
’22年10月26日、二輪専門誌や一般誌といったメディアも参加して「第3回自工会二輪車委員会メディアミーティング」が開催された。現在のバイクブームを第12世代と定義するなど分析報告が行われる一方で、現状の大きな課題のひとつとして駐車課題が大きく取り上げられたので紹介する。まずは、現状認識から見ていこう。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)
駐車場が整備されればバイク人口が増える?
駐車課題について、一般社団法人日本自動車工業会から「2021年度二輪車市場動向調査」の結果について説明があった。新車を購入したユーザーへの質問「バイクに乗っている時の気になる点は?」の回答として、「外出先での駐車に困る」と答えた人が6番目に多かった。
また、「解決されたら(バイクの)乗車機会が増えることは?」でも回答数が多かった。つまり、外出先でスムーズに駐車できるようになれば、もっとバイクに乗る人が増える。言い換えれば、駐車場さえ整備されていれば、バイクに乗りたい、バイクで移動したいという人がまだまだいるということだ。
【二輪車使用時の課題】この質問は二輪車市場動向調査で毎回聞かれているもので、天候や四輪車との関係などに次いで「外出先での駐車に困る」も高止まりしている回答のひとつだ。ライダーの増加も減少も駐車環境の改善にかかっている。 [写真タップで拡大]
住環境で認識に差がある? 大都市ほど停める場所に困っている
次に、「駐車で困った経験」の有無については、全体の24%が経験するなか、地域で見ると東京23区内が51%と最も多いことがわかった。また、政令指定都市(人口50万人以上)についても首都圏と近畿圏でそれぞれ38%となっており、大都市ほど課題が大きいことがわかる。
逆に、それ以外の地域の政規模の市町村での回答者数は計3741人にもなるが、駐車で困った経験を持つ人は22%以下であり、大都市部でバイクに乗る人とそれ以外で乗る人とでは、駐車課題における当事者意識、問題認識に倍以上の開きがある可能性がある。
原付二種以上の駐輪場所が課題
なお、バイクのタイプ別に見ると、原付二種、軽二輪、小型二輪が多いことがわかった。原付二種は、原付一種に変わる生活の足として選ばれるようになっているが、駅前の自転車等駐車場の多くは原付一種までしか停められないことが多い。
見た目やサイズは原付一種とさほど変わらないにもかかわらず、法令・条令上は軽二輪以上と同じ駐車環境となっており、利用実態に即していないというのが現状だ。条例改正により原付二種も受け入れるようになったり、小型二輪まで制限なしに受け入れる自治体も出てきてはいるが、まだまだ圧倒的に足りていないのだ。
※掲載の各図表は、日本自動車工業会二輪車委員会からの配布資料より一部加工して引用 ※二輪車市場動向調査…●手法/国産二輪は郵送調査、海外二輪はWEB調査●地域/全国●サンプル数/4,897名●対象/新車購入者(国産二輪は’20年6月~’21年5月、海外二輪は’18年6月~’21年5月)、抽出方法は調査応諾者(国産)、WEB調査モニター(海外)から割当て●期間/’21年9月3日~10月6日、2年に1回実施 ※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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