街中やツーリングで目にする…バイクの路側帯走行は違反に当たらないのか?
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
街中では、たびたび路側帯を走行するバイクを見かけることがあります。キープレフトを遵守した走行や前方車両の右折待ちの車両を追い抜く際、つい侵入しそうになりがちな路側帯ですが、バイクで走行しても違反に当たらないのでしょうか。
街中で目にすることも…バイクで路側帯を走行してもいい?
結論から述べると、バイクの路側帯走行は“違反”に当たります。
そもそも道路交通法第二条によると、路側帯とは「歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によつて区画されたもの」とされています。
つまり、歩道がない道路における、歩行者および軽車両のための道路であることが明記されているのです。
そして道路交通法第十七条において、「車両は、歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない」と明記されていることから、バイクで路側帯を走行することは通行区分に違反した行為とみなされるわけです。
また、走行と同様、駐車の方法に関してもルールが存在します。そのルールは走行に比べ複雑で、車道外側線の種類と路側帯の広さ(幅員)によって以下のように定められています。
路側帯には、通常の路側帯(実線1本)/駐停車禁止路側帯(実線と破線)/歩行者用路側帯(実線2本)の3種類があります。
通常の路側帯の場合、幅員が0.75m以上であれば路側帯に進入して駐車します。このとき、左側に0.75m以上の余地を設ける必要があります。
一方、幅員が0.75m未満の場合、路側帯へは進入せず、実線に沿って駐車します。
駐停車禁止路側帯および歩行者用路側帯の場合も同様に、路側帯には進入せず、実線に沿って停車しましょう。
高速道路の路側帯も走行NG
ちなみに警視庁交通相談コーナーの担当者によると、高速道路については歩道がないため、車道左脇のスペースはすべて“路側帯”の扱いになるとのことです。
高速道路の路側帯は、基本的に緊急車両等が駐停車するための場所であるため、一般道と同様に原則として一般車両の進入は禁止されています。もし走行した場合は、前述のように通行区分違反が適用され、反則点数2点に加えて原付二種以上のバイクには7000円、原付一種は6000円の反則金が科せられます。
なお、走行/故障/パンクなどの非常時といった、やむを得ず駐停車する場合でも、道路交通法第七十五条により、三角表示板などの停止表示機材の設置が義務付けられています。
名前は似ているが… “路肩”にはどのようなルールが定められている?
では、路側帯とは異なる役割を持つ“路肩”については、どのようなルールが定められているのでしょうか。
道路構造令第二条によると、路肩とは「道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保つために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられる帯状の道路の部分」を指します。
つまり、路肩は歩道と車道のスペーサーとしての役割を担っていることから、路側帯と異なり歩行者や軽車両の通行を目的としたものではないと判断されます。
その路肩、自動車では走行不可ですが、バイクでは走行可とされているのが特徴です。
したがって、左側から追い抜く際に走行しても違反にはなりません。
とはいえ、走行を目的とした区画ではなく、自転車や歩行者が利用することもあるため、追い抜いたあとは早急に車道に戻ることが大切です。
なお、路肩は白色の実線で区画されている場合があります。こうした場合、路側帯とは歩道の有無(歩道があれば路肩/なければ路側帯)で見分けることができるので、注意してみると良いでしょう。
以上のように、路側帯の走行は道路交通法違反に該当する行為です。ライダーだけでなく周囲の方も危険に晒されてしまうため、走行しないようにしましょう。また、路肩の走行については、一般道において違反ではないものの、やはり安全性の面から極力利用しないことが推奨されます。
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