劣化したゴム部品、これで補修できるかも!? “ロックタイト 黒ゴム接着剤”を使ってみた【古いバイクレストアの助っ人】
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:そんなわけで補修に挑戦! まずは脱脂からだ
というわけで早速作業に取り掛かりましょう。
この「ロックタイト 黒ゴム接着剤」に限らず、 接着剤の類は油や汚れがついていると効果を発揮しにくいので、まずは最初にパーツクリーナーでしっかり脱脂と汚れ落としをします。
表面だけでなく、切れ目や割れ目も内側までしっかり洗浄しました。内部に油分が残っていると後から染み出てくるので要注意ですね。
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:内側の型を忘れずに。塩ビパイプが使えそう?
早速接着剤を盛大に盛って行きたいところですが、ちょいまち。 そのままだと内部が空洞になっているので、デコボコになるだけでなく垂れてきてしまいます。そんな状態で盛り上げていくなんて絶対にムリ。
そんなわけで、内側に型を入れようかと思ったのですが ・・・ 偶然にも手持ちの塩ビパイプがジャストサイズ。そのままだと塩ビパイプごと接着されそうなので、養生テープを離型剤がわりにしてはめ込みました。
そんじゃ、やってみましょう!!
塩ビパイプに養生テープを巻き、型にします。
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:接着剤の伸びはヨシ! “黒ゴム接着剤”を盛りに盛りまくります
さっそく、ロックタイト黒ゴム接着剤を塗って(盛って)いきましょう。
最初は塗るというより、ひび割れの中に”注入”していきます。 表面を膜で覆うよりも、ひび割れの内壁同士がくっついた方が絶対に強度が得られるので、片っ端から注入していきます。
黒ゴム接着剤は予想以上に柔らかくてちょうどケチャップぐらいの粘度。多めに盛り上げてから付属のヘラで伸ばしてやると、垂れることなく作業ができます。とても伸びがいいですね~。これは使いやすい♪
また端っこの方などは、ヒビ割れるどころかゴムそのものが欠損しています(汗)。ここは迂闊に厚塗りせず、塗っては乾かし、乾燥したらまた上塗りをして、徐々に積層していきます。
ちょっと時間はかかりますが…これでもし復活できたら愉快ですよね~。
割れ目には注入するようにして強度を高めます。
表面だけの割れや溢れた分はヘラで伸ばしていきます。粘度もちょうどよく、とても塗りやすい。
表面だけの割れや溢れた分はヘラで伸ばしていきます。粘度もちょうどよく、とても塗りやすい。
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:乾燥したら出来上がり! 型から剥がす作業は丁寧に…
塗って、乾かしてからまた上塗りを繰り返して、最後は1日以上しっかり硬化させてこんな感じに仕上がりました。
どうでしょう? 見た目は悪いですが、作業前とは別物。ちゃんとした部品として復活してるっぽくないですか?
最後に型(塩ビパイプ)から外していくのですが、ここで焦って破れたんじゃ元も子もないので丁寧に作業していきます。カッターの先を使って、少しずつ少しずつ剥がしていきましょう~。
この時点で気づいたのですが、手に伝わってくる感触が作業前とは全く別物に変わっているようです。 弾力性があるんですよ。これは期待できそう・・・!
ちょっとシュールな姿。予想以上にしっかり補修できたっぽいです。
最後剥がす時は急がず焦らず丁寧に…。
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:完成しました! 出来栄えは如何でしょうか?
こんな感じに仕上がりました~! おおっ…すごい。ちゃんとゴム部品になっています。
完全に切れていて、内側に入れた指が見えたところもしっかりくっついています。そしてくっついているだけでなくて、むにむに、グニグニ動かしてみても、しっかり柔らかく弾力性に富んでいます。すっごいな、おい!!
盛りすぎたことと、ヘラ使いが荒かったので見た目はアレですが。だけども、劣化したゴム部品が治せるという事実はあまりにも大きいですね。
見た目には少々難アリ…ですが、実用的には十分。冗談みたいですが、ちゃんと機能しました。ちょっとやそっと走ったぐらいじゃ破れる気配もありません。
こんなふうに、ちぎれていた部分もきちんと繋がって復活しました!
そんなわけで、メイト70のインシュレーター、ぶじ復活です!!!
劣化ゴム補修 黒ゴム接着剤:まとめ
結論としてこの「ロックタイト 黒ゴム接着剤」は、アリでした!それもちろん純正よりは強度も劣るし耐久性も未知数ですが、少なくとも ゴミにしかならない程に劣化したインシュレーターが実用品として復活した事実は大きいです。
もっと時間をかけて作業すれば厚みを増やすこともできますし、もっと高年式バイクだったらちょっとした補修にかなり有効な方法かと思われます。
同じようなゴム部品の劣化で困ってる方のお役に立てればとても嬉しいです。
今回もご視聴ありがとうございました~!
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