
カワサキは2023年9月15日、欧州&北米などで125ccクラスに相当する新型電動バイク「ニンジャ e-1」および「Z e-1」を発表。それからおよそ半月後には、欧州や北米で価格が公表された。日本では詳細未発表だが、国と東京都の補助金を併用した場合にはガソリン車と同等の価格で入手できるかもしれない。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
欧州ではZ650RSと同等か少し高く、北米ではかなり安い
電動ニンジャ&Zにハイブリッドと大攻勢をかけるカワサキだが、早くも電動モーターサイクル「Ninja e-1」「Z e-1」の価格が明らかになった。ニンジャe-1とZ e-1が発表されたのは2023年9月15日だが、それから間を置かずにドイツ、英国、北米で販売価格が公開されたのだ。
価格は以下の通りで、価格帯が近いと思われるZ650RSの価格と、日本円換算値も併記した。
北米
Ninja e-1:7599ドル(約113万2000円)
Z e-1:7299ドル(約108万7000円)
Z650RS:9599ドル(約142万9000円)
ドイツ
Ninja e-1:8635ユーロ(約136万4000円)
Z e-1:8235ユーロ(約130万1000円)
Z650RS:8045ユーロ~(約127万1000円)
英国
Ninja e-1:8299ポンド(約151万7000円)
Z e-1:7799ポンド(約142万6000円)
Z650RS:7839ポンド(約143万3000円)
Z650RSが日本仕様の価格105万6000円から大きく跳ね上がっているのは円安や輸出コストの影響なので、それを踏まえて考える必要はあるが、日本仕様が発売された際のおおよその価格帯は推定できそうだ。ドイツ&英国の価格差を参考にするなら、Z650RSと同等かやや高く、日本での価格を想定すると110万円前後に。しかし、北米の価格比を参考にするなら80万円台ということになる。
どちらを参考にすればいいのかは難しいところだが、80~110万円程度という大まかな価格帯は間違いなさそうだ。
ガソリン車との価格差を埋める可能性がある『東京都の補助金』
ここで忘れてはならないのが補助金の存在だ。経産省管轄のCEV補助金は、原付一種で上限6万円、原付二種で上限12万円(いずれも令和5年度の場合)と定められており、125cc相当のニンジャe-1とZ e-1は原付二種としての販売が想定されることから最大で12万円の補助金が得られそう。
さらに自治体の補助金もあり、予算を大きく確保している東京都の場合は「EVバイクとガソリン車の価格差から国の補助金を除いた額を補助(原付二種は上限48万円/三輪を除く原付一種は上限18万円)」とあるので、車両価格が仮に110万円以上だったとして、最大で60万円もの補助金が受けられる可能性があるのだ。
東京都が補助額イメージとして公開している「第一種原動機付自転車(原付三輪バイク/バッテリー交換式車両)」の例。ガソリン車と同じ46万8000円で購入可能になっている。
とはいえ、実際のところは“ガソリン車の価格”をどう設定するかによるし、同等のガソリン車を現行ラインナップに持たないカワサキの場合はどのように判断されるのかといった部分もある。
他メーカー製品でいえば、登場したばかりのヤマハYZF-R125が51万7000円、ホンダCB125Rが47万3000円なので、それらの価格が参考にされる可能性があるだろう。
いずれにしてもまだ計算上の話なので、続報を待つ必要がある。カワサキさん、よろしくお願いしまーす!
