
カワサキは欧州で、新作ドラッガー「エリミネーター500」「エリミネーター500 SE」の詳細を発表した。エンジンの出力スペックは45psと、399ccの日本/タイ仕様の48psよりも控え目だが、そのぶん低回転トルクの厚みが増している模様だ。車体まわりは、日本仕様に対してSEのドライブレコーダーが省略されている以外ほとんど変わらない。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
車名の後ろに排気量の数字が入るのは欧州仕様が初めて
カワサキは、北米やインドネシアに続き、欧州でも451cc版エリミネーターを発表した。正式名称は「エリミネーター500」「エリミネーター500 SE」とされ、他の仕向け地仕様と違って排気量を表す数字が入っているのが大きな特徴となっている。ボディカラーは以前にもお伝えしたようにSTD、SEとも黒ベースだ。
日本仕様およびタイ仕様は399ccだが、それ以外については451ccとされ、排気量拡大は70.0mmのボアをそのままに51.8mm→58.6mmへとストロークアップしたことによるもの。ニンジャ400/Z400と同スペックの国内エリミネーターに比べ、全域で太いトルクが期待できる。
今回は欧州仕様の詳細が明らかになったわけだが、インドネシア仕様(451cc)が52ps/10000rpm、日本仕様(399cc)が48ps/10000rpmなのに対し、よりも低回転寄りの45ps/9000rpm。これは欧州のA2免許に対応すべく35kW(47.6ps)以下とし、エントリーライダーが入手しやすく、また保険料なども安くなるよう配慮されている。ちなみにオーストラリア仕様も欧州と同様のスペックだ。
最大トルクも、インドネシアの4.3kg-m/7500rpmに対し、欧州仕様では4.3kg-m/6000rpmと
ピーク値は変わらないものの、より低回転で発揮する仕様となっている。
前18/後16インチのホイールサイズや丸型LEDヘッドライト、新設計のトレリスフレーム、ツインショックタイプのリヤサスペンション、フルデジタルメーター、低くフレンドリーなシート高、アシスト&スリッパークラッチといった基本装備は日本仕様と変わらず。
SEについてはヘッドライトカウル、フォークブーツ、防水タイプのUSBタイプCソケット、SE専用シートを装備するが、日本仕様で好評のドライブレコーダーは省略されている。価格&発売時期は未発表だ。
さて、ここからは未来予想になるが、車名にあえて数字を加えたことで考えられるのは“異なる排気量”のエリミネーターが準備されているのでは、ということ。具体的に言えば250cc版や900~1000cc版だろうか。以前から噂にのぼっているエリミネーターの兄弟車としては、948cc(Z900)/1043cc(ニンジャ1000SX)、さらにスーパーチャージド998cc(ニンジャH2系)などの4気筒モデルも期待されている。さて、真相はいかに……?
KAWASAKI ELIMINATOR 500 / 500 SE[2024 EU model]
| 車名 | ELIMINATOR 500 | ELIMINATOR 500 SE |
| 全長×全幅×全高 | 2250×785×1100mm | 2250×785×1140mm |
| 軸距 | 1520mm | ← |
| 最低地上高 | 150mm | ← |
| シート高 | 735mm | ← |
| キャスター/トレール | 30°/121mm | ← |
| 装備重量 | 176kg | 177kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ | ← |
| 総排気量 | 451cc | ← |
| 内径×行程 | 70.0×58.6mm | ← |
| 圧縮比 | 11.3:1 | ← |
| 最高出力 | 45ps/9000rpm | ← |
| 最大トルク | 4.3kg-m/6000rpm | ← |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
| 燃料タンク容量 | 13L | ← |
| タイヤサイズ前 | 130/70-18 | ← |
| タイヤサイズ後 | 150/80-16 | ← |
| ブレーキ前 | φ310mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
| ブレーキ後 | φ240mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
| 価格 | 未発表 | ← |
| 発売時期 | 未発表 | ← |
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