの外し方」 こんにちは! DIY道楽テツです。今回はすっごい「小ネタ」ですが、知っていれば間違いなくアナタの人生で救いをもたらす(大げさ?)な豆知識でございます[…]
V3の全開サウンドを鈴鹿で聞きたいっ! ここ数年で最も興奮した。少なくともヤングマシン編集部はそうだった。ホンダが昨秋のミラノショーで発表した「電動過給機付きV型3気筒エンジン」である。 V3だけでも[…]
1978 ホンダCBX 誕生の背景 多気筒化によるエンジンの高出力化は、1960年代の世界GPでホンダが実証していた。多気筒化によりエンジンストロークをショートストトークにでき、さらに1気筒当たりの動[…]
ファイナルエディションは初代風カラーでSP=白×赤、STD=黒を展開 「新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツ」を具現化し、本当に自分たちが乗りたいバイクをつくる――。そんな思いから発足した「プ[…]
ガソリン価格が過去最高値に迫るのに補助金は…… ガソリン代の高騰が止まりません。 全国平均ガソリン価格が1Lあたり170円以上になった場合に、1Lあたり5円を上限にして燃料元売り業者に補助金が支給され[…]
最新の投稿記事(全体)
オートレース宇部 Racing Teamの2025参戦体制 2月19日(水)、東京都のお台場にあるBMW Tokyo Bayにて、James Racing株式会社(本社:山口県宇部市/代表取締役社長:[…]
Schwabing(シュヴァービング)ジャケット クラシックなフォルムと先進的なデザインを合わせた、Heritageスタイルのジャケットです。袖にはインパクトのある伝統的なツインストライプ。肩と肘には[…]
新レプリカヘルメット「アライRX-7X NAKASUGA 4」が発売! 今シーズンもヤマハファクトリーから全日本ロードレース最高峰・JSBクラスより参戦し、通算12回の年間チャンピオンを獲得している絶[…]
小椋&チャントラの若手が昇格したアライヘルメット まずは国内メーカーということで、アライヘルメットから。 KTM陣営に加入、スズキ、ヤマハ、アプリリアに続く異なる4メーカーでの勝利を目指すマー[…]
王道ネイキッドは相変わらず人気! スズキにも参入を熱望したい 共通の775cc並列2気筒を用い、ストリートファイターのGSX-8S、フルカウルのGSX-8R、アドベンチャーのVストローム800系を展開[…]
- 1
- 2