
2021年にカワサキが復活させたメグロブランド。現状は800ccの「メグロK3」の1機種のみだが、待望の復活第二弾となる新機種の投入が予定されているとの噂だ。その車両は250ccで、ベース車は2017年まで販売されていた「エストレヤ」になる…とヤングマシンでは予測しているのだが、さてどうなる?
●CG製作:SRD
K3登場後も”話題作り”が続いている?!
ホンダGB350が大ヒット中のアンダー400ccクラス。以前から予想しているとおり、カワサキもこのクラスに新型ネオクラの投入を画策しているようだ。長年に渡って250ccの「エストレヤ」を販売してきたカワサキだが、2017年の生産終了後は250クラスのネオクラは空座。そこで、かつての人気車エストレヤの形を変え「メグロ250(仮称)」として復活させると予想する。
メグロは1924年に設立された日本初の2輪ブランドで、1964年にカワサキが吸収。それから50年以上を経た2021年にW800をベースとする「メグロK3」が投入されてブランドが復活している。その弟分としてエストレヤベースの250cc車が投入される…というストーリーだ。
そもそも本誌は2021年11月、カワサキモータースジャパン社長の桐野英子さんにインタビューした際「カワサキの歴史を伝えるブランドとして、すごく悩んだ末に覚悟して出したのがメグロなので、今後もきちんと育てていきます」との話を伺っている。
もちろんこれが新機種を指しているとは限らないが、カワサキは2022年5月にメグロの工場があった栃木県・那須烏山市にメグロの大看板を寄贈し、さらには2021年にスタートしたイベント「メグロキャノンボール那須烏山」にも協力を継続している(3回目となる今年も11/12に開催予定)。K3登場後も“話題作りでは?”と勘ぐりたくなる動きが続いているのも“復活メグロに第二弾アリ!”と本誌が考える一因だ。
早ければ今秋にも登場か
車両に関する具体的な情報はないものの、普通に考えればW800→K3の時と同様、ベース車のカラーリングや細部意匠の変更により“メグロ感”を演出してくると思われる。エンジンに関しては設計年度が比較的新しく、現在の排ガス規制にも対応可能と思われる現行KLX230系を有力視してきたが、ここにきて旧エストレヤ系の249cc空冷シングルが採用される可能性も出てきた。
このエンジンは平成28年排ガス規制(ユーロ4相当)に対応せず、日本では殿堂入りしたものの、その後も「W250」と車名を変更したタイでは2019年モデルまで継続販売されていた。シリンダーのフィンやクランクケースの曲線美など、KLXよりレトロムードが濃いこのエンジンが現行規制に対応できれば、懐古的な新型メグロのエンジンにはまさしく最適だ。
さらにヤングマシンが期待したいのがカワサキバージョンとの2本立てだ。W800とK3の関係のように、250ccでも手の届きやすいカワサキ版、プレミアム指向のメグロと棲み分ければより幅広いユーザー層に訴求できるはず。早ければ2023年秋の発表もあり得るか!?
【KAWASAKI MEGURO 250|イメージCG】アルミ地が美しいエストレヤのエンジンに、メグロ印の赤マルを追加。スタイルは初代エストレヤのまま、メグロらしくメッキタンクやエンブレムを与えた。灯火類や足まわりは最新でリヤもディスク化。車名はメグロK3や旧メグロの250cc車に合わせ、アルファベットと数字の組み合わせになるか? ●予想登場時期:2023年秋 ●想定価格帯:70万円前後 ●デビュー可能性:75% ※無断転載禁止
【ESTRELLA FINAL EDITION[2017]】2007にFI採用などの大幅改良を加えつつ、ほぼ同じスタイルで生産されたが、排ガス規制に対応せずに2017年のファイナルエディションで生産終了。今だ根強い人気がある。
【エストレヤ用で規制対応か?!】直立シリンダーの空冷単気筒は 2007モデルで FI を獲得(写真はそれ以前のキャブ仕様)。規制対応には大幅変更が必要と思われるが、外観はメグロにドンピシャ。また、旧エストレヤの車体も活用できるか。■空冷4スト単気筒 SOHC2バルブ 249cc 18ps/1.8kg-m
【KLX系を仕様変更か?!】現行KLX230の心臓部は現行より一つ前の平成28年排ガス規制に対応。小変更で現規制をクリアできると思われるが、冷却フィンやカバー形状を懐古的デザインに変更する必要アリ?■空冷4スト単気筒 SOHC2バルブ 232cc 19ps/1.9kg-m
カワサキバージョンが来るなら”W”か?!
