
カワサキは北米で、空冷単気筒エンジンを搭載するトレールモデル「KLX230 DF」「KLX230シェルパS」を発表した。前者は初出、後者は日本仕様に近いが車名に“S”が付いている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
2024年登場の「KLX230S」「KLX230SM」に続く新バリエーション
KLX230プラットフォームに新顔が登場した。北米で発表されたのは、「KLX230 DF ABS(DF)」と「KLX230 SHERPA S ABS(シェルパS)」だ。
いずれも、現行モデルのKLX230とエンジンや骨格を共有しながら、ハンドガードなどの装備が追加されている。また、従来のKLX230シリーズでは未採用だったチューブレス構造のリヤホイールを両車が採用しているのもトピックだ。
シェルパSは、日本でも発売済みのKLX230シェルパからさらに車高を下げた仕様になっており、フロント6.2インチ[157mm]/リヤ6.6インチ[168mm]のサスペンションストロークに8.4インチ[216mm]の最低地上高、20mm下がったシート高など、使い勝手がよさそうなサイズ感。ハンドガードやスキッドプレートといった専用装備は日本仕様と同じもののように見える。
一方、新規で追加されたのはKLX230 DFのほう。こちらは無印(Sなし)シェルパと同じストロークのサスペンション(フロント7.8インチ[198mm]/リヤ8.7インチ[221mm])を採用していると思われ、これにより最低地上高も9.4インチ[239mm]と無印シェルパ同等、さらに大型リヤキャリアやパイプ製エンジンガードが追加されている。
無印KLX230から車高を下げたKLX230Sをベースとしたのが標準仕様のシェルパ。シェルパSはさらに車高が下がっている。
街乗りに使い勝手がよく多用途性に優れたシェルパSに対し、荷物を積載してのオフロードツーリングも視野に入れたのがDFといえそう。DFは高い走破性だけでなく転倒時のダメージ軽減なども期待できる装備が魅力的だ。
価格はシェルパSの5699ドル(日本円換算約82万7000円・6/11現在)に対し、DFは100ドル高い5799ドル(約84万2000円)。
233ccの空冷単気筒エンジンやコンパクトな高張力鋼ペリメターフレーム、後輪側の解除が可能なセレクタブルABSといった基本性能はKLX230シリーズに共通。シェルパSおよびDFの共通装備は、アルミ製スキッドプレート、ハンドガード、テーパー形状のアルミ製ハンドルバー、デュアルLEDヘッドライト、そしてスマートフォン連携機能 (RIDEOLOGY THE APP対応)付きのデジタルメーターといったところ。
KLX230シリーズがバリエーション展開を増やす中、シェルパSとDFのグローバル展開にも期待したい!
KLX230 DF ABS[2026 U.S. model]
主要諸元■全長81.9 全幅36.2 全高45.3 軸距53.7 最低地上高9.4 シート高33.3(各インチ) 車重302.1ポンド(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量2.0ガロン■タイヤサイズF=2.75-21 R=4.10-18 ●価格:5799ドル ※諸元は北米仕様
KLX230 DF ABS[2026 U.S. model]Medium Cloudy Gray
KLX230 SHERPA S ABS[2026 U.S. model]
主要諸元■全長81.1 全幅36.2 全高44.3 軸距53.3 最低地上高8.5 シート高32.5(各インチ) 車重297.7ポンド(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 233cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量2.0ガロン■タイヤサイズF=2.75-21 R=4.10-18 ●価格:5699ドル ※諸元は北米仕様
KLX230 SHERPA S ABS[2026 U.S. model]Whitish Beige
KLX230 DF のディテール
KLX230 SHERPA S のディテール
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
電子制御も充実のロングセラー・ミドルクラスクロスオーバー ヴェルシス650は、以前のモデルは輸出専用モデルとして海外で販売されてきたが、2022年モデルで待望のフルモデルチェンジを果たし、2023年末[…]
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
KLX300はKXイメージのシャープな最新デザインに新グラフィック&色変更 日本では2016年5月15日にファイナルエディションが発売されたデュアルパーパスモデル「KLX250」だが、北米では2021[…]
最新の関連記事(新型軽二輪 [126〜250cc] | 新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
2025年モデルの登場から間もないニューカラー設定 2024~2025年の年末年始に発売されたKLX230シリーズがマイナーチェンジ。既報のKLX230シェルパSおよびKLX230 DFは車体まわりに[…]
早くもモデルチェンジで“S”版に! ベーシックな空冷トレールモデル カワサキの新トレッキングマシンとして2024年12月25日に発売されたばかりのKLS230シェルパが早くもモデルチェンジ。2026年[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
レブル250ではユーザーの8割が選択するというHonda E-Clutch ベストセラーモデルのレブル250と基本骨格を共有しながら、シートレールの変更や専用タンク、マフラー、ライディングポジション構[…]
人気記事ランキング(全体)
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
最新の投稿記事(全体)
ホンダ初の本格的電動モーターサイクルが間もなく……? 2024年秋のEICMAで世界初公開された電動二輪車のコンセプトモデル「EV Fun Concept(イーヴィー ファン コンセプト)」は、202[…]
兵庫県西明石発、エンジニアリングの宝石がここに まだまだ続くよ北米で! 国内では2021年モデルの予約受注をもって販売終了が宣言されたニンジャH2/H2カーボン、およびクローズドコース専用のモンスター[…]
情報量が渋滞しすぎィ! ホンダは本日、突如としてHonda×Kuromiのスペシャルサイトを公開。Kuromiとはサンリオのキャラクターで、自称マイメロディのライバルだ。サンリオの公式ページには「乱暴[…]
「欠品の常態化」に終止符 ワークマン、45年目の“本気”宣言 ワークマンの土屋専務が発表会で示したのは、創業45年目にしてやり方を根本から改めるという決意だ。人気製品が店頭になく、CS(顧客満足度)が[…]
ライムグリーンのローソン・レプリカが人気を独占 カワサキはZ1からZ1000Mk.IIまで進化を重ねたが、1980年代に入ると大排気量スポーツのライバル車が台頭。そこでZ1系のエンジンとシャシーを刷新[…]
- 1
- 2