
ホンダは国内で「Gold Wing 50周年記念サイト」をオープンするとともに、北米&欧州ではゴールドウイングおよびゴールドウイングツアーの2025年モデルを発表した。これには2色の50周年記念モデルが含まれている。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ『Gold Wing 50周年記念サイト』
- 1 日本仕様も近く登場!
- 2 1972年に始まったゴールドウイングの歴史
- 3 1975年 ゴールドウイング(GL1000)
- 4 1980年 ゴールドウイング(GL1100)/ゴールドウイング インターステート(GL1100)
- 5 1984年 ゴールドウイング アスペンケード(GL1200)
- 6 1988年 ゴールドウイング(GL1500)
- 7 2001年 ゴールドウイング(GL1800)
- 8 2006年 ゴールドウイング(GL1800)〈エアバッグ〉
- 9 2018年 ゴールドウイング(GL1800)
- 10 2025年 ゴールドウイング/ゴールドウイングツアー(GL1800)
- 11 HONDA GOLD WING / GOLD WING TOUR[2025 EU model]
日本仕様も近く登場!
ホンダは国内向けサイト内で「Gold Wing 50周年記念サイト」をオープン。1975年のゴールドウイング(GL1000)から始まる歴史を紹介するとともに、50th Anniversary MODEL(50周年記念モデル)を『Coming Soon』として発表を予告した。また、ホンダコレクションホール(栃木県茂木市)で2月24日まで開催中のGOLD WING 誕生50周年記念展示『The King of Motorcycleを目指して』を紹介している。
また、時を前後して北米と欧州では50周年記念モデルを含む2025年型ゴールドウイング/ゴールドウイングツアーを発表した。
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
1972年に始まったゴールドウイングの歴史
1960年代にホンダのロードレース用エンジンやF1用V12エンジンを設計したことで知られる入交昭一郎氏のもと、1972年に新しい設計チームが結成された。彼らの任務は、グランドツーリングコンセプトの可能性を探ること。
チームはプロトタイプマシンを製作し、水冷の水平対向6気筒エンジンを搭載したこのモデルは「The king of kings(王の中の王)」、またはコードネーム「M1」と呼ばれた。排気量は1470ccで、エンジン開発のみに注力するべくトランスミッションやシャフトドライブを含めたリヤまわりはBMWから、フロントフォークやディスクブレーキはCB750フォアのものを流用していた。
1975年に発売された水平対抗4気筒999㏄のゴールドウイング(GL1000)とは気筒数など異なる部分も多いが、その後の6気筒GL1500の設計などに生かされていったという。
1975年 ゴールドウイング(GL1000)
最初の量産ゴールドウイング。のちの長距離ツアラー路線と異なり、スーパースポーツモデルの位置づけで誕生した。CB750 FOURを超えるフラッグシップモデルとして開発され、水平対向4気筒1000ccのエンジンを搭載。1976年にリミテッドエディションが登場し、1979年には生産されるゴールドウイングの80%が北米に輸出されていたことを受け、最初のHonda of America 製造工場がオープンした。
1980年 ゴールドウイング(GL1100)/ゴールドウイング インターステート(GL1100)
1085ccに拡大された水平対向4気筒エンジンを搭載し、最高出力よりもトルク重視の特性に。ホイールベースを延長した車体によりライダーとパッセンジャーのスペースが広くとられ、エアアシストサスペンションで乗り心地を向上。グランドツアラーとして確固たる地位を築いた。
“インターステート”は、向上で取り付けられたフェアリング、パニア、トップボックスを備えたツーリング性能強化バージョンだ。1982年にはアスペンケードと名を変え、液晶メーターやAM/FMラジオのオーディオシステム、さらに快適性を高めたシート、バックレストなどを装備して居住性を高めたモデル。ラグジュアリーツアラーという先進的なコンセプトにより、アメリカで高い人気を得た。
1984年 ゴールドウイング アスペンケード(GL1200)
エンジンは新設計の水平対向4気筒1182ccとなり、車体も大きくなった新生アスペンケードが登場。ネイキッドバージョンは廃止され、電子制御の燃料噴射や4スピーカーサウンドシステム、クルーズコントロール、オートレベリング・リヤサスペンションなどを採用してラグジュアリーツアラーとしての商品価値を高めた。
