
●文:[クリエイターチャンネル]青木タカオ
中2から夢中になった片岡義男のオートバイ小説、30年間乗り続けているカワサキW1、ハーレーへの愛、青春ノイローゼにもほどがあるワタクシ青木タカオのハナシを、こともあろうかラジオでぶちまけてしまいました。
ラジオが泣いた夜
ボク((青木タカオ))がバイクの虜になったキッカケ=片岡義男のオートバイ小説。
片岡義男のオートバイ小説に影響され、その世界観に昔も今もぞっこんであることをいろいろなところでハナシているボクですが、こともあろうか公共の電波=ラジオでもそんなお喋りをさせていただきました。
長寿ラジオ番組『FMドライバーズミーティング』のゲストとして、お招きいただきました。
中学生の頃、グラビア目当てに『週刊プレイボーイ』(集英社)を盗み読もうと、4つ年上の兄の部屋へ忍び込んでたボク。ふと目にしたのが、本棚に並ぶ赤い背表紙の文庫本(角川文庫)たち。『彼のオートバイ、彼女の島』『スローなブギにしてくれ』『ボビーに首ったけ』『湾岸道路』『俺のハートがNOと言う』『幸せは白いTシャツ』…。タイトルと表紙の写真に目を奪われ手に取ると、すぐにもう夢中に!!
斉藤慶子/西田ひかる/武田久美子/杉本彩さんたちのグラビアはもうそっちのけで、片岡義男ワールドにどっぷり引きずり込まれ、一気に読み漁るのでした。
片岡義男がパーソナリティを務めるラジオ『きまぐれ飛行船』(FM東京)がもう終わってしまっていた頃で、クラスメイトたちに「オレ、いま片岡義男、読んでるんだよ。カッコイイんだ〜」って自慢しても、同世代には通用しません。世代的には昭和45年生まれ以前でしょうか、兄たちの年齢なら知らない人はいないというぐらい、大・大・大・大人気でした。
つまり、中学生のボクはだいぶ背伸びをしていたってことで、『彼のオートバイ、彼女の島』(角川映画)や『スローなブギにしてくれ』(東映)などの実写版映画は、テレビの再放送やレンタルビデオで観ました。
原田貴和子や浅野温子に惚れ惚れウットリしたのは言うまでもなく、自分もオトナになったらきっとこんなふうにオートバイに乗って、こんなふうに壮絶美女たちとかっこいいロマンスがあるんだろうなと、妄想したのでした…。
カワサキのツインを買う
兄たちに連れられ、クローズドコースでモトクロスの経験があったものの、片岡義男の小説で描かれているオートバイの世界観は、ボクが知るそれまでのオフロードバイクで感じるものとはまるで違うものでした。いまでもスポーツとして愉しむオフロードライディングは大好きですが、片岡義男の小説はボクがオートバイの免許をとるキッカケとなりましたし、バイクライフをおくる上で自分にとってのバイブルとなっていくのです。
16歳になったボクは、すぐに中免(中型限定二輪免許)をとります。そして最初に買ったのが、小説の主人公たちが乗るカワサキのツイン。『彼のオートバイ、彼女の島』の橋本巧なら「650RS W3」ですが、限定解除をしなければ乗れません。そこで見つけたのが、13万5000円と破格で売れられていた中古車「GPZ250ベルトドライブ」でした。
「ベルトドライブってナンダ??」とも思いましたが、エンジンはなんたって並列2気筒!! よっしゃ、合格!! こうして、ボクとカワサキのツインとのバイクライフが始まったのです。
ボク(青木タカオ)の初めてのオートバイは、カワサキのツイン!! 「GPZ250ベルトドライブ」だった。
熱き青春時代
いまではすっかり軟弱になったボクですが、ティーンエイジャーだった頃はテントやシュラフをリヤシートに満載にし、北海道/四国/九州と日本中を走り回りました。夏になると必ず乗っていたのが「モトトレイン」。鉄オタだったボクは、急行「八甲田」に連結されるこの臨時列車が大好きでした。
ボクの国内ツーリングは、その後、海外へのバックパッカー&現地レンタルバイク旅へと変わっていくのですが、それはまた今度お話しします。
毎年夏休みには「モトトレイン」で北海道へ長期ツーリング。写真は1990年ですから、青木タカオ17歳の夏。
30年近く乗るダブワン
東京・鮫洲の運転免許試験場で実技10回。一発試験しかなかった限定解除を18歳でできたボクは、排気量制限なしに大型バイクが乗れるとあって、当時はまだ珍しかった逆輸入のリッターバイクに目がくらみます。購入したのは比較的安かった「GPZ1000RX」でした。
GPZ1000RXでも北海道などツーリング三昧。しかし、テントの中でひとり、片岡義男小説を読んでいると、本当に自分が欲しいのは、カワサキのバーチカルツインじゃなかったっけ?? と自問自答を繰り返します。そして、ついに決心!!
