
3月17~19日に開催された大阪モーターサイクルショーで、国内向けのYZF-R125/R15、MT125、SXR125が初披露された。4車のカラーリングやライポジ&足着きなど詳細に関する現地情報をお届けしよう。
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:藤村のぞみ ●外部リンク:ヤマハ
ヤマハの小排気量スポーツが一挙充実、反撃の狼煙はここから
155cc以下にスクーターしかなかったヤマハのラインナップに、待望のスポーツモデルが4車も追加されることになった。
ネオクラシックのXSR125、スーパースポーツのYZF-R125/R15、ストリートファイターのMT125とジャンルは異なるものの、4車とも基本的にエンジン&シャーシとも同じプラットフォームを採用。可変バルブのVVAを搭載したSOHC4バルブ水冷シングルをスチール製デルタボックスフレームに積む。
特にXSR125とYZF-R125の兄弟モデルであるSXR155およびYZF-R15は、ショップなどが並行輸入車として販売し、人気を博していた。現地スタッフによると、ヤマハに「国内登場」を望む声が多く寄せられ、ついに需要に応えた形という。
XSR125は、先代XSR900をオマージュしたレトロスポーツ。丸1眼液晶メーターや真円LEDヘッドライトなど各部に円のモチーフを持つ。欧州版にはスポークホイールモデルも存在する。
ヤマハ自慢のスーパースポーツYZF-R系の末弟がYZF-R125。同R7に似たモノアイヘッドライトが特徴的だ。海外版はトラクションコントロールを搭載する。※写真はアクセサリー装着車
YZF-R15は、R125の排気量を155ccにアップし、高速道路もOK。海外に存在する上級版YZF-R15Mでは、アクセルを開けたままクラッチを使わずにシフトアップできるクイックシフターを標準装備する。
ヤマハを代表するストリートファイターのMTシリーズ。その末弟がMT-125で、MT-25を彷彿とさせるモノアイ+ツリ目ポジション灯やエアスクープ風カバーが特徴だ。
国内仕様の詳細は未確定だが、モノクロ液晶などアジア仕様に準じる?
気になるのは、国内仕様の詳細だ。
YZF-R125/R15、MT125の欧州版は3車ともスマホ連動に対応したカラー液晶メーターを採用するが、インドネシア向けなどのアジアで販売されるYZF-R15やMT15ではモノクロ液晶+スマホ非対応。YZF系はクイックシフターをオプションで用意し、R15の上級版には標準装備されている。
また、欧州版YZF-RとMTには、トラクションコントロールが搭載され、足まわりはφ41mm倒立フォーク+4ポットラジアルマウントキャリパー+φ292mmディスクで武装。
一方、アジア仕様はYZF-Rのみトラコンを装備。全車ともφ37mm倒立に一般的なアキシャルマウント2ポットキャリパー+282mmディスクにグレードダウンされている。
こうした仕向け地による違いが、国内仕様ではどうなるのか……? 現地スタッフによると「今回の展示車両は試作車。また“市販が決定した”という意思表示の部分が強く、仕様は未確定です。今後生産を立ち上げていく中で仕様変更される可能性があります」という。
なお、YZF-R125/R15、MT125の展示車は、アジア向けと同様のφ37mm倒立+アキシャルマウント2ポット。メーターに関しては全車ともモノクロ液晶だった。
大阪MCショーの展示車は、アジア向けの仕様と同様にモノクロ液晶メーターを採用(写真はYZF-R125/R15)。スマホも非対応だ。国内仕様の詳細は未確定とのことだが、こうなる可能性が高い?
