
ヤマハが商標を出願し、その登場が確実視されている「XSR GP」。XSR900をベースに“グランプリ”を想起させるフィニッシュを施した車両と思われ、本誌でも過去に何度もスクープ記事を展開してきたが…ついにその概要が判明!! 7月にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバルオブスピードにヤマハUKが出走させた「XSR900 DB40プロトタイプ」こそ、XSR GPそのものだというのだ!!
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
グッドウッドに試作機登場! XSR GPは発表間近か
1982年のWGPレーサー、YZR500に初めて採用され、衝撃を与えたアルミデルタボックスフレーム。その3年後、公道市販車のTZR250に初導入され、当時興奮したベテラン読者も多いことだろう。
このデルタボックス=DBの登場40周年を祝うスペシャルモデルが、英国伝統イベントのグッドウッドフェスティバルで披露された。製作したのはヤマハモーターUK。XSR900をベースにYZRやTZR風のカウルを与えたカスタム車だ。
ナント、このモデルこそヤングマシンがスクープしてきた「XSR GP」のプロトタイプであるとの情報が舞い込んできた! 既報のとおりヤマハは「XSR GP」の商標を日欧などで出願済み。これがスポーツヘリテイジであるXSR900の”カウル付きバージョン”と予想してきたが、まさに的中した模様だ。
試作車はハーフカウルだが、市販版はフルカウルの可能性も。また、試作車はヘッドライトなど灯火類が非装備だが、アッパーカウル先端に開いた四角穴が、ほぼそのまま超小型ヘッドライトになると思われる。
気になるのは、アッパーカウルの装着位置が高く、上部に切り欠きがある点。これはXSRのノーマルハンドル位置に合わせてカウルを装着するためと見られる。つまりXSR GPは完成車ではなく、パッケージオプションの可能性もあるだろう。
登場は早ければ2023年秋と予想したい。XSR GPはまさに現代に甦ったTZRレプリカ。フルカウルのレトロスポーツと言えば、MVアグスタのスーパーヴェローチェぐらいしか存在しないが、レアなジャンルを拡大する1台になるハズだ!
【YAMAHA(UK) DB40 PROTOTYPE】最新の3気筒を積むXSR900をベースに、’80年代YZRやTZRをオマージュしたハーフカウルを融合したカスタム車。「プロトタイプ」の名称がいかにも「次」を期待させる。ノーマルは黒フレームだが、無塗装とし、往年のデルタボックスに似たアルミフレームを強調した。
往年のYZRやTZRと同様にナックルガード別体式のアッパーカウル。センターにはヘッドライト風のダクトが設けられる。
STDはアップタイプのバーハンだが、トップブリッジ+セパレートハンドルに換装。スクリーンやカウルステーの造形も本物っぽい。
同じオーリンズではあるが、XSR900の兄弟車であるMT-09SPとは異なるリヤショックを装備。スタイルに合わせたサスが採用される?
2023年に登場したXSR900純正アクセサリー「カウルセット」に含まれるシートカウルを装着。フロントカウルもオプション販売に?
イベント初日に英国人の元ワークスヤマハのWGPライダー、ニール・マッケンジーがデモ走行。正面から見るとまさにYZR?
〈YM未来予想 その1〉ヤマハ XSR GP
カラーリングは不明だが、XSR900の純正色であるファラウェイブルー(ゴロワーズブルー)はもちろんのこと、’80年代のヤマハGPマシンを彩ったイエローのヤマハインターカラーや紅白のマールボロカラーもバッチリ似合うハズ。CGはマールボロにしてみたところ…初代TZR250(1KT)ともうコレ見分けがつかないゾ?!