【KAWASAKI W250|イメージCG】KLXエンジンを搭載し、インドなどで販売されるW175に寄せたグラフィックとしてみたカワサキ仕様。エストレヤは 2017 年のディスコン時に“ファイナルエディション”を謳っているため、復活するなら車名は“W”を用いると予想! ※無断転載禁止
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
伝説のメグロ大復活から3年、その姿を変えずに2024年モデルへ 2020年11月に一葉の写真が公開され、メグロ復活が高らかに宣言された。「伝統ト信頼ノ メグロ」の大看板はこの復活劇のためだけに制作され[…]
1984年に登場し、今も熱狂的なファンを持つ'80年代随一の人気機種・カワサキGPZ900R。この"初代ニンジャ”の復活機運が高まりつつある? 2024〜2025年の2年間で30機種以上のエンジン車を[…]
GB350は受注一時停止中だが、ロイヤルエンフィールドは供給順調 中型クラス……というか普通二輪免許で乗れる空冷ネオクラシックバイクが大人気だ。ホンダはインドで「ハイネスCB350」として発表したモデ[…]
メグロSG→エストレヤ→再びメグロに転生!? 軽二輪クラスでトップセールスを続けているホンダのレブル250。この快進撃をストップさせるべく、カワサキがついに動き出す。レブル人気の秘訣である“イージー&[…]
3460万ルピア(約33万円)より! 日本では2017年にエストレヤが生産終了になり、同型のマシンはタイなど海外でW250と車名を変えて生き残っているものの、日本でカワサキ製の軽二輪(126~250c[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
クラシックなボバースタイルをもつ”個性爆発”のゴアン クラシック350 名は体を表すというが、ロイヤルエンフィールドのニューモデル「ゴアン クラシック350」が表現するものは何か? 英国発祥のロイヤル[…]
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
英国生まれインド育ち:クラシック風味に全振りしたモデル 現存するオートバイブランドでは最古(大元のジョージ・タウンゼンド・アンド・カンパニーの創業は1851年! )と呼ばれ、1901年にオートバイの生[…]
ホンダCB1300スーパーフォア/SP ファイナルエディション 頂点のバイクに今さら“付け足すもの”などない 1992年に「PROJECT BIG-1」が発動されセンセーショナルに登場したCB1000[…]
往年の名車をオマージュしたヘリテイジにアドベンチャーバイクの原点が登場! BMWは、1170cc空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載するヘリテイジシリーズに、『R 12 G/S』を投入する。BMWのホー[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
「ガンマ」が火をつけたレプリカ戦線にカワサキも参入 スズキRG250Γ(ガンマ)の登場で活気づいたレプリカ戦線に、勇んでカワサキも参入する。 1984年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツイ[…]
8耐の熱い走りを思わせるライムグリーンと赤の差し色 2020年モデルの発売は、2019年9月1日。250ccと基本設計を共通化した2018年モデルにおけるフルモデルチェンジ時のスペックを引き継ぐ形で登[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の投稿記事(全体)
全日本、そしてMotoGPライダーとの違いとは 前回は鈴鹿8耐のお話をしましたが、先日、鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿サンデーロードレース第1戦に顔を出してきました。このレースは、鈴鹿8耐の参戦権を懸け[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は大ヒット街道まっしぐら、女性人気も高いホンダ「レブル250(S[…]
どの製品を選択するべきかで大いに悩む 少し前に当サイトでお伝えした通り、最近の僕はツーリングで重宝する積載系アイテムとして、タナックスがMOTOFIZZブランドとして販売する、ミニフィールドシートバッ[…]
長島哲太×ダンロップ×CBR1000RR-R、2年目の戦いへ 2025年の全日本ロードレースの第1戦が4月20日にモビリティリゾートもてぎで幕を開けた。 ダンロップタイヤを3年計画でチャンピオンの座に[…]
※この記事は別冊モーターサイクリスト2010年11月号の特集「YAMAHA RZ250伝説」の一部を再構成したものです。 ヤマハ RZ250のエンジン「2ストロークスポーツの純粋なピーキー特性」 ヤマ[…]
- 1
- 2