
名作と呼び声の高い645cc・V型2気筒エンジンを搭載するカフェレーサースタイルのミドルスポーツ「SV650X」が、2025年1月24日に発売される。2025モデルのアップデート内容はニューカラーの設定のみなので、スペックとしては同等な新排ガス規制に対応した2022年モデルの試乗レビューで、その魅力を再確認してみよう! ※記事内容は2022年9月3日の公開情報に基づく
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:スズキ
[◯] Vツインの味わい不変。Xはスタイリッシュだ
初出は1999年という非常に長い歴史を持つスズキのSV650。国内の新排ガス規制に対応した結果、最高出力は76.1→72psに、最大トルクは64→63Nmにそれぞれダウンしている。とはいえ、直接のライバルであるヤマハのMT-07が72ps、カワサキのZ650が68psなので、スペック的には全く見劣りしないのだ。
【SUZUKI SV650X】■全長2140 全高1090 軸距1450 シート高790(各mm)車重199kg ■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 645cc 72ps/8500rpm 6.4kg-m/6800rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=160/60ZR17
【現代に息づく水冷Vツインカフェレーサー】グラディウス(650)の後継として2016年に登場したSV650。その派生モデルとして2018年より販売されているのが、ビキニカウルやセパレートハンドル、タックロールシートなどを採用し、カフェレーサー風に仕立てたSV650Xだ。カウル付きながら車重199kgは共通だ。
Vツインゆえに車体は非常にスリムで、足着き性はご覧のとおり優秀。セパレートハンドルによる上半身の前傾により前輪荷重を稼ぎやすい。[身長175cm/体重68kg]
さて、今回試乗したのはビキニカウル&セパレートハンドルの派生車、SV650Xの方だが、エンジンについてはバーハンドルのSV650と共通である。今や稀少な645cc水冷90度V型2気筒は、厳しい排ガス規制をパスしてなお小太鼓のようなビート感は健在で、1万rpmから始まるレッドゾーンまで小気味良く吹け上がる。新旧を直接比較していないので断言はできないが、高回転域のパワーが無理に抑えられたような印象はほぼなし。
また、上まで引っ張らなくても、早めにシフトアップしてコーナーを立ち上がった方が楽しいと感じられたのは、最大トルクの発生回転数が8100→6800rpmへとだいぶ下がった影響もあるだろう。スロットルレスポンスは右手の動きに忠実で、トラクションコントロールは採用されていないが、ウェット路面でも自信を持ってコントロールできる。
ハンドリングについては、2022年モデルでそれに関係しそうな変更点はなし。車重が2kg増えているが、これは直接乗り比べても分かるかどうかだろう。SV650Xは、セパレートハンドル化に伴いサスペンションのセッティングも見直しているとのことで、フォークにはプリロードアジャスターが与えられている。
前傾姿勢によって自然と前輪荷重が増えているので、それを意識しつつセルフステアを妨げないようにコーナーへ進入すると、気持ち良く旋回姿勢へ移行できるのだ。
こうしたスポーティな操縦を影ながら支えているのが、フロントブレーキだ。SV650は2019年モデルからキャリパーが2→4ピストン化され、Xもこれを踏襲。2ピストン時代はペースを上げるとやや制動力が不足気味だったが、これが4ピストン化で解消された。またコントロール性も優秀で、安心感は非常に高い。
スズキ SV650X ディテール解説
【排ガス規制対応で最高出力、燃費ともダウン】ツインプラグやレジンコートのピストンなどを採用する645cc水冷90度V型2気筒エンジンは、新排ガス規制対応により最高出力は76.1→72psに、WMTCモード値は26.6→24.4km/Lへと微減している。外観上ではエキパイ集合部後方の触媒がやや大きくなった印象だ。
フロントキャリパーは2019年に片押し式2ピストンから異径対向4ピストンへ。ディスク径はフロントφ290mm、リヤφ240mmだ。リヤのプリロードは7段階に調整可能。標準装着タイヤはダンロップのロードスマートⅢで、指定空気圧は前225/後ろ250kPaとやや低め。
【Xだけの特別な装備。これぞカフェレーサー】Xのビキニカウルはフレームカバーとつながっているようなデザインであり、まるでロケットカウルのようにも見える。
6段階の輝度調整が可能なLCDモノクロメーター。瞬間&平均燃費/航続可能距離/ギヤポジションインジケーターなどを備えている。
SV650Xはフォーク上端にプリロードアジャスターを設ける。セルボタンを短押しするだけでエンジンが始動するスズキイージースタートシステムを採用する。
タンクは容量14Lで、前方2本のボルトを外すと後端を支点に前側が浮かせられるので整備性に優れる。
ステッププレートやバー、ペダルについては、SV650がシルバーなのに対し、Xはブラックとして差別化を図る。
[△] イージーさ優先ならバーハンのSTDを
SV650Xに試乗するのは今回が初めてなのだが、バーハンドルのSV650が持つイージーな操縦性が薄らいでおり、少々面食らった。ヤマハのMT-07とYZF-R7との関係にも似ており、ライディングポジションが操安に与える影響の大きさを再確認した。
[こんな人におすすめ] これが最後のミドルクラスVツインかも!?
