【FCRの性能を取り戻せ!】ボディ内部の摩耗はキースターのFCR燃調キット&逆転蘇生キットで完璧にリフレッシュ!

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レーシングキャブレターならではのスロットルレスポンスの良さと全開時の吸気効率の高さ、カスタムパーツとしての見栄えの良さの両面で人気のケーヒンFCRキャブレター。キャブレター専門メーカーのキースターが開発したFCR燃調キットはセッティングやオーバーホールで重宝するアイテムとしてユーザーに好評ですが、さらにもう一歩メンテナンス寄りに踏み込んだ「FCR燃調キット&逆転蘇生キット」をリリースしています。FCRキャブにとって避けられないボディの摩耗を独自の方法で修復する逆転蘇生キットは、FCRを長く愛用するユーザーにとって気が利く製品として高く評価されています。

●BRAND POST提供:KEYSTER 岸田精密工業

フルオーバーホール可能な燃調キットがあって生まれたガイドレール貼り付け式の逆転蘇生キット

円筒形のスロットルバルブ(ピストン)を板状のバルブとすることで、キャブレターの前後長を短縮したのがフラットCR=FCRキャブレターの特徴です。FCR以前にも2スト用、4スト用にフラットバルブキャブはありましたが、2ストに比べてエンジンの吸入負圧が大きい4ストでは、バルブの張りつきが問題となっていました。

常に最大限の空気を吸おうとしているエンジンに対して、空気とガソリンの量を調整するのがキャブレターの役割なので、スロットルバルブ開度が小さい領域ほど吸入負圧は相対的に大きくなります。したがって、スロットル全閉のアイドリング状態の負圧が最大となり、そこから回転を上げる際はエンジン側に引っ張られる力に負けないようスロットルを開けることが必要です。開いたバルブを閉じる際も、スロットル開度が小さくなるほどバルブが受ける負圧が大きくなるため、中途半端な位置で張りついてエンジン回転が落ちなくなることもあります。

こうした症状に対応するため、FCRキャブレターはスロットルバルブの両側に樹脂製のベアリングローラーを設置することでボディとバルブが面で接触することを回避して、吸入負圧が大きな低開度領域のフリクションロスを軽減しています。

しかしながら、ローラーによってスロットル操作性は向上したものの、4ストエンジンの吸入負圧が大きいことには変わりはありません。そして吸入負圧といっても、常に一方向の圧力が掛かり続けているわけではありません。

エンジンが吸気行程にある時は負圧が加わりますが、吸気バルブが閉じれば常圧になり、吸排気バルブのオーバーラップ時には吹き返しが発生することから分かるように、エンジンからエアークリーナーボックス(エアーファンネル)側に圧力が掛かります。つまり、スロットルバルブはベンチュリー開度を調整する上下方向だけでなく、前後方向に脈動しながら作動しているのです。

この前後方向の動きがFCRキャブの持病であるボディの段付き摩耗の原因となります。スロットル全閉時、バルブはエンジン側に強く引きつけられ、この状態からスロットルを開けていくと負圧が掛かったバルブを支える4つのローラーはボディに強く密着しながら転がります。

この時もスロットルバルブはベンチュリーの前後に脈動し続けているため、ローラーがボディ内の軌道面を叩くように作動し、やがて接触面が摩耗して窪みができてきます。幹線道路の舗装にわだちができるようなものです。

この窪みは走行距離(使用期間)が増えるほど大きくなり、スロットルバルブの前後方向の自由度が増えるほどFCRキャブ特有のバルブのカチャカチャ音も増大します。

FCR逆転蘇生キットは必ずFCR燃調キットとセットで販売される。セッティングとオーバーホール目的なら燃調キットのみを購入すれば良く、ボディに段付き摩耗を発見したら燃調キット&逆転蘇生キットで完全対策を行う。

こうした症状に対処するためいくつかの対策部品が市販されていますが、キースターでは他にない独創的な手法でボディの摩耗に対応しました。それが逆転蘇生キットです。

この製品のユニークな点は、ボディの窪みを厚さ0.1mmのステンレス製ガイドレールで覆うことです。これは凸凹の道路に鉄板を敷いて平らにするような発想です。

FCR純正スロットルバルブにもミニチュアベアリングが組み込まれているが、ジュラコン製ローラーと共にすべて新品に交換できる。

ローラーで窪んだボディを補修する要のガイドレールは0.1mmのステンレス板で製作。ボディの左右に取り付けるため4気筒用キットは8本のレールがセットされている。

カギとなるのはガイドレールですが、ジュラコン製ローラーやベアリングも含まれておりスロットルバルブ側のメンテナンスができるのも逆転蘇生キットの特徴です。芸が細かいことに、ベアリング交換用の専用工具まで入っています。

スロットルバルブに組み付けられたベアリングが外れにくいのは経験者にとってはおなじみですが、特製プーラーによってトラブルなく軽々と引き抜くことができ、アルミ板製のインストーラーで余計なストレスを与えることなくベアリングを装着できます。