【YAMAHA XSR GP|イメージCG】
ベースモデル XSR900
【2023 YAMAHA XSR900】MT-09がベースのネオレトロ。2022年型で’80年代WGPマシンをカウルレスにしたかのようなデザインを獲得した。走りがいいのに安価で造形もマル。■水冷4スト並列3気筒888cc 120㎰/10000rpm 9.5kg-m/7000rpm ■車重193kgシート高810mm 燃料タンク容量14L ●価格:121万円
イメージモデル TZR250(1KT)
【1985 YAMAHA TZR250】ステアリングヘッドとスイングアームピボットを直線的に結ぶアルミ製デルタボックスフレームに、市販レーサーTZ直系の水冷パラツインを搭載。レースでの高い戦闘力と公道での乗りやすさを兼ね備えて大ヒットとなった初代TZR。写真のマールボロカラーは1987年に追加された限定車。カラーリングは1985年のYZR500レプリカだ。■水冷2スト並列2気筒クランクケースリードバルブ 249cc 45㎰/9500rpm 3.5kg-m/9000rpm ■車重126kg ●発売当時価格:54万9000円(1985年)
〈YM未来予想 その2〉ヤマハ YZF-R9
同じくMT-09をベースにスポーツ性能を追求した「YZF-R9」の開発も進行中との噂だ。YZF-R1とR7の間を埋める存在として、120psを発揮する3気筒にアルミフレームを組み合わせた軽量ハイパワーのMT-09は最適。R7では少々もの足りないが、R1は速すぎるうえに価格も高価。速いけれども凄すぎないSSが欲しい…というユーザーの格好の受け皿になるはずだ。従来のYZF-R系より一段と進化した最新デザインが導入されるとのウワサだ。
【YAMAHA YZF-R9|イメージCG】
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
900F/900LC/700LCの写真をまとめて見る XSR900('22)をRZV500R/RD500LC/RZ500風に! RZV500Rはともかくとして、RD500LCやRZ500という車名をご[…]
もっと手頃でお気軽なネオクラが欲しい!! 今や大人気のネオクラシック/ヘリテイジカテゴリー。強烈な先代へのオマージュや凝った作り込みに、最新の走行性能を兼ね備えることで一大人気カテゴリーにのし上がった[…]
YZF-R9やXSR GPに続くのはRZ250/RZ350か ヤマハが「RZ250」「RZ350」の商標登録を出願していたことが明らかになった! RZ250/350といえば、2ストロークエンジンの未来[…]
XSR125:技アリのロケットカウル風ビキニでよりカッコよく! 懐古的なネオラクシックやカフェレーサーは世界的なトレンドで、その流れは125ccにも波及している。海外ブランドから125ネオクラはリリー[…]
YZR500の血を受け継いだ1983年のRZ250R/RZ350Rが元ネタ? ワイズギアは、大阪モーターサイクルショーで初公開したばかりのカウルセットを早くも2023年6月に発売すると発表した。なかで[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ついに見つけた、生存者……! 箱根、海ほたる、日光いろは坂など、ツーリングの名所を電動化したセローで2人の少女が巡る。誰もいない、ひどく荒れ果てた終末世界をバイクでトコトコ駆け回るツーリングコミック『[…]
発進加速をサポートし、燃費も節約 レトロポップなスタイリングの原付二種スクーターが、市販予定車として大阪モーターサイクルショーに登場した。その名も「Fazzio(ファツィオ)」は、タイやインドネシアな[…]
正面気味に見るとメタリックブルー、角度がつくとパープルに変化 大阪モーターサイクルショー開幕直前まで、立て続けにニューモデルを発表してきたヤマハは、その多くを大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーに[…]
“カスタマイズコンセプト”というわりにはライトカスタムで…… ヤマハは、大阪モーターサイクルショーで「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のサプライズ展示を敢行。これがさまざまな憶測を呼んでいる。[…]
車体の刷新でスポーツ性を大幅強化 今回の倒立フォーク化&ラジアルマウント化のモデルチェンジでは、本来約4.5kgの重量増になるところを、MT-07ならではの軽さに拘って各部を軽量化。車体のねじれ/縦方[…]
人気記事ランキング(全体)
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
Q.猛暑も過ぎようやくツーリングへと出かけたのですが、曲がり角やカーブのたびにハンドルを重く感じて、内側に切れるのを左手で支え疲れ果てました。これまで快適に乗れていた愛車が、わずか2ヶ月乗らずにいたら[…]
子供の夢を、ホンダが大人げないほど本気で作る この「ホンダコライドン」は、内部のモーターや駆動用タイヤによって走行が可能な電動モビリティ。手足/首/顔も可動としてゲーム上の動きの忠実な再現を目指し、子[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
最新の投稿記事(全体)
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
ヘッドユニットオーディオ「WHD14+」(プレシジョンパワー):Apple CarPlay&Android Autoワイヤレス対応 高機能かつ高性能のオーディオヘッドユニットを取り扱うプレシジョンパワ[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
“エフ”にとらわれず、新世代のCBをゼロベースで追求 YM:まずはCB1000Fコンセプトの狙いどころや、車両のコンセプトを教えて下さい。 坂本:“CB”はレースと共に育ってきたブランドですが、その役[…]
洗車だけでなく雨天走行後にも使えそうな”吸水クロス” 雨天での走行後や、洗車後に気になるのがボディに付いた水滴。これの拭き取りに特化した設計のクロスが”超吸水ゼロタオル”だ。 吸水性を高めるため、生地[…]
- 1
- 2