ホンダのVTRなき今、国内4メーカーで最小排気量の水冷Vツインと言えばこのSV650/X(とVストローム650/XT)だ。内燃機関が淘汰されそうな昨今、ますますレアな存在になるのは確実。パワー微減など些細な問題と言えるだろう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(スズキ [SUZUKI])
注目はラインナップ! 話題の新鋭「DR-Z4SM」や「GSX-8TT」が早くもレンタル可能に! 気になるのは、新投入される2店舗の「初期配備マシン」だ。スズキワールド、実に“分かっている”チョイスをし[…]
シニアカーへの抵抗感と、移動のジレンマ 歳を重ねるにつれ、長年親しんだクルマの運転免許を返納する日は誰にでも訪れる。しかし、その後の移動手段に頭を悩ませる人は多い。電動アシスト自転車は便利だが、バラン[…]
「名機」がもたらす、心地よい高揚感と安心感 長年、日本のツーリングライダーを虜にしてきたスズキの645cc・90度Vツインエンジン。SV650やVストローム650の生産終了により、その系譜は途絶えたか[…]
5/15:ヤマハ「YZF-R9」 1月に登場した70周年記念カラーに続いて、クロスプレーン3気筒エンジンを搭載した新型YZF-R7の通常カラーが登場。価格は149万6000円。2026年モデルは歴代最[…]
スズキファン必見の限定140足シューズが登場 鈴鹿8時間耐久ロードレースにおいて、スズキの参戦プロジェクト「Team SUZUKI CN CHALLENGE」を支えた本物のギアが一般向けに登場した。ラ[…]
最新の関連記事(SV650X)
ひっそりと終了したスズキの名Vツイン スズキのミドルクラスを長きにわたり支えてきた傑作ネイキッド、『SV650』およびカフェレーサースタイルの『SV650X』が、ついにその生産の歴史に終止符を打った。[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
新鮮なボディカラーに加えホイール色も刷新 スズキがSV650Xの新色を発表した。ボディカラーは新たに「パールテックホワイト」を採用し、ブラックのフレームにブルーのホイールを組み合わせる。価格は、SV6[…]
人気記事ランキング(全体)
「ちょうどいい」がもたらす自由。完全新設計の並列2気筒 BMWの「GS」ファミリーはアドベンチャーバイクの最高峰として君臨しているが、その大柄な車体に尻込みしてしまうライダーも少なくない。そんなジレン[…]
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
乗っていてワクワクする相棒を求める気持ち 年齢とともに車の運転が不安になり、免許返納を考える。だが、いざ代わりの移動手段を探すと「いかにも」なデザインの乗り物ばかり。ただ近所のスーパーへ行ければいい、[…]
漆黒と真紅が織りなす、ストリートでの圧倒的な存在感 ドゥカティの単気筒ラインアップを完成形へと導くモデルとしてこのほど登場した「Nera(ネラ)」。イタリア語で「黒」を意味するその名の通り、デザイン全[…]
東レ株式会社は日本が誇る“縁の下の主役”だ 東レ株式会社をご存じだろうか。創業はちょうど100年前の1926年。一般的な知名度こそ高いとは言えないものの、繊維・素材分野において世界でもトップクラスの技[…]
最新の投稿記事(全体)
シンプルなコットンパンツにプロテクターをプラス:ライディングチノパンツ チノクロス素材を使用した本格的な風合いのチノパンツに、CE規格の軽量プロテクターをヒザに標準装備。少しゆとりのあるシルエットで、[…]
ヤングマシン電子版2026年7月号[Vol.644] 【特集】満タンでどこまで行ける?燃費実証ツーリング『ワンタンクチャレンジ!』 さぁ、始まりました新連載『ワンタンクチャレンジ!』。この企画は読んで[…]
走りの良さで支持を集めるNMAXとシグナスグリファスの不満を解消 NMAXは「MAXシリーズ」のDNAを受け継ぐクールなデザインと安定した走行性能が魅力。一方のシグナス グリファスは、俊敏でスポーティ[…]
アメカジスタイルに涼しさをプラス:ストリートメッシュブルゾン ミリタリー×アメリカンカジュアルテイストを取り入れたフルメッシュジャケット。ボディには滑らかな質感で透け感を抑えたストレッチ性のあるメッシ[…]
現代に蘇った伝説。CB1000Fが放つ圧倒的な包容力と野性 2025年11月に待望のデビューを果たした「CB1000F」、そして2026年1月に上級モデルとして追加された「CB1000F SE」。かつ[…]
- 1
- 2

















































