4月11日に正式発表されたホンダの新型CB/CBR650R。以前より話題になっている電子制御クラッチ“Eクラッチ”搭載車は、なんとMT車との差額5万5000円と、とってもリーズナブルなことも判明した。今回はその正式発表に先立って行った、開発者へのインタビュー記事をお届けする。
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:山内潤也/編集部/ホンダ
主目的はヨーロッパの法規制適合
YM:今回のモデルチェンジのねらいや目的を教えて下さい。
ホンダ:欧州で施行される法規制への適合が目的です。その開発に合わせてヘッドライトや外観の変更、モノクロだった液晶メーターのカラーTFT化などを行っています。
YM:法規制とはどのような内容ですか?
ホンダ:OBD2-2と呼ばれるもので、触媒の劣化を検知する機能が要求されます。日本はもう少し先ですが、欧州は今年から施行されます。
YM:今回のCB/CBR650Rでは電子制御クラッチシステム“Eクラッチ”が注目の的ですが、これは当初から搭載予定だったのですか?
ホンダ:はい。法規対応をする時点でEクラッチの搭載も決まっていました。
エンジンや足回りもブラッシュアップ
YM:Eクラッチは後ほどお聞きするとして、ほかにエンジン関係の変更点はありますか?
ホンダ:カムシャフトを変更し、従来型よりも若干オーバーラップを増やすことでより優れた出力特性を得ています。
YM:昨今の排ガス規制は非常に厳しいと聞きますが、それをクリアしながら少しでも走りを向上させるために開発を重ねている…というわけですね。車体まわりはどうですか?
ホンダ:リヤは従来型と同じですが、フロントフォークはより吸収性を高める方向にリセッティングしています。ちなみにサスセッティングはネイキッドのCBもフルカウルのCBRも基本的に共通です。
苦労したけど…普及のためなら安く売る!!
YM:改めてEクラッチの話を聞かせてください。
ホンダ:機械として非常によく出来ていると思いますし、従来のオートマチックと異なり、マニュアルトランスミッションとのセレクタブルなのが大きな特徴です。スポーティなMT操作と、左手操作が不要なATのイージーライド。どちらもこなせるのが最大のセールスポイントです。
YM:Eクラッチは価格もリーズナブルだと聞いています(注:インタビューした時点では価格は未発表)
ホンダ:はい。幅広いユーザー層に訴求するための価格設定です。Eクラッチの開発に非常に苦労した我々としては「MTとの価格差、そんなに少ないの?!」と、思わず言いたくなってしまうくらいの値付けです(笑)。
YM:でも、それはユーザーにしたら非常に嬉しいですよ。”ホンダさん、ありがとう!!”です(笑)。完成度が高く、MTとATがセレクタブルで価格も安い。試乗前にこんな事を言うのもなんですが、Eクラッチはデメリットを挙げることが難しいです。
ホンダ:Eクラッチは世界的に販売しますが、国によってはMT設定がない所もあるくらいです。
YM:“ヤングマシンさん、Eクラッチってもう試乗しましたか?”なんて、他メーカーの関係者さんからこっそり尋ねられる機会も増えていて、注目度の高さを感じさせます。個人的にも試乗できるのが楽しみです。今日はありがとうございました!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
日本仕様も近く登場! ホンダは国内向けサイト内で「Gold Wing 50周年記念サイト」をオープン。1975年のゴールドウイング(GL1000)から始まる歴史を紹介するとともに、50th Anniv[…]
さとみ(すとぷり)がアンバサダーに就任! 日本二輪車普及安全協会は、2025年3月かいさいの「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」および「第52回 東京モーターサイクルショー」の開催概要を発[…]
1位:〈幻名車〉空冷直4 DOHCのホンダCB750(900)FOUR 世に出ることなく開発途中で消えて行ってしまったマシンは数あれど、今でも記憶に残るコンセプトモデルは決して多くない。そんな幻の名車[…]
SC77のエンジンを搭載しながら134万2000円、オーリンズ&ブレンボのSPでも158万4000円 エンジンが抜群に気持ちいい! ホンダが2025年1月23日に発売した新型モデル「CB1000ホーネ[…]
人気モデル『400X』の“モデル名称”を変更して再登場したバイク 普通二輪免許で乗れる400ccクラスの中では珍しいアドベンチャースタイルのクロスオーバーモデル/ツーリングバイクとして人気を博していた[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
1位:〈幻名車〉空冷直4 DOHCのホンダCB750(900)FOUR 世に出ることなく開発途中で消えて行ってしまったマシンは数あれど、今でも記憶に残るコンセプトモデルは決して多くない。そんな幻の名車[…]
ほとんど見かけなくなったひとり乗車 みなさんがふだん、目にするパトカーには必ずと言っていいほど、二人以上の警察官が乗務しているのではないでしょうか。ただし、駐在所に属している警察官は基本的にはひとり乗[…]
V型3気筒ってどんなエンジン? 並列エンジンとV型エンジンの違い 多気筒エンジンは、シリンダーの配置によってさまざまなバリエーションがあります。並列(バイクだと直列とも言いますが)、V型、水平対向とい[…]
1位:カワサキの2ストが復活確定!! カワサキUSAが2025年1月25日、X(旧Twitter)で2ストロークエンジンの復活を宣言したことを報じた。これに先立ちカワサキは「2ストロークエンジン」なる[…]
新委員長が公の場に初登場 自動車メーカー14社を会員として構成される自工会は、日本の自動車業界の発達や社会課題の解決を目的とする組織。その2輪関係の部署となるのが二輪車委員会だ。 この二輪車委員会は近[…]
人気記事ランキング(全体)
『通称』と『道路交通法における区分』、『道路運送車両法による区分』がある バイク雑誌やWEBヤングマシンの記事を読んでいて「これってどうなってるの?」と混乱したことがある方もいらっしゃると思う。のっけ[…]
これが後のGL500につながったかは不明 これはいろいろなエンジン型式の可能性を探るために開発された1台で、クランク軸縦置きの200㏄空冷Vツインを搭載したもの。製造コストが高く、商品化できなかったと[…]
クロスオーバー系レトロがアップグレード! インディアヤマハは、ブロックパターンタイヤを履いたネオレトロスタイルの「FZ-X」をマイナーチェンジして発表した。ロングストローク設定の空冷149ccエンジン[…]
さとみ(すとぷり)がアンバサダーに就任! 日本二輪車普及安全協会は、2025年3月かいさいの「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」および「第52回 東京モーターサイクルショー」の開催概要を発[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
最新の投稿記事(全体)
日本仕様も近く登場! ホンダは国内向けサイト内で「Gold Wing 50周年記念サイト」をオープン。1975年のゴールドウイング(GL1000)から始まる歴史を紹介するとともに、50th Anniv[…]
【読み飛ばしOK】自動車損害賠償責任保険審議会の結果、基準料率の改定は必要ないと判断【料金表は下の方に】 金融庁が令和7年1月10日および1月17日に行った第150回・第151回自動車損害賠償責任保険[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
免許返納後もアクティブに楽しむための小型低速EV パワーユニットに自社の電動モーターを、バッテリーにホンダの「モバイルパワーパックe:」を採用した汎用EVプラットフォームをヤマハが初公開したのは、20[…]
- 1
- 2