ボク(青木タカオ)の愛車の1台、カワサキW1SA(1971年式)。
「朝になったらタッチミー」に登場するカワサキ「W1SA」(1971年式)を21歳のボクは購入しました。最初に買ったのは、タンクがオレンジの車両。上の写真はその後12年ぐらいして、よりコンディションの良い車両に乗り換えた2代目のブルーです。一時はW1SAを2台所有していました。気がつけば、ボクは30年近くダブワンにずっと乗り続けています。
カワサキW1SA(1971年式)のバーチカルツインエンジン。
OHV2気筒でプライマリーギヤを持ち、トランスミッションは別体式、ドライサンプ。ボクはオーソドックスで味わい深いエンジンにどんどん魅了されていきます。カワサキの直列2気筒エンジン以外にも興味を持ち、ボクサーツイン=BMW R80、Vツイン=ハーレーダビッドソン FLHTCエレクトラグライドと、OHV2気筒ばかり愛車がどんどん増えていくのでした。
ヤングマシンから派生した大型バイク専門誌『BIG MACHINE(ビッグマシン)』の編集部で働くようになり、オフロード競技車も「YZ80LW」「CR125R」「YZ250F」「CRF250R」と乗り継ぎ、レースに出ていたことから、モトクロス専門誌『DIRT COOL(ダートクール)』で連載企画を担当させていただくようになります。
さらに『HOTBIKE JAPAN(ホットバイク ジャパン)』でも、連載コーナー『アオチが行くっ!!』がスタート。だんだんと、ハーレーの世界に没入していくのでした。
ハーレー専門誌の編集長へ
ハーレー専門誌の仕事が増え、海外へ出かける機会も多くなると、今度はハーレーにハマっていきます。いまは休刊となってしまった雑誌版『バージンハーレー』の編集長となり、2019年10月には『WITH HARLEY(ウィズハーレー)』を創刊します。
そして『FMドライバーズミーティング』へ
レーサー鹿島さん(左)とボク(右)
今回、こんなボクのハナシを聞いてくださったのが、レーサー鹿島さんです。TOKYO FMの局アナ等を経て、4輪/2輪レーサーとしてご活躍。現在はマルチプロデューサーとして活動の場を広げている異色の経歴の持ち主です。
レーサー鹿島さんがDJを務めるラジオ番組『FMドライバーズミーティング』のゲストとしてお招きいただくという光栄に預かったのでした。
『FMドライバーズミーティング』は毎週日曜にオンエア。前編2月4日(日)/後編11日(日)、なんと2週にわたって登場させていただき、前編は終了。後編、以下にて聴取可能ですので、もしご興味ございましたら、ぜひPC/スマホ/ラジオでチェックしてみてください。
番組の詳細
https://okjapan.jp/blog/racerk/2024/02/02/with-harlay/
- TJS(米国):2/11(日)12時〜(TJS公式サイトにて聴取可。スマホ:アプリあり)
- radiko.jp:同日18時〜(エリアフリー>中部>静岡>K-MIX)
- K-MIX(静岡エフエム):同日18時〜
- FMY(エフエム山口):同日18時〜
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(青木タカオ)
わずか1日のみの開催でありながら、来場者数は1万人規模。毎春、ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で行われるカスタムショーが「JOINTS CUSTOM BIKE SHOW(ジョインツカスタムバイ[…]
あの『週刊プレイボーイ』と夢のコラボ!? こんにちは、バイクライターの青木タカオです。今回はご報告したいことがひとつあります。バイク記事を寄稿させていただいております『週刊プレイボーイ』(集英社)にて[…]
日本のカスタムシーンを牽引 有力カスタムビルダーたちの作品が、一度に集結するたいへん貴重な機会となっているのが、「ヨコハマホットロッドカスタムショー」です。「日本のカスタムシーンはいま」「トレンドは?[…]
メディアも多用する“◯◯◯女子” バズりワードとして、SNSをはじめメディアでもよく使われるようになった「◯◯◯女子」という言葉。セクシュアリティの多様化が認知され、ジェンダーレスな時代とはそぐわない[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
