あのとき、スペイン国王に促されて……

ホルヘ・ロレンソ vs ダニ・ペドロサがボクシング対決?! 2000年代のガチンコライバル物語はトークバトルへ

2000年代後半~2010年代にかけてのMotoGPで熾烈なライバルストーリーを繰り広げてきたホルヘ・ロレンソとダニ・ペドロサがボクシングで対決する!! そんな噂がSNSで囁かれたのはつい最近のこと。そして実際に行われたのは……


●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:DURALAVITA

お互いをどう思っている?

250ccクラスで2度、MotoGPクラスで3度チャンピオンを獲得したホルヘ・ロレンソと、125ccクラスで1度、250ccクラスで2度チャンピオンになったダニ・ペドロサは現役当時に犬猿の仲と言われていた。

ともにスペイン出身の両者は、2008年からMotoGP最高峰クラスでともに走るようになり、ロレンソは長くヤマハ(のちにドゥカティ、ホンダ)で、ペドロサはずっとホンダで走り続けた。2人の確執は2005年、250ccのレースでの接触事故が原因になっているといい、2008年のスペインGPではスペイン国王が表彰式で2人を握手させるというシーンも見られたほど。

そんな2人の関係性は時が経ち、また現役を退いたことでも改善してきたと言われるが、最近になってロレンソが自らのSNSで「ペドロサよ、ボクシングで殴り合おう」とアピール。まさかと思われたがこれにペドロサが呼応したことで試合(?)が組まれることに。

そして6月2日、実際に試合の模様がDAZNスペイン版とYoutubeで放送された。

ホルヘ・ロレンソ:ロードレース世界選手権 250ccクラスチャンピオン(2006年、2007年)、MotoGPクラスチャンピオン(2010年、2012年、2015年)。125ccでデルビ(2002-2004年)、250ccでホンダ(2005年)、アプリリア(2006年-2007年)、MotoGPではヤマハに長く乗った(2008年-2016年)。きわめてスムーズなコーナリングが持ち味だった。2017年はドゥカティに、2019年にはホンダへ移籍し、2019年末をもって引退した。

ダニ・ペドロサ:ロードレース世界選手権 125ccクラスチャンピオン(2003年)、250ccクラスチャンピオン(2004年、2005年)。チャンピオンを獲得できなかった最高峰クラスで挙げた31勝は、GP500で3度のタイトルを獲得したエディ・ローソンと同じ。GPデビュー時からずっとホンダに乗った。参戦歴は125cc(2001年-2003年)、250cc(2004年-2005年)、MotoGP(2006年-2018年)。現KTMテストライダーで、たまにワイルドカード参戦する。

2人の入場に緊張感が走り、グローブタッチからの……、といったところでシーンは切り替わり、実際にはお互いが思っていたことをターン制で質問し、制限時間以内に回答するというバトルになった。

「僕のことをどういう人間だと思っている?」

「結婚はしないの?」

「あのとき、スペイン国王に促されてどうだった?」

「同じマシンに乗ったら自分のほうが早いと思ってる?」

「あなたにとって人生とは?」

「レースウィークにイライラしたときはどう解消する?」

「私に負けてどれだけ怒った?」

「裏切りや失望をどうマネジメントした?」

などなど、ガチで深い質問の応酬に。そして常に笑顔の絶えないトークが繰り広げられる。

もう仲良しじゃん……(感涙)

スペイン語で展開されるため、自動翻訳を使っても厳密な意味までは把握できないが、おおよそ言っていることはわかる。あの頃のMotoGPを観ていた方は必見だ。

内気な青年が自分を変えたくて生意気で傲慢な言動をしてきたというロレンソ、穏やかな雰囲気が変わらないペドロサの掛け合いについつい涙腺が……。

動画は以下へ。「歯車マーク」→「字幕」→「自動翻訳」→「日本語」で、自動翻訳の字幕を見ることができる。34分のストーリーがあっという間に過ぎていくことだろう。

※画像はYouTubeチャンネル『DURALAVITA』より。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。