ライダーが増え、バイクが売れているいま、その背後にある不安や不満を払しょくするために各界のトップはどう考えているのか。今回は、’22年に前年比33%増の1万199台という販売台数を記録して、ただいま絶好調のハーレーダビッドソン ジャパン(以下HDJ)を率いる野田社長に、創立120周年を迎える’23年も現在の勢いを継続するための施策などをお聞きした。 ※ヤングマシン2023年5月号掲載
●取材/文:ヤングマシン編集部(Nom) ●写真:ハーレーダビッドソン ジャパン、編集部
ポテンシャルの高さはこんなものじゃない。課された使命は年間2万台だと思っている
HDJは昨年、’17年以来の販売台数1万台超えを記録しV字回復を成し遂げた。さらに、今年はハーレーダビッドソン(以下H-D)の創立120周年という大きな節目の年でもあり、HDJを率いる野田社長はこの勢いをどうやって継続していくつもりなのか、また大幅に増えた新規ユーザーをどうやってケアしていくのか。さらには、H-Dから分離・独立したライブワイヤー社が販売する電動バイクの日本導入はあるのだろうか。
まずは、昨年の1万台超えの要因からお聞きしよう。
「会社の方針で、私の方針でもあるんですが、まずはもう一回、基本からしっかりやりました。H-Dには『ハードワイヤー』という中期戦略があって、その前に『リワイヤー』というのがあって、いろいろな物事、線が絡み合ってしまっていたのを、もう一回、結線し直そうというのが『リワイヤー』で、それをさらに強くしようというのが『ハードワイヤー』なんです。長年H-Dのビジネスをやってこられたディーラーさんでも、販売現場に目標がちゃんと伝わっているか、広告宣伝でもお客さまが知りたい情報をちゃんとお伝えしているか、そういう基本を一昨年に代表に就任したときから徹底してやってきました。
私も全国110店舗を回って、抜けているところはないかを確認して、基本的な戦略に基づいて方向性を合わせる作業をしました。
ちょうどコロナ禍だったのも幸いして、ディーラーさんもそういう作業にしっかり取組むことができ、その成果が昨年、一気に出たのだと思います」
ご存じのように、H-Dは非常にブランド力が高いバイクで、ここ日本でも年間1万6000台の販売を記録したことがあるほどだ。
「ポテンシャルは滅茶苦茶ありますね。ですから、正直、こんなものじゃない、もっとイケると思います。今年は創立120周年で記念モデルもたくさんありますし、『ブレイクアウト』のような強力なモデルもあります。さらに、年の中ごろ、そして年末にもまだまだニューモデルがあって、みなさんにさすが120周年だと思っていただけるような年になると思います。
いま日本は、アメリカマーケットに次いで世界で2番目にH-Dの販売台数が多い国ですから、車両の割り当てでも有利になっていて、供給の面でもうまくいっています。
さらに、H-D沖縄さんのように売上を今以上に伸ばすために投資をして、新店舗を構えたところもあります。ですから、この先2~3年で過去最高だった1万6000台のレベルまで到達して、その上の2万台を目指すのが私に課せられた使命だと思っています」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
2023年は若年層に訴求、大型免許にかかわる施策も…… 1月26日、新型「ブレイクアウト」の発表会は、元K-1世界チャンピオンの魔裟斗さんもゲストで登場するなど華やかに開催された。その後、個別インタビ[…]
かつてのXR1200がフレンドリーなデザインとサイズ感に! ハーレーダビッドソンのブランニューモデルが海外に登場だ! このところ2輪市場が活気づいている中国において、ハーレーダビッドソンが1970年代[…]
昨年11月に二輪事業本部に電動開発部を新設した 昨年の9月13日、ホンダは「二輪事業の取組みについて~電動化を中心としたカーボンニュートラルの実現〜」という内容の記者会見を行った。その中身は、'40年[…]
