
昨年、設立25周年を迎えたホンダの企業ミュージアム「ホンダコレクションホール(栃木県芳賀郡・モビリティリゾートもてぎ内)」が、展示内容を一新して3月1日(金)にリニューアルオープンする。創立以来ホンダが紡いできた「夢と挑戦の物語」を視覚と聴覚の両面で体感できる展示とされているのが特徴だ。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダコレクションホール
時代ごとにフロアを分け、歴史をよりわかりやすく
ホンダの創業50周年を記念し、その原点を伝える施設として1998年3月に設立されたホンダコレクションホール。数多くの2/4輪やレーシングマシンなどを収蔵し、その展示を行っているほか、収蔵する車両のメンテナンスや音出し、走行テストも行なっている。
今回のリニューアルではホンダが紡いできた「夢と挑戦の歴史」を体感できる展示へ進化したのが最大のポイント。時代毎にフロアを4つに分け、創業以来の軌跡を記したパネルを設置、音声ガイドやスタッフによるツアーと併せて、ホンダのフィロソフィーや歴史を視覚と聴覚の両面で体感できる。
また、1階エントランスには乗り込みを楽しめる小型ビジネスジェット「Hondajet EliteⅡ」の実物大インテリアモックアップを展示するほか、最新のパーソナルモビリティ「UNI-ONE」の試乗体験など、ホンダのモビリティに触れられる展示も追加される。リニューアル概要と、リニューアルを記念した企画展については以下の通り。
製品展示コーナー(常設展)
■創業〜1970年前後(2階南棟)
創業期の物語や製品を展示。「みんなを喜ばせたい」「技術力で世界に挑戦する」という想いのもと、浜松の小さな町工場で開発した自転車用補助エンジンに始まり、汎用事業開始、マン島TTレースへの出場、スーパーカブの発売、F1初参戦など、ホンダの幕開けとなった情熱の時代を紹介する。
■1970年前後~1985年前後(2階北棟)
4輪市場への本格参入や、F1に再挑戦し勝利を重ねた時代の製品やマシンを展示。初代シビックやCVCCエンジン、2輪のロードレース世界選手権やF1第2期(1983〜1992)に参戦したレーシングマシンなどを見学できる。創業時からの挑戦が花開き、本田宗一郎の想いを受け継ぐ新たな世代が躍動した時代だ。
■1985年前後~2000年前後(3階南棟)
ホンダ初の3ナンバーサイズセダン・レジェンドや、新世代スポーツカーとして登場した初代NSXの開発の裏にある物語を紹介。新しい製品が次々と誕生し、新たな価値を創造していった時代の裏側にあった、挑戦の物語を紹介する。
■(2000年代〜)3階北棟
ASIMOなどロボティクス技術の研究開発や、航空機の世界への新規参入など、新たな挑戦の物語を紹介。創業からの想いはそのままに、領域を広げ、夢の実現へと突き進んでいくホンダの挑戦に触れられる。
各フロアを4つに分け、ホンダの歴史をよりわかりやすく展示するのがリニューアルのポイント。各フロアには時代に沿ったオリジナルのBGMが流される(新進気鋭の作曲家、久保田千陽氏が作曲し、音楽グループ「JPCO (Japan Popular Classics Orchestra)」が演奏)。「ライブラリー&デザインギャラリー」として休憩スペースも新設。製品のデザインスケッチやアート作品が展示されるほか、数多くの2/4輪雑誌も閲覧可能。ワークショップスペースとしても利用可能とのこと。
ガレージコレクション(企画展)
年間3回「ガレージコレクション」と称して常設展で展示しきれない製品を蔵出しし、2階/3階の渡り廊下で展示。3/1からはリニューアルを記念して歴代CBシリーズを一挙公開する「CBヒストリー Part1」企画展を開始する。概要は以下のとおり。
【ホンダコレクションホール リニューアル記念】CBヒストリー Part1 スーパースポーツバイクの先駆車たち (開催期間:3/1~6/30)
CBの誕生から“ナナハン”の語源となった「ドリームCB750FOUR」登場までのヒストリーを展示車とともに紹介。CBと同じ1950~1960年代に活躍したドイツ/イギリス/イタリアのスポーツバイクも多数展示予定。
レーサーレプリカ特集 Part1 ワークスレーサーの血統 NSR250R(開催期間:7/6~10/14)
1980年代から始まったレーサーレプリカブームを特集。Part1では2ストローク車にスポットを当て、コレクションホールが所蔵するNS/NSRシリーズを全て展示する。
ゴールドウイング誕生50周年記念展示&S2000誕生25周年記念展示及びオープンカー特集(開催期間:10/19~2025年3/9)
大型プレミアムツアラー・ゴールドウイングの歴代モデルを展示。皇宮仕様車やゴールドウイングベースのアメリカンカスタムバイク「ワルキューレ」など、展示機会が少なかったバイクも登場予定。あわせてリアルオープンスポーツカー「S2000」の生産第一号車や国内外のオープンカーも展示される予定。
ホンダコレクションホール
- 栃木県芳賀郡茂木町大字檜山 モビリティリゾートもてぎ内 (https://www.mr-motegi.jp/collection-hall/)
- 営業時間10:00〜16:30(季節によって変動あり)
- 入場料:無料(別途モビリティリゾートもてぎへの入場料・駐車料は必要)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
250cc水冷90°V型2気筒でDOHC8バルブが、たった2年でいとも容易くパワーアップ! ホンダが1982年5月、V型エンジン・レボリューションのVF750Fに次ぐ第2弾としてVT250Fをリリース[…]
ハイエンドユーザーに向けたスーパーフラッグシップは何と乗りやすく調教済み! 1980年代に入ると、ホンダが切り札としていたV型4気筒は世界のレースで圧倒的な強みを発揮、それまでの主流だった並列(インラ[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
勝つための合理性と最新テクノロジーが辿り着いたパラレルツイン! レーシングマシンは勝つためを最優先に開発される。だから優位なテクノロジーなら躊躇せず採用する斬新で個性の集合体のように思われがち。 とこ[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
お待たせしました経過報告です 前回のラバゲイン記事、おかげさまで大反響をいただきました。ありがとうございます! そして同時に、「続編が知りたい!」「その後どうなったの?」「どれぐらい持つの?」「いつま[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
BLESS CREATIONのカーボン外装をまとう カーボン外装メーカー・ブレスクリエイションの高い質感と造形の美しさのX350専用外装に惚れ、編集部号にも装着することにした。フロントフェンダー/ラジ[…]
最新の投稿記事(全体)
Nプロジェクトを彷彿とさせる魅力的なデザイン スクエアX125最大の魅力は、その名の通り「スクエア(四角)」を体現した、垂直の箱型ボディだ。空気抵抗を減らすカウルを持つことが主流の現代のスクーターデザ[…]
知識ゼロから飛び込んだ継承への挑戦 このデニム、ただの復刻ではない。SFG前オーナーの強い想いに突き動かされ、全てを見直して完成させた「ライダー向け」の工夫が詰まっているのだ。 G RIDEが起業して[…]
250cc水冷90°V型2気筒でDOHC8バルブが、たった2年でいとも容易くパワーアップ! ホンダが1982年5月、V型エンジン・レボリューションのVF750Fに次ぐ第2弾としてVT250Fをリリース[…]
バニャイアにとって「新しいモノはいいモノ」じゃなかった MotoGPマシンがあまりにも速くなりすぎたこともあって、再来年にはレギュレーションが大きく改定されることになった。 エンジンは850ccに、空[…]
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」 クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが[…]
- 1
- 2


































