危うくエンジン壊しそうに…ホンダ トゥデイのエンジン組み立て時に遭遇したTマーク合わせの罠とは?

こんな間抜けなミスをする人はいないと思いつつも一つの教訓としてシェアさせていただきます。 エンジンの分解と組み立てに必要な 「Tマークを合わせる」という行程。エンジンの切り欠きに合わせるという先入観(?)が招いたオジサンの失敗談を御笑覧あれ!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
「Tマークの合わせ方」で検索したのが事の発端
ホンダのスクーターTODAY(トゥデイ AF61)の
エンジンを分解しようとして、
「Tマークの合わせ方」で検索したのがことの発端でした。
ネット検索で出てきた画像は「シリンダーブロックの切り欠きにTマークを合わせる」というもの。うんうん、分かりやすい目印だね。
切り欠きに合わせました!!
ほい、Tマークを合わせて、エンジン分解してくよ。だけどここで違和感を感じたんですよ。カムスプロケットを見ると…こんな位置になってました。
…なんか、違くない??
何か車種特有のクセがあるのか、それとも何かを間違えてるのか。まあとりあえず分解はできるので、どのみち後でわかるでしょう~なぁんて気軽に構えて作業を続けておりました。
「Tマークを合わせる」とは?
ちなみに、「Tマークを合わせる」とは、点火時期の調整やカムシャフトなどの位置合わせを正確に行うための作業です。具体的には、エンジンのフライホイールにあるマーク(”T”の形をしていることが多い)を、エンジンの特定の基準点や目盛りと正確に合わせることを指します。このTマークの位置はいわばゼロ位置(基準点)。これを間違えるとカムシャフトとピストンの位置関係が崩れてしまうので、この状態で始動を試みるとエンジンが掛からないか、最悪の場合エンジンの破損を招くことになります。
そして気づいてしまった(自分のミスに)
そして後日、部品が揃ってエンジンを組み立てようとした時に気づいてしまったんですよ。
ピストンを上死点にしてから、ふとフライホイールを見てみると…
おん?
あっ!
なんか違うトコで、Tマークが切り欠きに合ってる~!
最初にTマークの合わせ一位置だと思っていたシリンダーの切り欠きと、後から気づいたシリンダーの切り欠き。位置関係はこんな感じになっております。
気づいた後だったら間違えようがない場所だけど、でも改めて近くで見てみると…
似すぎだろっ!!!! 三角形の切り欠きもそうだけど、意味ありげな直線の盛り上がりとか、共通点多すぎ…アップの写真見てたから完全に勘違いしておりました…(アチャー)
間抜けなミスだけど教訓としてシェアしておきたい
てことで、正しい方法にてTマークを合わせて、無事にエンジンを組み立てることができました。いや~、危なかったなぁ。そのままエンジン始動してたらどうなっていたことやら。
…いやいや、初めから最後まで悪いのは私です。間違えたのも私です。勝手な思い込みで勘違いしていたわけですが、だけどごめんなさいちょっとだけ言い訳をさせてください。ネットの写真を見ただけじゃこれは勘違いしますって(いや、俺だけかもしれんけど…)。
初めて分解するエンジンで、部分的な写真だけを見て「あ、ここだね」と思い込みだけで作業することの恐ろしさを痛感しましたですよ。
同じミスをするような人はいないと思いつつも…だけど、1つの失敗談として皆様にシェアしたいのです。
え~…、皆さん。勝手な思い込みをしないように、ちゃんとしたマニュアルを揃えてから作業するようにしましょう。もしネット情報に頼るにしても、検索した情報はきちんと把握してから作業するようにしましょうね。
オジサンとの約束だぞっ!! この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
「消えないブレーキランプ」は他人ごとじゃない 街中をバイクで走っていたところ、前を行くスクーターのブレーキランプがなんか明るいな~と思ったら、どうやら点灯しっぱなしになってるぽかったのですよ。 毎度乗[…]
クニペックス製と瓜二つ!? アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」 ボルトやナットの2面を隙間なく掴める、平行に移動するジョー、グリップを握る力が増力される独自のジョイント構造、全長に対して著[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
ドロ汚れだけではなく油汚れにも効果てきめん。分解前には周囲の汚れ落としが基本 台風被害による河川越水時にエンジン腰下まで水没したカワサキW1‐SA。その後、放置期間がしばらく続いたが、嫁ぎ先が決まった[…]
最新の関連記事(工具)
クニペックス製と瓜二つ!? アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」 ボルトやナットの2面を隙間なく掴める、平行に移動するジョー、グリップを握る力が増力される独自のジョイント構造、全長に対して著[…]
ユニバーサルソケット:手が届かないボルトやナットもナットグリップ機構でホールド スチールボールによるフリクションでボルトやナットをホールドするコーケン独自のナットグリップソケットと、ユニバーサルジョイ[…]
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
レストアでのつまづきはそこかしこに 古いバイクをレストアしていると意外なところでつまずいたりするものですが、今回引っかかったのが8インチのチューブタイヤの「リムバンド」。 こちらのホイール、別にリムバ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
人気記事ランキング(全体)
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキのレトロモデル「W230」と「メグロS1」が2026年モデルに更新される。W230はカラー&グラフィックに変更を受け、さらに前後フェンダーをメッキ仕様[…]
最新の投稿記事(全体)
4気筒の「ニンジャZX-R」、2気筒「ニンジャ」計6モデルに10色を新設定 カワサキは欧州でフルカウルスポーツ「ニンジャ」ファミリーのうち、4気筒モデル「Ninja ZX-6R」「Ninja ZX-4[…]
1980~90年代を代表するイタリアンライダー、ルカ・カダローラのレプリカを復刻! ルカ・カダローラはイタリア出身のレーシングライダーで、1984年に世界GP125にデビュー。’86年にチャンピオンを[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
メーカーメイドのカフェレーサー ’74年末から発売が始まったCB400フォア、通称ヨンフォアは、’60~’70年代に世界中でブームとなった、カフェレーサーを抜きにして語れないモデルである。カフェレーサ[…]
- 1
- 2