1985年には金色の車体のリミテッドエディション(ゴールドウイング10周年記念モデル)が登場。GL1200は1987年モデルまで生産された。
1988年 ゴールドウイング(GL1500)
国内メーカーのライバル勢が大排気量のフラッグシップモデルを投入してくる中、ホンダはついに新作の水平対向6気筒エンジンを搭載したGL1500を発売。シルキーと評されるエンジンフィーリングとスムーズかつパワフルな走り、低重心で安定したハンドリング性能などによってラグジュアリーツアラー路線で孤高の存在となり、10年以上にわたって長期政権を敷いた。開発段階では15種類もの試作車が製作されたという。
2001年 ゴールドウイング(GL1800)
2001年 ゴールドウイング(GL1800)
NSR250Rなどの開発で知られる青木柾憲氏が陣頭指揮を執り、開発に8年を費やした新型モデル。1832ccの新開発水平対向6気筒エンジンをアルミフレームに搭載し、長距離ツーリングの快適性だけでなくワインディングロードでの操縦安定性も向上した。
2006年 ゴールドウイング(GL1800)〈エアバッグ〉
北米で2006年、日本では2007年に発売されたGL1800には、世界初の量産二輪車用エアバッグシステムが搭載された。
エアバッグシステムの基礎研究は1990年からスタートしており、2000年4月には先進安全研究車「ASV-2」の技術概要を発表し、この中にGL1500に研究開発中の二輪車用エアバッグを搭載したモデルがあった。
GL1800は2011年にスタイリングをの改変を受け、ストレージ容量は150Lの増加、新しい6スピーカーオーディオシステムを採用している。
2018年 ゴールドウイング(GL1800)
2018年 ゴールドウイング(GL1800)
前モデルがら最大48kgもの軽量化を実現。新たに設計された水平対向6気筒エンジンには6速マニュアルあるいは7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を搭載し、フロントサスペンションにはテレスコピックフォークに代わり新たなリンクフォークを採用。この画期的なサスペンションによってエンジン搭載位置を前方へ移動することができ、ハンドリングのさらなる向上を達成した。
このほかスマートキーシステムやアップルカープレイなど、利便性を高める装備も多数採用した。現行モデルのベースになっているのは、この2018年モデルだ。
2025年 ゴールドウイング/ゴールドウイングツアー(GL1800)
北米と欧州で登場した2025年モデル。欧州では排気量にちなんで1833台の50周年記念モデルが限定発売される。北米では台数限定について言及がないため、イヤーモデルとしてレギュラー販売される模様だ。北米の発売時期は2025年3月。欧州では地域によって異なるようだ。
2025年モデルでは全てのゴールドウイングでオーディオとライダー/パッセンジャー接続がアップグレードされ、ワイヤレスによるアップルカープレイとアンドロイドオートが機能するようになった。このほか欧州仕様では、O2センサーの追加とECU設定の更新でユーロ5+に準拠している。
50周年記念モデルは、往年のGL1500などを思わせるエターナルゴールドと、ボルドーレッドメタリックの2色が容易されるほか、センターコンソールとスマートキーには50周年アニバーサリーおよび「since 1975」のエンブレムが配置される。また、ディスプレイには固有の起動アニメーションが表示される。
このほか、北米仕様/欧州仕様ともに初代と最新世代のゴールドウイングを半分ずつ合体させたようなスケールモデルが付属する。ファンにはたまらないだろう。
付属するデスクトップスケールモデルは半分ずつの構成でそれぞれ鏡によって1台に見えるようになっている。
HONDA GOLD WING / GOLD WING TOUR[2025 EU model]
主要諸元■全長2615 全幅905 全高1430 軸距1695 シート高745(各mm) 車重393kg(装備)■水冷4ストローク水平対向6気筒SOHC4バルブ 1833cc 126.5ps/5500rpm 17.34kg-m/4500rpm 変速機7段DCT 燃料タンク容量21L■タイヤサイズF=130/70R18 R=200/55R16 ※諸元は欧州仕様ゴールドウイングツアーDCT
※北米仕様も基本的に共通なので写真は割愛
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]Eternal Gold and Mahogany Brown Metallic
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]Eternal Gold and Mahogany Brown Metallic