FCR純正スロットルバルブにもミニチュアベアリングが組み込まれているが、ジュラコン製ローラーと共にすべて新品に交換できる。

0.1mmとはいえガイドレールを挿入するため、スロットルバルブのローラーは専用品となる。純正ボディよりステンレスレールの方が耐久性が高い。

既存の段付き摩耗対策製品との唯一かつ最大の違いは組み付け方法です。他製品はトップカバーとスロットルバルブを取り外せばボディ上部から取り付けが可能ですが、逆転蘇生キットはFCRキャブを完全に分解しなくてはなりません。

コの字型に加工された薄いガイドレールをボディ内壁にセット際に使用する耐ガソリン性のテープを密着させるには、ベンチュリー底部に取り付けられたスロットルバルブの中子が邪魔になるのです。

ボディに対してガイドレールをきつめの寸法で設計して、挿入時の抵抗で位置を決めることもできたかもしれませんが、ガイドレールの下部がもっとも重要であることから、キースターではインターミディエイトボディとスロットルバルブの中子を取り外して、ボディを完全な筒状態にして貼り付けるという手段を選択しました。

ここで役に立つのがFCRキャブレター用燃調キットの存在です。FCRキャブのインターミディエイトボディは非分解設定で、内部ガスケットも補修部品の設定はありません。しかしキースターではこれらを独自に製造することで、ジェットやニードルによるセッティングに加えて完全オーバーホールを可能にしたことは前回ご紹介した通りです(前回の記事はこちら)。

ローラーの窪みを対策したいだけなのにボディ自体を完全に分解するのは手間が掛かるし作業的に自信がないという方もいるかもしれませんが、キースターではあくまでキャブの機能回復を優先にこうした手順を採用しています。すなわち、ボディが窪むほど使い込んだキャブであれば、インターミディエイトボディ内ガスケットの劣化も十分あり得るという考え方です。

このため、逆転蘇生キットはFCR燃調キットとセットで販売されています。ちなみにFCR燃調キットのラインナップが60商品なのに対して、FCR燃調キット&逆転蘇生キットは41商品なので、現状ではすべての燃調キットに逆転蘇生キットが用意されているわけではありません。しかしヤマハSR400用φ35、SR500用φ39、カワサキGPZ900R用φ37、ハーレーダビッドソン用φ41は燃調キット&逆転蘇生キットの販売が好調です。

FCR燃調キット

ガイドレールによる段付き補修効果は劇的です。スロットルバルブがエンジン側に引っ張られた状態でスロットルを開けていくと、ローラーが窪みを乗り越える際にスロットルが明らかに重くなりますが、ガイドレールで平坦になることで途中で引っかかることなくスムーズに作動するようになりました。また、窪みを塞いだことでスロットル全閉時のバルブ前後方向の遊びが減少し、アイドリング時のFCR特有のカチャカチャ音のレベルも低下しました。

ボディの摩耗は徐々に進行するため、スロットルが何となく引っかかるように感じ始めても新品キャブのフィーリングはなかなか思い出せません。しかしガイドレールによってローラーの軌道がリセットされると、ボディの窪みがどれほど大きな影響を与えていたかが明確に分かります。トップカバーとスロットルバルブを取り外してボディ内部を確認し、ローラー接触部分が窪んでいることが分かったら、FCR燃調キット&逆転蘇生キットを活用してリフレッシュすることをおすすめします。

FCR燃調キット&逆転蘇生キットの取り付け作業手順を説明

ボディ側面にガイドレールを密着させるため、インターミディエイトボディとスロットルバルブの中子を取り外す。復元時のガスケットは燃調キットの部品を使う。

スロットルバルブを抜いたボディ上部からも見えるが、インターミディエイトボディを外した下部から見るとローラー当たり面の窪みがより明確に分かる。

レールは上下の形状が異なるので、ボディ内部の脱脂洗浄を行ってからガイドレールを仮付けして位置を確認する。

ガイドレールを下げすぎるとインターミディエイトボディと干渉するので要注意。ボディ内にスロットルバルブの中子がある状態では、貼り付けに苦労しそうなのは明らかだ。

仮付けで取り付け位置を確認したらレール裏面のテープでボディに貼り付ける。キット付属の角材で均等に押しつけるのがポイント。

専用工具を使ってスロットルバルブから純正ベアリングを取り外す。純正ベアリングは3カ所だが、逆転蘇生キットは4カ所ともベアリングを取り付ける。

ベアリングにジュラコン製ローラーを圧入したら、バルブを平面状で転がしてローラーがスムーズに回転することを確認しておく。

段付き摩耗状態ではローラーが窪みに引っかかって止まってしまったが、ガイドレールを取り付けたことで全閉から全開まできわめてスムーズに開閉するようになった。


※本記事はキースターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。