KAWASAKI Ninja e-1[2024 EU model]
KAWASAKI Ninja e-1[2024 EU model]Metallic Bright Silver / Metallic Matte Lime Green / Ebony
KAWASAKI Z e-1[2024 EU model]
KAWASAKI Z e-1[2024 EU model]Metallic Bright Silver / Metallic Matte Lime Green / Ebony
Specifications
車名 | Ninja e-1 | Z e-1 |
全長×全幅×全高 | 1980×690×1105mm | 1980×730×1035mm |
軸距 | 1370mm | ← |
最低地上高 | 160mm | 170mm |
シート高 | 785mm | ← |
装備重量 | 140kg | 135kg |
モーター | 空冷 永久磁石同期モーター | ← |
定格出力 | 6.8ps/2800rpm | ← |
最高出力 | 12ps/2600-4000rpm | ← |
最大トルク | 4.1kg-m/0-1600rpm | ← |
変速機 | なし | ← |
バッテリー | リチウムイオン(30Ah)×2個/各11.5kg | ← |
WMTCモード電費 | 49Wh/km(クラス1) | ← |
航続距離 | 72km | ← |
キャスター/トレール | 24.4°/93mm | ← |
タイヤサイズ前 | 100/80-17 | ← |
タイヤサイズ後 | 130/70-17 | ← |
ブレーキ前 | φ290mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ220mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
参考価格 | 8299ポンド | 7799ポンド |
発売時期(英国) | 2023年10月 | ← |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
スタートダッシュは400ccクラス並み?! 車重はわずか140kg/135kg 国産初のモーターサイクル型電動バイクをカワサキが正式発表した! まだ欧州での出来事に過ぎないと思うかもしれないが、続いて[…]
650~700ccクラスの性能を備え、1000ccスーパースポーツに匹敵する瞬発力!! つい最近、125ccクラスに相当する欧州A1くライセンスクラスの電動バイク「ニンジャ e-1」および「Z e-1[…]
※2023年12月14日更新 125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、[…]
セニアカー技術をベースとしながら、誰もが楽しめる乗り物へ スズキがジャパンモビリティショー2023(JMS2023)の出品概要を発表した。注目はいくつかあるが、16歳の高校生からセニアカーに抵抗のある[…]
折りたたみ式の電動アシスト自転車をベースに原付へ 見た目はほとんど電動アシスト自転車、なのに原動機付自転車扱いになるという「e-PO」がジャパンモビリティショー2023(JMS2023)に展示される。[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
パワフルで坂道も得意、実用的な原付二種EV 2023年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデル「SC e: Concept」として参考出品されていたものが車名を「CUV e:」と改め、2025年6[…]
高まるペット移動ニーズに応える革新的モビリティ ガソリン価格の高騰と50ccクラス原付の製造終了という時代の転換期において、経済的かつ環境に優しい移動手段への需要が急速に高まっている。その一方で、近年[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
2025年秋以降に登場予定の最新ハイブリッドスクーター レトロポップなスタイリングの原付二種スクーターが、市販予定車として大阪モーターサイクルショーに登場した。その名も「Fazzio(ファツィオ)」は[…]
徳島藍染に昭和プリン、千草に霧桜だと?! ヤマハモーター台湾は、レトロポップな125ccスクーター「ビノーラ」をモデルチェンジ。「Newtro Fashion(ニュートロ・ファッション)」のコンセプト[…]
パワフルで坂道も得意、実用的な原付二種EV 2023年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデル「SC e: Concept」として参考出品されていたものが車名を「CUV e:」と改め、2025年6[…]
人気記事ランキング(全体)
トレッドのグルーブ(溝)は、ウエットでタイヤと接地面の間の水幕を防ぐだけでなく、ドライでも路面追従性で柔軟性を高める大きな役割が! タイヤのトレッドにあるグルーブと呼ばれる溝は、雨が降ったウエット路面[…]
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表 欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
北米にもあるイエローグラフィック! スズキ イエローマジックといえば、モトクロスやスーパークロスで長年にわたって活躍してきた競技用マシン「RMシリーズ」を思い浮かべる方も少なくないだろう。少なくとも一[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
最新の投稿記事(全体)
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
全日本、そしてMotoGPライダーとの違いとは 前回は鈴鹿8耐のお話をしましたが、先日、鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿サンデーロードレース第1戦に顔を出してきました。このレースは、鈴鹿8耐の参戦権を懸け[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は大ヒット街道まっしぐら、女性人気も高いホンダ「レブル250(S[…]
どの製品を選択するべきかで大いに悩む 少し前に当サイトでお伝えした通り、最近の僕はツーリングで重宝する積載系アイテムとして、タナックスがMOTOFIZZブランドとして販売する、ミニフィールドシートバッ[…]
長島哲太×ダンロップ×CBR1000RR-R、2年目の戦いへ 2025年の全日本ロードレースの第1戦が4月20日にモビリティリゾートもてぎで幕を開けた。 ダンロップタイヤを3年計画でチャンピオンの座に[…]
- 1
- 2