
●文/写真:ヤングマシン編集部(山下剛)
5月27日より、今年のマン島TTレースがはじまった。マン島TTレースとは、イギリスとアイルランドの間に浮かぶ小さな島で開催されるロードレースだ。島を巡る1周およそ60kmの公道で行われるこのレースは世界最古のオートバイレースである。
現在はバイク4クラス、サイドカー1クラスのレースが行われており、バイクはスーパーツイン(700cc2気筒)、スーパースポーツ(600cc4気筒)、スーパーストック(1000cc4気筒)、スーパーバイク(1000cc4気筒、WSBK準拠の改造クラス)となっている。
この中でもユニークな展開となっているのがスーパースポーツTTだ。原則的に600cc4気筒なのだが、いくつかの特例が認められており、気筒数が少ないほど排気量増加が許容される。そして今年は、ドゥカティ・パニガーレV2(955cc2気筒)、トライアンフ・ストリートトリプル765RSとモト2エディション(765cc3気筒)、カワサキ・ZX-6R(636cc4気筒)、スズキ・GSX-R750(749cc4気筒)がエントリーリストに名を連ねたのだ。
そしてレースウィーク初日に行われた予選走行で、一番時計を叩き出したのはパニガーレV2(デイビー・トッド選手)だった。そして2位はZX-6R(ジェイムズ・ヒリアー選手)、3位にデイトナ765(マイケル・ダンロップ選手)、4位にGSX-R750(ジェイムズ・ハインド選手)と並んだ。年式では最新となるCBR600RR(ディーン・ハリソン選手)は5位となり、排気量差を見せつけられた格好となった。
1位のパニガーレV2と、2位のZX-6Rのラップタイム差は約1秒。しかもレース初日の予選走行だから、今後も続く予選、そして2レースある決勝ではどうなるかまだまだわからない。
とはいうものの、ミドルクラスのバトルロワイヤルの様相を呈しているスーパースポーツTTは、今年注目のクラスだ。今後も予選や決勝の模様をお伝えしよう。
デイビー・トッド選手(パニガーレV2)
ジェイムズ・ヒリアー選手(ZX-6R)
マイケル・ダンロップ選手(ストリートトリプル765RS)
チームメイトのショーン・アンダーソン選手(GSX-R750 #18)の後方を走るジェイムズ・ハインド選手(GSX-R750 #19)
ディーン・ハリソン選手(CBR600RR)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(レース)
決勝で100%の走りはしない 前回、僕が現役時代にもっとも意識していたのは転ばないこと、100%の走りをすることで転倒のリスクが高まるなら、90%の走りで転倒のリスクをできるだけ抑えたいと考えていたこ[…]
電子制御スロットルにアナログなワイヤーを遣うベテラン勢 最近のMotoGPでちょっと話題になったのが、電子制御スロットルだ。電制スロットルは、もはやスイッチ。スロットルレバーの開け閉めを角度センサーが[…]
伊藤真一さんが代表兼監督を務める『Astemo Pro Honda SI Racing』は、、FIM世界耐久選手権第3戦”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会(8月3日決勝)のチーム参[…]
φ355mmとφ340mmのブレーキディスクで何が違ったのか 行ってまいりました、イタリア・ムジェロサーキット。第9戦イタリアGPの視察はもちろんだが、併催して行われるレッドブル・ルーキーズカップに参[…]
ブレーキディスクの大径化が効いたのはメンタルかもしれない 第8戦アラゴンGPでも、第9戦イタリアGPでも、マルク・マルケスが勝ち続けています。とにかく速い。そして強い。誰が今のマルケスを止められるのか[…]
最新の関連記事(新型スーパースポーツ)
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 発売は2003年7月4日。2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随[…]
2024年モデル概要:排ガス規制に適合し、実質的な値下げを敢行 2020年モデルでは平成28年排出ガス規制(≒ユーロ4)対応だったため、2022年11月以降は車両の生産自体が不可となっていたが、その後[…]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ:カワサキ「ニンジャ400」【2018モデル】 発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベース[…]
意外な従順さを見せるBMWのスーパーマシン サーキットでのパフォーマンスを第一に考えられたマシンではあるものの、意外と一般公道を転がすような速度域でも扱いにくさは感じない。 エンジン特性がしっかり調教[…]
長年愛されたKRTエディションが廃止 2025年モデルの発売は、2025年4月26日。2023年モデルと同様に、令和2年排出ガス規制適合を受けた2022年モデルのスペックを引き継ぐ形で登場した。 ニン[…]
人気記事ランキング(全体)
電子制御スロットルにアナログなワイヤーを遣うベテラン勢 最近のMotoGPでちょっと話題になったのが、電子制御スロットルだ。電制スロットルは、もはやスイッチ。スロットルレバーの開け閉めを角度センサーが[…]
勝手に妄想、クーリーレプリカ! スズキの『8』プラットフォームに新顔の「GSX-8T」と「GSX-8TT」が登場した。まずは欧州や北米で発売され、順次日本にも導入の見込みだ。 この新型については以前ヤ[…]
美しい孔雀の羽根の色味が変わる特殊ペイントで仕上げた新グラフィック 『エクシード-2』は、カブトがラインナップするオープンフェイスの上級モデルで、赤外線(IR)と紫外線(UV)を大幅にカットしつつ、空[…]
ホンダのスポーツバイク原点、CB72とマン島T.T.イメージを詰め込んだクラブマンだった! ご存じGB250クラブマンは1983年の12月にリリース。同じ年の4月にデビューしたベースモデルのCBX25[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
最新の投稿記事(全体)
特別な店舗のオープンに向けた特別な1台 関西/中部エリアで6店舗を運営するモトラッドミツオカグループ。新装オープンした堺店は、国内のBMW Motorradの正規ディーラーの中でも最新の内装と設備が自[…]
ツーリングに必須レベルの各種ガジェット Kaedear スマートレコードディスプレイ KDR-D22:15%OFF CarPlayとAndroid Autoに対応し、スマホを触らずにナビや音楽操作がで[…]
決勝で100%の走りはしない 前回、僕が現役時代にもっとも意識していたのは転ばないこと、100%の走りをすることで転倒のリスクが高まるなら、90%の走りで転倒のリスクをできるだけ抑えたいと考えていたこ[…]
ホンダ・スズキと同じく、浜松で創業した丸正自動車製造 中京地区と同様に、戦後間もなくからオートバイメーカーが乱立した浜松とその周辺。世界的メーカーに飛躍して今に続くホンダ、スズキ、ヤマハの3社が生まれ[…]
先の道行きが想定しやすい縦型モニター 2023年発売のAIO-5を皮切りに、だんだんと普及しつつあるバイク用スマートモニター。これまでは横型の表示が多かったが、このたびMAXWINから縦型モニタータイ[…]
- 1
- 2