各車ともφ37mm倒立フォークとBYBRE製2ポットキャリパー+282mmディスクを採用。アジア版MT-15らと同様の足まわりだ。その分、低価格が期待できるかも。
YZF-R系は各1色、XSRとMTは各2色以上、確定カラーが明らかに
一方、カラーリングに関しては「今回展示されたカラーは市販予定」という。さらにカラーが追加される可能性はあるという。
オプションに関しても会場に展示されたパーツは市販確定という。中でも注目はクイックシフター。YZF-R125のオプションとして明記されており、登場確定だ。125クラスでのクイックシフターは世界的にもレアで、国内4メーカーの日本仕様では唯一となる。
気になる価格は未定ながら、「近頃125クラスの値段上がってきていますが、エントリーユーザー向けのモデルとしてハードルを下げたい」と語っていた。
発売時期も不明だが、矢継ぎ早に市販され、全車が揃うのは「そう遠くない将来」と予想したい。
なおヤマハのスタッフによると、新スモール4車の反響は凄まじいとのこと。中でもXSRのPV数が高く、ユーザーからの注目度を実感しているという。
今後は同社125スペシャルサイトで情報を追加していくという。
XSR125は水色と赤の2色が登場。欧州版XSR125とは異なり、インドネシアのXSR155に近いカラーだ。※赤はアクセサリー装着車
YZF-R125はブラック、YZF-R15はツヤ消し青×黒(写真)の国内市販化が確定。
インドやインドネシアで展開されているYZF-R15には、モトGPカラー(写真)のほか、YZF-R1M風の銀も用意されている。コッチもお願いしたい。
MT125には、上級モデルと同様にホイールがシアンのグレー、YZF-R系をイメージさせるブルーの2色が登場。
最も足着きが優秀なのはMT、R125はかなりレーシーな本格派
ここからは各車のライポジと足着き性をチェックしよう。シート高が最も低く、足着き性が良好なのはMT-125。ほぼ同様の足着き性と安楽なポジションを持つのがXSR125だ。YZF-R125はスポーツモデルらしい前傾姿勢で、ステップもバック気味。さらに腰高という本格的に走りに応える設定だ。
なおスペックは未公表なので、欧州仕様を参考にしている。
XSR125
YZF-R125
MT-125
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
これぞヤマハのヘリテイジ=未来に残すべき遺産を有効活用したカスタム! ヤマハが大阪モーターサイクルショーに展示したXSR900カスタムが多くの来場者の目を引いている。スタンダードの黒にビキニカウルを組[…]
ヤマハが本気になった! グローバルモデルの小排気量スポーツバイクが日本へ上陸 ヤマハは、「第39回 大阪モーターサイクルショー2023」、「第50回 東京モーターサイクルショー」、「第2回 名古屋モー[…]
日本仕様の正式導入も期待したい軽二輪スポーツヘリテイジ! ヤマハモーターインドネシアは、MT-15とベースを共有するスポーツヘリテイジモデル「XSR155」の2023年モデルを発表した。ニューカラー×[…]
モノアイの“バイファンクショナル”LEDヘッドライトを採用 ヤマハは欧州で新型「R125」を発表。欧州では昨年あたりから『YZF』を省略した車名に統一され、R1、R7、R3、R125のようになっている[…]
日本でも人気の原付二種クラス、欧州だけじゃなくこっちもプリーズ! 維持費が安くて、そこそこ走り、手軽で便利な原付二種(51-125cc)クラスは、欧州でも入門クラスにあたり、最近ではホンダがダックス1[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
ホンダのVFやNRの影もカタチもない1977年の東京モーターショーにYZR1000デビュー! 1977年の第22回東京モーターショーのヤマハ・ブースに、白に赤ストライプのワークスマシンカラーの謎のマシ[…]
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
最新の関連記事(新型原付二種 [51〜125cc])
利便性そのままにさらにスタイリッシュに 2025年モデルが発売されたのは、2025年2月6日のこと。おもな変更点は外観デザインで、前まわりでは新形状のヘッドライトの採用やメーターの装飾変更、シルバーの[…]
イエローボディにブラックのロゴ&エンブレム! ヤマハは、水冷124ccのブルーコアエンジンを搭載した原付二種スクーター「CYGNUS GRYPHUS(シグナス グリファス)」にニューカラーのイエロー([…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
ダックス125[45万1000円] vs モンキー125[45万1000円]はどう違う? ホンダの原付二種リバイバルシリーズは、先駆けとなったモンキー125に続きスーパーカブC125、CT125ハンタ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
シュアラスター製品で洗車しよう! 春の祭りと言えば…ヤマ◯キ春のパン祭りが有名ですが、 シュアラスターも祭りを開催しております。 その名も「春の洗車まつり」! キャンペーン概 応募期間:2025年3月[…]
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
- 1
- 2