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]Eternal Gold and Mahogany Brown Metallic
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]Bordeaux Red Metallic
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
HONDA GOLD WING TOUR 50th Anniversary DCT[2025 EU model]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型スポーツ&ツーリング)
“快適”と“スポーツ”を電サスで無理なく両立!! 超絶的な防風性にAT機構のDCT、グリップヒーターやコンフォートシートなどの快適装備。長距離を走るツアラーとして“疲れにくさ”にトコトンこだわったNT[…]
以前、Honda E-Clutchを開発した方々にインタービューしたとき「最初はHonda E-Clutchなんていらないと思っていたけれど、一度乗ったら考えが変わった」という話をお聞きしました。 じ[…]
初代はスポーツモデル:GL1000【1975年モデル】 1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場でシェアを奪[…]
専用ロゴがファン心をくすぐる 1975年に初代GL1000が誕生してから50年が経つホンダのプレミアムツアラー、ゴールドウイング。2018年のフルモデルチェンジでは、フロントにダブルウィッシュボーンサ[…]
圧倒的! これ以上の“高級感”を持つバイクは世界にも多くない 「ゴールドウィング」は、1975年に初代デビューし、2001年に最大排気量モデルとして登場。そして2025年、50年の月日を経てついに50[…]
最新の関連記事(ゴールドウイングツアー)
初代はスポーツモデル:GL1000【1975年モデル】 1970年代当時、巨大なアメリカ市場を独り占めしていた英国車をCB750フォアで一蹴したホンダだったが、Z1とそれに続く競合車の登場でシェアを奪[…]
専用ロゴがファン心をくすぐる 1975年に初代GL1000が誕生してから50年が経つホンダのプレミアムツアラー、ゴールドウイング。2018年のフルモデルチェンジでは、フロントにダブルウィッシュボーンサ[…]
圧倒的! これ以上の“高級感”を持つバイクは世界にも多くない 「ゴールドウィング」は、1975年に初代デビューし、2001年に最大排気量モデルとして登場。そして2025年、50年の月日を経てついに50[…]
特別色と専用ロゴなどを配した『50th ANNIVERSARY』 ホンダは、1833ccの水平対向6気筒エンジンを搭載する大型プレミアムツアラー「ゴールドウイング ツアー(GOLD WING TOUR[…]
EICMA初公開のコンセプトモデルから世界初公開の初代オマージュ仕様まで ホンダは、「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」「第4回 名古屋モーターサイ[…]
人気記事ランキング(全体)
新たな時代の「角Z」:スタイルと操案の狭間で揺れたZ1-Rの人気 Z1からZ1000までリファインを重ねて完成度を高めた“丸Z”だが、1970年代後半にはスズキのGS750/1000のようなライバル車[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
フレームまで変わるモデルチェンジ、かつリヤキャリアを新装備してたったの+6600円 スズキは、グローバルで先行発表されていた新型「アドレス125」の国内導入を正式発表。基本スタイリングは継承しながら、[…]
最新の投稿記事(全体)
日本では400だが、グローバルでは500(451ccエンジン)のエリミネーター 欧州でエリミネーター500/SEに新色が登場した。日本仕様でプラザエディションとしてラインナップされる『メタリックインペ[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
欧州仕様に準じた仕様でKYB製フロントフォーク、ウイングレット、ブレンボキャリパーなどを採用するR1 2026年シーズンをヤマハ車で戦うライダーに向け、サーキット走行専用モデルの新型「YZF-R1 レ[…]
メーカー自体が存在しない絶版車のメンテやレストアは難しい 日本のバイクメーカーは今でこそ4社に集約されていますが、1950年代には大小含めて数十社のメーカーが林立していました。第二次世界大戦で疲弊した[…]
- 1
- 2