’23年はEWCの王座奪回が目標、鈴鹿8耐は日本人ライダーを起用したい 昨年7月、数か月前から噂されていたモトGPからの撤退を表明したスズキだが、同時にFIM世界耐久選手権(以下EWC)へのワークス参[…]
高速料金問題は自民党PTの1丁目1番地。12年かかって一歩進んだと思います 2022年4月3日からスタートした“ETC二輪車定率割引”。土日祝日限定/事前に専用サイトで自分のETC機器を登録/片道10[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
TRIJYA(トライジャ):カフェレーサースタイルのX500 パンアメリカやナイトスターなど水冷ハーレーのカスタムにも力を入れているトライジャ。以前の記事では同社のX350カスタム車を掲載したが、今回[…]
デイトナを制した伝説のマシンが代官山に出現! 日本が世界に誇るサンダンスハーレーのレーシングマシン「Daytona Weapon I」と「Daytona Weapon II」が、代官山蔦屋書店(東京都[…]
リグニスによるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』とは 「これこれっ、これなんだよなぁ」と、エボリューションVツインを知る人はもちろん、もしかしたらハーレーダビッドソンに乗ったことが[…]
さまざまなイベントを開催。オーナー同士の交流も盛んなディーラー ハーレーダビッドソン所沢では、定期的にツーリングやイベントを開催し、店舗ではさまざまなキャンペーンが行われている。たとえば2024年7月[…]
人気記事ランキング(全体)
私は冬用グローブを使うときにインナーグローブを併用しています。防寒目的もありますし、冬用グローブを清潔に保つ目的もあります。最近、長年使い続けたインナーグローブが破れてしまったこともあり、新品にしよう[…]
TRIJYA(トライジャ):カフェレーサースタイルのX500 パンアメリカやナイトスターなど水冷ハーレーのカスタムにも力を入れているトライジャ。以前の記事では同社のX350カスタム車を掲載したが、今回[…]
高回転のバルブ往復にスプリングが追従できないとバルブがピストンに衝突してエンジンを壊すので、赤いゾーンまで回すのは絶対に厳禁! 回転計(タコメーター)の高回転域に表示されるレッドゾーン、赤くなっている[…]
従来は縦2連だったメーターが横2連配置に ヤマハは、2004年に欧州で誕生し、2017年より日本を含むアジア市場へ(250として)導入されたスポーツスクーター「XMAX」の2025年モデルを欧州および[…]
2018 カワサキ ニンジャ400:250と共通設計としたことでツアラーから変貌(2018年8月30日公開記事より) 2018年型でフルモデルチェンジを敢行した際、従来の650共通ではなく250共通設[…]
最新の投稿記事(全体)
振動、路面を蹴飛ばす感じ、エンジンで走らせる気持ちよさ バイクはエンジンを懐に抱えて走るような乗り物だ。単純にライダーとエンジンの距離が近いことがエンジンの存在感を大きく感じさせるだけではなく、エンジ[…]
何よりも高耐摩耗性の実現 圧倒的な耐摩耗性を誇るのが、アルミめっきシリンダーの大きな特徴である。iB井上ボーリングが、アルミめっきスリーブを作ろうと考えた最大の理由は、同社の社是でもある「減らないシリ[…]
ベテランカメラマンに「これはアートだ」と言わしめる流麗なフォルム リヤタイヤが路面を蹴り飛ばすかのような、豪快で胸の空く加速フィールはスタートダッシュだけではなく、速度レンジが上がってからもまだまだ続[…]
Screenshot 未塗装樹脂の白化 バイクのミラーや泥除け(フェンダー)、樹脂製リアボックスなどに使われている黒い未塗装樹脂部品。ここに使われている素材の多くは「ポリプロピレン」という軽くて丈夫な[…]
スイングアームにスプールを装着できれば、アドベンチャーやオフ車でもガレージREVOが使える スーパースポーツモデルやビッグバイクユーザーのみなさんからご好評をいただいているガレージREVOは、バイク置[…]