バイクでキャンプツーリング:失敗しないバーナー/クッカーの選び方&おすすめ7選

"バイクでソロキャンプ"失敗しないバーナー&クッカーの選び方

自分一人分の荷物をバイクに積んで、気の向くままに時を過ごせるソロキャンプスタイルは、他の手段では得られない格別な”自由”を堪能できるのだという。では何をどうすればその自由を手に入れられるのか? 本記事では失敗しないバーナー/クッカーの選び方について取り上げる。


●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:武田大祐

【ガイド役:谷田貝洋暁】登山/自転車/カヌーによるキャンプ歴が、バイク歴より随分長いライター。運ぶ荷物が限られる縦走登山からの反動か、バイクキャンプはとにかく大荷物。

作りたい料理によってバーナーの使い勝手が異なる

キャンプ用品の中で、バーナーやクッカーほどオーナーの個性が表れるアイテムもないだろう。というのも、バーナーには燃料の種類の違い、また縦型/横型があり、ゴトクの大きさも異なる。つまり料理のやりやすさがバーナーのタイプで違ってくるというワケだ。縦型はコンパクトだが重い調理器具は安定しにくく、ゴトクが小さければ大きな鍋を載せにくい。それぞれが一長一短。バーナーはキャンプに行ったらやりたい料理を思い浮かべながら選ぼう。

選び方その1:燃料の種類

現在主流の燃料は、使い勝手の良い液化ガス。家庭用コンロで使うCB缶(写真右)と、登山用に開発されたOD缶(写真左)の2種類に大別される。違いは缶の頑丈さと内部にかけられた圧力。OD缶は登山用として気圧の変化に強く、標高が高かったり、外気温が低いなどの悪条件下でも安定した火力が維持できるよう工夫されている。一方、CB缶は全国のコンビニやスーパーで手に入る手軽さが魅力だ。

選び方その2:縦型と横型

OD缶バーナーは缶が台座を兼ねる形状のため、ゴトクが高い位置にある縦型が多い。一方、CB缶は元々の長細い缶形状から寝かす必要があるため、ほぼゴトクが低い横型だ。ただしOD缶バーナーの一部には、分離タイプの横型モデルもある。

選び方その3:ゴトクの大きさ

載せる鍋の安定感はゴトクの大きさに比例する。つまり即席ラーメンや鍋物など、径の大きなクッカーに水を張って調理する機会が多いなら、ゴトクの大きなモデルを選んだ方がなにかと使いやすいというワケ。

クッカーは人それぞれ

オーナーの料理の好みがもろに表れるのがクッカーだ。即席麺しか食べない人、パスタが好きな人、スキレットやダッチオーブンなど鉄器を使って料理したい人などなど、キャンプを重ねると自然と得意な料理法が確立され、クッカーなどのアイテムもそれに準じて買い換えることになる。最初は“煮る/茹でる”から始めて、徐々にバリエーションを増やしていこう。

大型の鍋/OD缶がちょうどよく収まるクッカー/コーヒーメーカーなど、クッカーも色々ある。手前右のシェラカップはコップであり、皿であり、調理器具にもなる便利グッズだ。

【コーヒーメーカー】キャンプ料理の中で誰でも簡単にこだわることができるのがコーヒーだ。実際、色々なメーカーからアウトドアでコーヒーを楽しむアイテムが登場しており、ドリッパーやパーコレーターはもちろんのこと、焙煎器やコーヒーミルまで用意されている。屋外でくつろぎながらお湯を沸かし、豆を挽いて、コーヒーを淹れる。それだけで十分くつろげるものだ。

コーヒー総合メーカーのカリタも、アウトドアで本格ドリップコーヒーが楽しめる「ニューカントリー102」を販売している。

【ホットサンドメーカー】パンと具材を挟んで両面を焼くだけの簡単調理器具。焼き加減だけ間違えなければ、誰にでも美味しいホットサンドが作れるところがいい。餅を焼くこともできる。

【スキレット】言ってみれば鋳物の重いフライパンだが、この分厚い鉄に熱が溜まるため、風にさらされ温度変化の大きい屋外でも調理がしやすい。炒めものはもちろん、油煮や蒸し料理なども可能。

【ダッチオーブン】バーナーというより焚き火を使った料理になるが、ダッチオーブンがあれば煮込みはもちろん、オーブン料理も屋外で可能になる。そしてなによりすごく凝った料理をしている気分が味わえる。

おすすめバーナーカタログ

プリムス 2243バーナー[OD缶]

