前モデルを完全に越えた出来のよさ

’20 BMW F900R/XR 試乗レポート後編【日本市場にフィットする資質】

新型となったBMW F900R、そして新たにラインナップに加わったF900XRを、モーターサイクルジャーナリストの鈴木大五郎氏がスペイン・アルメリアでテスト。激戦区に再参入するなか、譲れないというFシリーズのテーマとそのキャラクターの変化を探った。後編はXRを中心にRとの明確な作り分けについて考察する。


●文:鈴木大五郎 ●写真:BMW ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

【TESTER:鈴木大五郎】様々なバイク遊び、レー ス経験を持つMCジャーナリスト。自身のスクール主催のほか、BMWモトラッドの公認インストラクターも務める。

GSと共通車体ながら見事なつくり分け

前後足回りはフロントが135mm(R)→170mm(XR)。リア142mm(R)から172mm(XR)とストロークが伸び、それに伴いホイールベースやトレールも異なる。

R同様、量産バイク初となるプラスチック溶接式燃料タンクは従来のシート下から通常の位置へ。Rの13Lに対し15.5Lの容量を確保。テスト車両はミシュラン製ロード5を装着。

Rに対し、よりアップライトでゆったりしたポジション。ステップ位置も低めとなる。撮影車両のシートは欧州でのSTDだが、ほかにオプション5種をラインナップする(身長165cm/62kg)。

BMW F900XR

スクリーンは2段階のアジャスト式。レバーを上下にパタンと倒すシンプルな方式で、走行中でも操作可能。防風効果もかなり高い。

BMW F900XR

ライトは2灯式でこちらもアダプティブコーナ ーリングライトを設定。デイタイムランングライトは残念ながら日本では未装備となる。

BMW F900XR

ホールド性良いダブルシートはオプションを含め全部で6種類をラインナップ。前部サイドがスリム化され、足つき性にも貢献している。

BMW F900XR

270度クランクを逆回転駆動するエンジンはRと共通。競合ひしめくクラスで競争力を上げるため、GSからそのまま転用しなかった。

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