
いよいよ東京モーターサイクルショーも最終日! 最後の予習情報として、“ことぶき”こと佐藤寿宏さんによる“モータースポーツ視点で楽しむモーターサイクルショー”をお届けしよう。見どころはあれとこれとそれと……って多すぎ!
●文/写真:ヤングマシン編集部(佐藤寿宏)
まずはヨシムラから!
ヨシムラは加藤陽平監督(どうしても監督と言ってしまう)が新社長就任の挨拶があり、スズキは何やらレース関連の発表があると言うので東京モーターサイクルショーに行って参りました。
70周年を迎えるヨシムラ。日本のレース史を語る上で欠かせない存在。全日本JSB1000にもフル参戦して欲しいところ。
ヨシムラは3月21日付で加藤陽平監督がポップ吉村氏(吉村秀雄)、吉村不二雄氏に続き3代目の代表取締役社長に就任。ヨシムラブースのメインステージで、まず相談役に退いた不二雄氏があいさつ。「今年、2024年でヨシムラは70周年を迎えます。私も先代社長から代表取締役社長を任されて35年になりましたが、今思えば本当にあっという間の出来事でした」と振り返りました。そしてマイクを渡された加藤氏は「子どものころは工場の部品棚の上で過ごしていましたし、今は亡き父・加藤昇平、母・由美子、祖父である吉村秀雄、そして吉村不二雄の姿を見ながらヨシムラと共に育ってきました。ファン、関係者の皆様と共にヨシムラジャパンだけではなく、2輪業界の発展に貢献できるように精進していきます」とコメント。
サプライズゲストで長瀬智也さんが登場し花束を贈呈。「不二雄さんも陽平さんも肩書きは変わりますが、ボクの中では何一つ変わりません。ボク自身もレースをやっているので、不二雄さん、ぜひ足を運んでいただき付きっきりでご指導いただけますでしょうか」と長瀬さんが言うと「コーチ賃高いよ」と不二雄氏。「お支払いいたします」と長瀬さんは即答していたので、筑波サーキット辺りで、その姿を見ることができるかもしれませんね。あ~! ガチャやるの忘れましたぁ~!!
おかえりスズキ!!
そして、スズキブースに足を運ぶと白いベールに包まれたマシンがステージに。ユーロ5に対応させるか? いやいや新型GSX-R1000Rのプロトか? などなどウワサはありましたが、目の前に陣取るとアッパーカウルが透けて見えて、明らかに現行のGSX-R1000R(L7)の形状そのもの。まぁ新型ならEICMAで発表しますよねー、とかメディア仲間と会話をしながら、発表を聞いていくと、カーボンニュートラル(CN)プロジェクトで鈴鹿8耐に参戦すると!
2022年にMotoGPを撤退しレース部門を解散したスズキが、再びレースシーンに戻って来た。
そして佐原(伸一)さんが登場し、プロジェクトリーダー兼チームディレクターを担当。「チームスズキCNチャレンジ」として社内で選抜したメンバーを中心に参戦チームを結成。2022年シーズンで解散した2輪レース部門の経験者はもちろん、人材の育成にも力を入れたいそうです。こちらをを読んでいただけるとプロジェクトの詳細が分かります。
佐原さんは、MotoGPのプロジェクトリーダーを務め、2輪レース部門が解散した後、電動パワートレインの設計部門に移っていましたが、適材適所となるレース現場に戻ってきました。ただ、電動部門を経験したのは、現状を知るいい経験になり、サステナブルな領域での先駆者としてスズキが活動していくことにも活かせると語っていました。
ライダーは、まだ未定ですが、一人は、ヨシムラSERTのライダーになりそうです。ヨーロッパラウンドでは、第4ライダーの渥美心ですが、先日の鈴鹿2&4レースでもいい走りをしていましたし、鈴鹿8耐はレギュラーに選ばれそうですね。そうなると、チームスズキCNチャレンジのライダーには、経験豊富なエティエンヌ・マッソンが適任ですかね!? これで消えそうになっていたスズキレースの火は、再び明るくなってきました。ブリヂストンの再生資源・再生可能資源比率を向上させたタイヤも、すでにテストされているようですが、灼熱の鈴鹿8耐で、どんなパフォーマンスを見せるか注目ですね。
バリ伝でバイクに入ってきた人間のひとりとして感謝
SHOEIブースは、何と言ってもバリバリ伝説とのコラボヘルメットでしょう。おっさんホイホイ状態でしたね。
ガードレースキックターンや“カメッ”も、しっかりおさえられている。嗚呼青春のかほり…。
アラフィフ世代を中心にコレはみんな欲しいですよね。9月末日までの受注期間限定品で7月からデリバリーされるそうです。最高峰モデルのX-Fifteen グンは、10万3400円(税込)、Z-8 バリバリ伝説は、漫画の名シーンが転写されているモデルで8万2500円(税込)と通常モデルよりは、少々お高めですが、ペイントに出して作ることを考えれば遥かにおトクですよね。メーカー純正モデルですし(当たり前)。SHOEIの海老沢さんと話しをしていて、やはり人気はあるそうなんですけれど、同世代でもバリバリ伝説は知っていても、原作は読んだことがないって人が意外に多いんですよね。バリバリ伝説を読んで、レースをしたいと思った人もかなりいましたし、ボク自身、バイクのレースを知るきっかけになったので、この漫画がなかったら、今の仕事もしていなかったことになると言っても過言ではありません。この場をお借りして、しげの秀一先生にお礼申し上げます。
新設クラスで世界へ! 平野ルナの応援をよろしくお願いします!