堅牢さと携帯性において定評のあるプリムスのロングセラーモデルで、“プリムスの2243”と言えば通じるぐらいの定番アイテム。バーナーヘッドを4分割するように配置された特徴的なゴトクは、風による立ち消えを防止のため形状である。

【プリムス 2243バーナー】●出力:4.2kW/3600kcal/h(T型ガス使用時) ●ガス消費量:250g/h ●収納サイズ:10.7×10.7×5.9cm ●重さ:253g ●価格:8800円[イワタニ プリムス

点火装置に大きめのゴトクを装備でこの携帯性。初めてのバーナーとしてとてもバランスがいい。

EPI レボ3700ストーブ[OD缶]

111gという軽さ、手のひらに収まる収納サイズなど、登山用としてさまざまな技術が注ぎ込まれた同社のフラッグシップモデル。ガスの吹き出し口に採用する繊維状のシンタードファイバーポーラスメタルは、耐風性にも優れる素材だ。

【EPI レボ3700ストーブ】●出力: 3700kcal(230Rカートリッジ使用時) ●ガス消費量: 308g/h ●収納サイズ: 8.9 ×5.2×5.4cm ●重さ:111g ●価格:1万2100円[ユニバーサルトレーディング

コールマン アウトランダーマイクロストーブPZ[OD缶]

5000円を切る手頃な価格が魅力の縦型バーナー。火力は登山用のハイスペックモデルほどではないが、OD缶2500カロリーを確保するなど、価格/性能/軽さにおいて非常にバランスのいいモデル。収納のためのプラスチックケースが付属。

【コールマン アウトランダーマイクロストーブPZ】●出力:約2,500kcal/h(レギュラーガス使用時) ●ガス消費量:約1~2時間(230g缶使用時) ●収納サイズ:約10×5.5×9.5cm ●重さ:200g ●価格:6380円[コールマンジャパン]https://ec.coleman.co.jp

モンベル ジェットボイルフラッシュ[OD缶]

すべてのパーツをクッカー本体内に収納して持ち運びできるオールインワン設計のジェットボイル。しかし、その最大の特徴は燃焼効率の良さだ。数値だけみると火力は弱いが、クッカー底部のひだが効率よく熱を伝導。お湯を沸かすスピードはトップクラスで、燃料消費も少ない。湯切り機構がありパスタも作りやすい。

【モンベル ジェットボイルフラッシュ】●出力:2.269kcal/h(ジェットパワー100G使用時) ●ガス消費量:約139g/h ●収納サイズ:φ10.4×18cm ●重さ:433g ●価格:1万8480円[モンベル

EPI APSA-IIIストーブ[OD缶]

岩場など縦型のOD缶バーナーが苦手とする場所でも、3点支持でしっかり安定させられる分離型のバーナー。カートリッジとバーナーヘッドが離れることで、ゴトクも大型化(2段階調整)でき大きな鍋でも安定して載せることができる。

【EPI APSA-IIIストーブ】●出力:3360kcal(230Rカートリッジ使用時) ●ガス消費量:280g/h ●収納サイズ:18×9.6×10.4cm ●重さ:425g ●価格:1万5950円[ユニバーサルトレーディング

スノーピーク ホーム&キャンプバーナー[CB缶]

“外で大鍋を囲みたい”そんな欲望を満たしてくれる大型ゴトクを備えたCB缶バーナー。組み立ててしまえば使い勝手はほぼ家庭用カセットコンロと同じなので、初めてでも使いやすい。ゴトクは大きめで鍋底の径が14~30cmのサイズに対応している。

【スノーピーク ホーム&キャンプバーナー】●出力:2.4kw/2100kcal/h(ギガパワーガスCBブタン使用時) ●ガス消費量:178g/h ●収納サイズ:9×12×25.5cm ●重さ:1400g ●価格:1万3750円[スノーピーク

カートリッジケースにバーナー&ゴトク部分を回転収納。変形ギミックが男子にはたまらない。

ソト レギュレーターストーブST-310[CB缶]

マイクロレギュレーターを搭載したことで、火力が弱いというカートリッジボンベ(CB缶)バーナーの常識を覆したソトのレギュレーターストーブ。低温時や連続使用による気化熱冷却にも強く、もはやCB缶バーナー定番品となった感がある。

【ソト レギュレーターストーブST-310】●出力:2.9kW/2500kcal/h ●ガス消費量:120g/h ●収納サイズ:14×7×11cm ●重さ:330g[新富士バーナー

重さは330gで収納サイズは14×7×11cmとコンパクト。溶岩石プレートやスモーカーセットなどのオプションも豊富だ。

※本記事は2021年7月に公開されたものを再編集しています。※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。