一日一組限定のリノベ宿! 静岡県浜松市に開業した「ライダーの秘密基地」が魅力的すぎる

一日一組限定のリノベ宿! 静岡県浜松市に開業した「ライダーの秘密基地」が魅力的すぎる

静岡県浜松市天竜区二俣町に、築56年の空き家をフルリノベーションしたライダー向け宿泊施設〈152INN(イチゴーニイン)〉が2025年5月1日に開業した。空き家買取専科を運営する株式会社Sweets Investmentが手がけたもので、一日一組限定で愛車と泊まれる「秘密基地」のような空間が特徴だ。同社はこれを、深刻化する空き家問題の解決と地域活性化を結びつける新たなモデルと位置付けている。


●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:空き家買取専科

宗一郎の生まれ故郷に位置するツーリングホテル

〈152INN〉が立地するのはホンダの創業者、本田宗一郎氏が生まれ育ったものづくりの町、二俣。国道152号線沿いというバイク乗りには馴染み深いロケーションを活かし、「走る、遊ぶ」をテーマにした一棟貸しのツーリングホテルとして開発された。

最大の魅力は、バイクとともに過ごせる空間設計だ。1階にはインナーガレージを設け、ガラス越しに愛車を眺めながら食事や談笑ができるダイニングを設置。床を約10cm下げることで、着席時の目線とバイクの高さを合わせ、より一体感を味わえるよう工夫されている。

2階の宿泊空間は、畳や障子、襖や欄間といった既存の要素を活かし、昭和レトロな雰囲気が残る。長距離移動の疲れを癒す、懐かしさと温もりのある空間。一日一組限定の完全貸切のため、仲間や家族と気兼ねなくプライベートな時間を過ごせるのも利点だ。

ライダー向けの配慮も随所に見られる。インナーガレージは雨天時や防犯面でも安心。また、地元のライダーと連携して制作する「おすすめツーリングルートマップ」も設置予定で、国道152号線を軸に、奥浜名湖や天竜川沿い、本田宗一郎ものづくり伝承館、秋野不矩美術館といった地域の魅力を巡る旅をサポートする。

売れない空き家を地域に人を呼び込む拠点としてリニューアル

この物件は元々、駐車場がなく、築年数が古く床の傾きもあるなど、再販が難しい「売れない空き家」であった。同社は、こうした空き家を「地域に人を呼び込む装置」として捉え直し、新たな価値を付与することを試みた。

リノベーション前。応接間・和室1間、外壁ブロックを解体し、インナーガレージ化

リノベーション前。暗く圧迫感のある1階

かつて天竜木材や繭の取引で栄えた二俣地域も、近年は人口減少や高齢化が進み、賑わいが失われつつある。〈152INN〉は、通過点となりがちな地域に滞在型の宿泊施設を設けることで、新たな人の流れと交流を生み出すことを目指している。

施設周辺には、本田宗一郎ものづくり伝承館のほか、二俣城跡、秋野不矩美術館、アニメ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のモデル地のひとつとされる天竜浜名湖鉄道「天竜二俣駅」、レトロな雰囲気のクローバー通り商店街など、観光スポットも豊富だ。

秋野不矩美術館

二俣城跡

クローバー通り商店街 〈包商店〉

〈152INN〉では、地元商店街や飲食店と連携し、宿泊者限定の「ライダー歓迎特典」や町歩きマップの提供も予定しており、地域とのつながりを重視した「交流型の宿」を目指すという。

同社は、この宿での滞在を通じて、宿泊者が愛車や仲間との時間を楽しみ、地域とふれあうことで新たな物語を紡いでほしいとの想いを込めていると語る。売れない空き家が、ライダーたちの集う拠点、そして地域活性化の起爆剤へと変貌を遂げるのか、その動向に注目だ。

〈152INN〉施設概要

  • 名称: 152INN(イチゴーニイン)
  • 所在地: 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣1560-5
  • アクセス: 天竜浜名湖鉄道「二俣本町駅」徒歩6分
  • 駐車場: 車1台分(バイク複数可)、近隣駐車場も利用可
  • 定員: 最大10名(9名以上は要問合せ)
  • 宿泊開始日: 2025年5月1日
  • 料金目安: 1泊4名で3万8000円前後(曜日・時期により変動)、別途清掃費1万円
  • 予約: 公式サイトのほか、今後Airbnb、Booking.comなどでも受付予定
  • 運営: 山ノ舎

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