RH1250S スポーツスターS:ダウンドラフト吸気の水冷Vツインを黒で統一 121HPを発揮するレボリューションマックス1250Tエンジンをオールブラックにし、精悍さを強調するデザインとなった202[…]
RA1250ST パンアメリカ1250ST:オンロードを制するためのニューマシン“ST”登場 アメリカで人気沸騰中のスーパーフーリガンレースでは、公式バイクとして位置づけられ、H-Dファクトリーのサポ[…]
RA1250S パンアメリカ1250スペシャル:驚くほど大胆なボディワーク、紛れもないハーレーだ! フロントまわりがくちばしの長い鳥類のような造形が多いアドベンチャーモデルが多い中、この武骨なマスクは[…]
世界に名高いカスタムビルダーも! カスタムショーに新作を持ち込めばアワード常勝のカスタムビルダーたちがやってくる! 世界を舞台に活躍し、今年で25周年を迎えた「LUCK Motorcycles」と、大[…]
ナショナルハーレーデー:世界中のハーレー乗りと一緒に! ハーレーダビッドソンの故郷・アメリカはもちろん、ヨーロッパでも豪州でもアジアでも、世界中のハーレー乗りたちが一斉に走る日、それが「ナショナルハー[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | カワサキ [KAWASAKI])
400cc4気筒ブームの立役者、第3世代の直4を実現したカワサキの戦略 Z1/Z2系からZ650のザッパー系に続くカワサキ直4の第3弾がZ400FX。1980年代初頭に日本で巻き起こった空前のバイクブ[…]
ミドル直4“ザッパー”見参! 次世代を見据えた新技術を余さず投入 1970年代中頃はZ1がすでにビッグバイク界を席巻していたが、カワサキはその名を不動とするため「Z1ジュニア」のコンセプトのもと、40[…]
国内規制に合わせてエンジンを再設計 ホンダのCB750フォア(1969年)の発売と前後して、大型バイクの事故の増加や暴走族が社会問題化し、国内では750ccを超える排気量のバイクを販売しない自主規制が[…]
ライムグリーンのローソン・レプリカが人気を独占 カワサキはZ1からZ1000Mk.IIまで進化を重ねたが、1980年代に入ると大排気量スポーツのライバル車が台頭。そこでZ1系のエンジンとシャシーを刷新[…]
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
日本では400だが、グローバルでは500(451ccエンジン)のエリミネーター 欧州でエリミネーター500/SEに新色が登場した。日本仕様でプラザエディションとしてラインナップされる『メタリックインペ[…]
キャッチニッパー :作業後のゴミが減り掃除が楽になる、切れ端を飛ばさないキャッチ機能付き 配線や結束バンドを切断した際に切れ端が飛び散るのは仕方がないというのが一般的な常識に対して、一方の刃にプレート[…]
鮮やかなブルーでスポーティな外観に 欧州においてスズキ「ハヤブサ」が2026年モデルへと更新された。アルティメットスポーツを標ぼうするマシンは基本的に2025年モデルを踏襲しながら、レギュラーカラーが[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
最新の投稿記事(全体)
旅として楽しむ、ほっこりラリーイベント 「MOTHER LAKE RALLY」は、2023年に初めて開催され、今年で3年目を迎えるイベントだ。単なる速さや距離を競うラリーとは一線を画し、そのコンセプト[…]
RH1250S スポーツスターS:ダウンドラフト吸気の水冷Vツインを黒で統一 121HPを発揮するレボリューションマックス1250Tエンジンをオールブラックにし、精悍さを強調するデザインとなった202[…]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
400cc4気筒ブームの立役者、第3世代の直4を実現したカワサキの戦略 Z1/Z2系からZ650のザッパー系に続くカワサキ直4の第3弾がZ400FX。1980年代初頭に日本で巻き起こった空前のバイクブ[…]
- 1
- 2