
カワサキモータースジャパンは、2022年2月発売モデルを最後に国内ラインナップから外れていたKLX230シリーズを復活&モデルチェンジして2024年11月27日に発売すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
サスペンションをロングストローク化しつつ抑えたシート高を両立
カワサキはKLX230シリーズをモデルチェンジし、2025年モデルとして発表した。以前のモデルは、標準仕様が2019年10月、車高を下げてフレンドリーにした“S”仕様が2022年2月に発売されたものを最後に国内ラインナップから外れていたが、新型はフレームの一部を再設計するなど大掛かりなモデルチェンジを受けての復活となる。
エンジンは従前のものを最新排出ガス規制に適合させつつ、吸気ポートの改良やECU設定の見直しなどにより低中回転域のトルク特性を改善。これを搭載するペリメターフレームは、サブフレーム(シートレール)位置を最適化することでシート高を低くしつつウレタン厚を増加させ、快適性と足着き性の両方を向上。さらに最低地上高を確保しながらサスペンションストロークを増加し、走破性も向上している。
新旧のシート高/最低地上高/前後ホイールトラベル/キャスター&トレールの比較は下記の表の通り。
旧KLX230(’20) | 新KLX230(’25) | |
シート高 | 885mm | 880mm |
最低地上高 | 265mm | ← |
ホイールトラベル(前) | 220mm | 240mm |
ホイールトラベル(後) | 223mm | 250mm |
キャスター/トレール | 27.5°/116mm | 25.2°/101mm |
旧KLX230 S(’22) | 新KLX230 S(’25) | |
シート高 | 830mm | 845mm |
最低地上高 | 210mm | 240mm |
ホイールトラベル(前) | 158mm | 200mm |
ホイールトラベル(後) | 168mm | 223mm |
キャスター/トレール | 27.5°/116mm | 24.6°/96mm |
顕著に違うのはKLX230Sのほうで、シート高をなるべく抑制しながらも走破性を大きく向上したことが伺える。また、キャスター角/トレール量もクイック方向に振られており、軽快なハンドリングが期待できそうだ。
100g軽量化したというリヤブレーキのマスターシリンダー。
このほか、モトクロッサーKXゆずりの精悍なスタイリングやエルゴノミクス、コンパクトなLEDヘッドライトと新デザインのヘッドライトカバー、ブラックアルマイトのホイールリムなどを採用。アルミ製スイングアームは従来のスチール製に比べて1.2kgの軽量化を果たしたほか、リヤブレーキマスターシリンダーも100gの軽量化を達成している。デュアルパーパス用ABSもアップデートされた。
ライダーの居住性を高めつつ走破性も高めるという、オフロード好きのみならず大歓迎のモデルチェンジ内容で、スマートフォン連携機能付き液晶メーターなど機能も今日的。あとは標準仕様とSのスペックを見比べながら、愛車候補選びに悩むだけ(?)だ。
KAWASAKI KLX230 / KLX230 S[2025 model]
KAWASAKI KLX230[2025 model]ライムグリーン
KAWASAKI KLX230 S[2025 model]ライムグリーン
KAWASAKI KLX230 S[2025 model]バトルグレー
車名 | KLX230 | KLX230 S |
型式 | 8BK-LX232A | ← |
全長×全幅×全高 | 2090×845×1170mm | 2080×820×1150mm |
軸距 | 1370mm | 1365mm |
最低地上高 | 265mm | 240mm |
シート高 | 880mm | 845mm |
キャスター/トレール | 25.2°/101mm | 24.6°/96mm |
装備重量 | 133kg | ← |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ← |
総排気量 | 232cc | ← |
内径×行程 | 67.0×66.0mm | ← |
圧縮比 | 9.4:1 | ← |
最高出力 | 18ps/8000rpm | ← |
最大トルク | 1.9kg-m/6400rpm | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 7.6L | ← |
WMTCモード燃費 | 34.7km/L(クラス2-1、1名乗車時) | ← |
タイヤサイズ前 | 2.75-21 | ← |
タイヤサイズ後 | 4.10-18 | ← |
ブレーキ前 | φ265mmディスク +2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ220mmディスク +1ポットキャリパー | ← |
価格 | 59万4000円 | ← |
色 | 緑 | 緑、灰 |
発売日 | 2024年11月27日 | ← |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型軽二輪 [126〜250cc])
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
見晴らしがいい! オンロードバイクとアドベンチャー/オフロード/クロスオーバーなどの大きな違いのひとつは、走破性をよくするために車高が高くなっていること(最低地上高も同時に高まる)だろう。加えて、ステ[…]
AMAスーパークロス2位の実績を持つモトクロッサーのエンデューロ仕様が上陸! トライアンフが開発したオフロードマシンには、250cc4ストローク単気筒エンジンを搭載するモデルと、450cc4ストローク[…]
GT+にはY-AMTを標準装備 ヤマハは、今夏発売と予告していた新型「TRACER9 GT+ Y-AMT」を2025年5月28日に発売すると正式発表。今世代のトレーサー9 GTシリーズでモーターサイク[…]
3/14発売:スズキ「Vストローム800/DE」127万6000円~ スズキが製造する、並列2気筒エンジン搭載のミドルアドベンチャーが「Vストローム800」「Vストローム800DE」だ。 2025年モ[…]
往年の名車をオマージュしたヘリテイジにアドベンチャーバイクの原点が登場! BMWは、1170cc空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載するヘリテイジシリーズに、『R 12 G/S』を投入する。BMWのホー[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
「その時、スペンサーになれた気がした」 MVX250Fの上位モデルとして400版の発売が検討されていたが、250の販売不振を受け計画はストップ。この心臓部を受け継ぎ、NS250Rの技術を融合したモデル[…]
日本でもっとも人気の高いジャンル=ネオクラシック プロポーションの枷を覆す【カワサキ Z900RS】 まず、現代のバイクと昔のバイクではプロポーションがまったく違うんです。昔のバイクはフロントタイヤが[…]
バイクキャビン:小型エアコンを装備すれば抜群の環境に! 難しく考えることなく、手っ取り早く購入できるガレージとして高い人気を得ているのが、デイトナが取り扱う各種シリーズ製品だ。 全モデルに共通している[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
最新の投稿記事(全体)
他の積載方法とは異なる、シートバッグの利便性 2輪でツーリングをする際の荷物の積載方法は、①ストレッチコード/ネット、②タンデムシート上部に装着するシートバッグ、③後輪左右に設置するサイドバッグ、④車[…]
昨年の最終戦から連勝を続けた水野涼 2025年の全日本ロードレース選手権がようやく4月19日・20日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで開幕しました。4月9日・10日には、PRE-TEST “Roun[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
キーロック付きタンクキャップ:スズキGT380(1972) バイクの燃料キャップは、そもそもは転倒時の漏れ防止の安全対策からキーロック式が採用されるようになったが、その最初は1972年のスズキGT38[…]