「これが究極のZだ」120psの最速マシンで迎えた空冷Zシリーズの終焉:カワサキGPz1100【あの素晴らしい名車をもう一度】

GPz1100

カワサキは、1982年に送り出したローソンレプリカZ1000Rの最終型となるZ1100Rをベースに、GPz1100を1983年にデビューさせた。航空機技術を活かしたハーフカウルなどを備え、従来のZシリーズでは最速&最強パワーを誇るが、このモデルを最後に空冷Zの系譜にピリオドを打つこととなった。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。


●文:ヤングマシン編集部

空冷エンジンのノウハウを結集【カワサキGPz1100】

航空機技術から生まれたハーフカウルと、レース譲りのユニトラックサスを装備。

さらに、Z-GP以来の燃料噴射装置を採用。インナーシム化や多球形燃焼室形状のほか、専用ピストン&クランクが与えられ、シリンダーヘッドも一新している。

バルブは挟み角を31.5から30.5度に変更し、バルブ径も変更。ピストンやコンロッドも別物に。

120ps/8750rpm、10.21kg-m/8000rpmを発揮し、ゼロヨン10.91秒、最高速度240km/h以上を叩き出す。

Zシリーズの中で、空冷エンジン搭載モデルとしてはまさに最強パワーを誇るモデルである。

なお、西ドイツ向けは100psの最高出力となっている。

【1983 KAWASAKI GPz1100[ZX1100A]】■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 1089cc 120ps/8750rpm 10.2kg-m/8000rpm ■244kg ■タイヤF=110/90-18 R=130/90-17

Z-GP以来の燃料噴射装置を採用。

メーターは2眼、タンク上には液晶パネルも。

ナナハン版GPも国内初のマイコン制御FIに【カワサキGPz750F】

国内仕様の最上位であるZ750GPも燃料噴射装置を採用。一方、その後継機のGPz750では吸気方式を一般的なキャブレター仕様に戻し、熟成を図ったGPz750Fへと進化が続いた。

GPz750を熟成させたGPz750Fは吸排気系の設定を見直し、5ps増の77psを達成。

従来の750はZ1系のスケールダウンだったのに対して、GPz750Fはナナハンキラーの異名を持つZ650をベースにしているため、車体が軽量でコンパクトなのが特徴だ。

【1978 KAWASKI GPz750F】■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 738cc 77ps/9500rpm 6.4kg-m/7500rpm ■217kg(乾) ■タイヤF=110/90-18 R=130/80-18 ●価格:68万円

【1983 KAWASAKI GPz750】1100と同様に前後18inホイールとリンク式モノショックを採用。運輸省認定を得てハーフカウルを装着した。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。