
1980年代を通じて過熱し続けたレーサーレプリカブーム。このスペック至上主義の時代には、わずか1馬力の差がマシンの命運を分けることもままあった。今回はケタ違いのパワーを誇ったスズキGSX-Rのネイキッドモデル、バンディット400を取り上げる。※本記事はヤングマシン臨時増刊『ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク323選』からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
スズキ バンディット400:GSX-Rのエンジン流用ネイキッド
59psというクラス最強のパワーを持ち、1984年に華々しく登場したGSX-R。
レーシーに設定されたこのマシンの心臓部の実用域を強化し、足まわりを充実させたネイキッドモデルがバンディット400だ。
前身となるGSX-R400(1987年より名前に排気量が明示された)のイズムを引き継ぎ、低めのセパレートハンドルを採用してスポーティーさを演出。
干渉を回避するために切り欠きを設けたタンクは、スタイル上の特徴にもなっている。
パイプを強調したスチール製のダイヤモンドフレームはSV650にも繋がる。
1995年のモデルチェンジでは約10kgもの軽量化を実現し、その後も2000年頃まで継続して販売されていた。
【1989 SUZUKI BANDIT 400】■全長2055 全幅705 全高1060 軸距1430 シート高750(各mm) ■車重168kg(乾) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 398cc 59ps/12000rpm 3.9kg-m/10500rpm ■燃料タンク容量16L ■タイヤF=110/70-17 R=150/70-17 ●発売当時価格:59万5000円
スズキ バンディット400の系譜
1990 スズキ バンディット400LTD
【1990 SUZUKI BANDIT 400 LTD】現代的な走りのバンディットにレトロなロケットカウルを装備したカフェレーサー。
1991 スズキ バンディット400V
【1991 SUZUKI BANDIT 400V】可変バルブタイミング機構のVCを備えたVが1991で登場。以降もV仕様を用意する。
1995 スズキ バンディット400V
【1995 SUZUKI BANDIT 400V】フルチェンジし、アルミスイングアームなどで軽量化。外装もよりシャープに。
スズキ バンディット400の兄弟モデル
1989 スズキ バンディット250 / 1991 バンディット250LTD:R250R譲りの直4を搭載
【1989 SUZUKI BANDIT250/1991 BANDIT250LTD】コブラの後継機として登場。400並みの大柄なシャーシに250Rの強心臓と4in2in1マフラーを採用した。兄貴分と同様、ロケットカウルのリミテッドを追加。1995でフルチェンジし、VC仕様も登場した。
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