西4-14のPoi designsブースでは、今年から始まるFIM Women’s Circuit Racing World Championshipにチャレンジする平野ルナが応援Tシャツを販売していました。エントリーの詳細が分からず、いろいろ問い合わせた結果、ようやく連絡が取れたものの、実際にエントリーが通るかどうか不安な時期を過ごしたそうです。
ACE CAFEカラーのR6で全日本ST600クラスを戦った平野ルナ。鈴鹿8耐でも、いい走りを見せていた。日本人で初めてFIM Women’s Circuit Racing World Championshipに挑戦する。
見事エントリーが認められ、日本人女性ライダーで初めて参戦することになりましたが、現状では持ち出しとなるため、応援してくれる方を大募集中だそうです。ぜひ応援Tシャツを購入して応援して欲しいですね。
そのほかの見どころもダイジェストで!
ケビン・シュワンツ、中須賀克行、長島哲太、中上貴晶モデルなどアライヘルメットのレプリカシリーズも見逃せないぞ!
坂田“殿”和人モデルに、原田哲也モデルも復刻! 懐かしいですねー。
エヴァンゲリオンとコラボモデルを発売し大反響のD.I,D大同工業ブースには、トリックスターのZX-10RとエヴァンゲリオンレーシングRQに就任したばかりの松田彩花ちゃんが大人気。
油冷なGSX-R750はデイトナ200マイルな雰囲気バリバリ。辻本さんと一緒に撮ればよかったーって思ったら本人SNSにアップしていましたねー。
DUNLOPブースには、先日の鈴鹿2&4を沸かせた長島哲太のHonda CBR1000RR-Rが飾られていましたよ。
RKでおなじみRKタカサゴチェーンには、1999年の鈴鹿8耐を制したRVF/RC45がドドーンと鎮座。なんでRVF/RC45なんですか? とたずねると「輝かしい時代なので」と。アラフィフ世代には、落ち着くデザインですよね。
ブリヂストンブースには、昨年の鈴鹿8耐の優勝マシンHonda CBR1000RR-Rと、EWCチャンピオンマシンYAMAHA YZF-R1が展示されていましたよー。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(モーターサイクルショー/モーターショー)
陸・海・空にまで広がるホンダの”夢” 今回の展示のテーマは「夢の力」。陸、海、空の3つの領域におけるホンダの多様なモビリティを通して、その技術力と未来へのビジョンが示されます。 二輪車からは、市販モデ[…]
「いくっしょ、モビショー! 」を合言葉に、未来へのワクワクを体験 ジャパンモビリティショー2025で掲げられているのは、「ワクワクする未来を、探しに行こう! 」というコンセプト。「みんなが[…]
モトラのデザインエッセンスが令和に登場 バブルが弾ける前、空前のオートバイブームが訪れた1980年代には現在では思いもよらぬほど多種多様なモデルが生まれた。ホンダからは、トールボーイデザインの新しいコ[…]
1971年の東京モーターショーに突如出現した750cc2スト並列4気筒、YZR500の4気筒マシン・デビュー2年前! いまでもファンの間で幻のドリームマシンとして語り継がれるヤマハGL750。その衝撃[…]
スズキは、昨年のEICMAで世界初公開、大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーで日本でも公開した新型モデル「DR-Z4S」および「DR-Z4SM」を見て、触って、跨ることができるイベント「スズキ モ[…]
最新の関連記事(レース)
欧州仕様に準じた仕様でKYB製フロントフォーク、ウイングレット、ブレンボキャリパーなどを採用するR1 2026年シーズンをヤマハ車で戦うライダーに向け、サーキット走行専用モデルの新型「YZF-R1 レ[…]
『鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権』を初めて観戦した模様を動画に収録 この動画では、若月さんが鈴鹿サーキットの熱気に包まれながら初めて目の当たりにするロードレースの“速さ”や“迫力”に驚き、感動する姿[…]
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
全日本ロードレース選手権・第4戦「SUPERBIKE in MOTEGI」が2025年8月23日・24日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われた。 決勝日の24日、朝8時からのウォームアップ走行を[…]
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
国内規制に合わせてエンジンを再設計 ホンダのCB750フォア(1969年)の発売と前後して、大型バイクの事故の増加や暴走族が社会問題化し、国内では750ccを超える排気量のバイクを販売しない自主規制が[…]
KOMINE プロテクトフルメッシュジャケット ネオ JK-1623 フルメッシュで残暑厳しい秋口のツーリングでも快適さを保つジャケット。胸部・肩・肘・背中にプロテクターを標準装備し、高い安全性も両立[…]
最小限のカスタムでクルーザーをアドベンチャーマシン化 1200ccという大排気量の水平対向エンジンを心臓部に持つBMWのヘリテイジモデル、R12シリーズ。その新しいバリエーションとして2025年5月に[…]
最新の投稿記事(全体)
日本では400だが、グローバルでは500(451ccエンジン)のエリミネーター 欧州でエリミネーター500/SEに新色が登場した。日本仕様でプラザエディションとしてラインナップされる『メタリックインペ[…]
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
欧州仕様に準じた仕様でKYB製フロントフォーク、ウイングレット、ブレンボキャリパーなどを採用するR1 2026年シーズンをヤマハ車で戦うライダーに向け、サーキット走行専用モデルの新型「YZF-R1 レ[…]
メーカー自体が存在しない絶版車のメンテやレストアは難しい 日本のバイクメーカーは今でこそ4社に集約されていますが、1950年代には大小含めて数十社のメーカーが林立していました。第二次世界大戦で疲弊した[…]
- 1
- 2