![[’84-]ホンダ VF1000R:V4の頂点モデルは公道無敵!【青春名車オールスターズ】](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
かつてバイク乗りたちのロマンをかき立てた「最速」の2文字。メーカーは威信をかけ、ライダーはプライドをかけてこの戦いに挑んだ。未知の速度域を手中に収めるため、新たな技術が次々に開発された時代である。本記事では、ホンダが誇る水冷V4エンジンを搭載し、実測最高速度246km/hを達成したVF1000Rを取り上げる。※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 V4こそが最速 実測最高速度は246km/h【ホンダ VF1000R】
- 2 ホンダ VF1000Rの系譜
- 3 ホンダ VF1000R 兄弟モデル
- 4 ホンダ VF1000R ライバル機
- 5 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
- 6 「限定車“R”は可変排気バルブEXUP初搭載」1986ヤマハFZR400:FZ400Rの発展進化形【ニッポン旧車列伝】
- 7 「GSX-Rエンジン搭載の派生車」1989スズキ バンディット400:GSX-R250R譲りの250も【ニッポン旧車列伝】
- 8 「ワークスマシンは初代TT-F3チャンプ」1984ヤマハFZ400R:XJ400Z系水冷直4を改良【ニッポン旧車列伝】
- 9 「超ショートストローク250cc直4」1987スズキGSX-R250:過激さマシマシのR250Rも【ニッポン旧車列伝】
- 10 「あえてのダブルクレードル! 」1990スズキGSX-R400R:1990年代も続く快進撃【ニッポン旧車列伝】
- 11 「ウマい奴しか乗れない」1984スズキGSX-R:4ストレプリカ時代の口火を切った金字塔【ニッポン旧車列伝】
- 12 「CBRはここから始まった」1983ホンダCBR400F:最後のホンダ空冷スポーツ【ニッポン旧車列伝】
- 13 「異名は“ジャジャ馬”」1988スズキRGV250Γ:国内ラストの2ストレプリカ【ニッポン旧車列伝】
- 14 人気記事ランキング(全体)
- 15 最新の記事
V4こそが最速 実測最高速度は246km/h【ホンダ VF1000R】
ホンダが開拓したビッグバイク市場は’70年代から激戦区となり、各社が威信をかけて高度な技術を投入。そんな中、ホンダは他社が追随できない一歩進んだ次世代機種の開発に着手。これが実を結んだのが水冷V4である。
同社はすでにV4エンジンのGPレーサー NR500を開発しており、その技術が市販車に活かされた。V4エンジンは幅が狭いため車体をコンパクトにでき、より深いバンク角が得られ、高出力化にも有利と良いことずくめだが、未知の技術であるがゆえ、これを市販化するのは決して容易な道のりではなかった。
【’84 HONDA VF1000R】■水冷4ストV型4気筒 DOHC4バルブ 998cc 130ps/10500rpm 9.4kg-m/8000rpm ■236kg(乾) ■タイヤF=120/80-16 R=140/80-17 ※輸出モデル
ともあれ、V4第1号車は’82年に完成。4月にVF750セイバーとマグナが発売された。ただし本命はこの年12月に発売されたVF750F。エンジンだけでなく、車体も角パイプフレームやフロント16インチホイールを採用するなど先進的だった。
自社を含めてそれまでの空冷直4とは一線を画す動力性能を発揮し、AMAや鈴鹿8耐でもその実力を見せつけた。サーキットでの活躍もあって、高性能イメージで販売台数もうなぎ登り。もちろん他社にはV4のスポーツ車がなく、まさにホンダの独走状態と言えた。
他社がV4を市販せず、直4にこだわったのにも理由があった。工業製品あるいは道具として優秀であっても、人間の感性に訴える部分となるとV4は必ずしも受けが良くなかったのだ。フラットな出力特性や独特の低い排気音は快感を刺激しにくい。バイクを趣味の乗り物として捉えた場合、この事実は無視できなかった。事実、ホンダもRC30などの傑作V4を生む一方、並行して直4の開発も続けていた。
ホンダ VF1000Rの系譜
’84 ホンダ VF1000R
【’84 HONDA VF1000R】発売年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられたため、レースで活躍する機会を喪失。実力に見合う戦績は残せなかった。
’85 ホンダ VF1000R
【’85 HONDA VF1000R】色変更程度に見えるが、エンジン/フレーム/外装など、共通部品の方が少ないほど全身を改良。
’86 ホンダ VF1000R
’82年のデイトナでフレディ・スペンサーが2位を獲得したRS1000RWの公道版モデル。エンジンはレーシングテクノロジーをフィードバックしたカムギアトレーンV4、車体もフローティングディスク、クイックリリース式アクスルホルダーなどレーサー並みのハイメカを備える。ライバルより3割以上高価で、CB1100Rに代わる当時のステイタスシンボルだった。
【’86 HONDA VF1000R】F・スペンサーの’85年ダブルタイトル獲得記念の限定ロスマンズ仕様を設定。
初期型VF1000Rのカタログ。仕向け地の法規により、ヘッドライトは1灯と2灯の両仕様が用意されていた。
ホンダ VF1000R 兄弟モデル
’84 ホンダ VF1000F
【’84 HONDA VF1000F】日本ではVF750Fが旗艦だったが、海外では1000Fが当初の最高峰。バルブ駆動はカムチェーン式で、750似のハーフカウルを装着。Fホイールは16インチ。
’84 ホンダ VF1000F
【’85 HONDA VF1000F II】フルカウルを装備したツアラー仕様で、ペットネームは伝統のBOLD’OR。前輪は安定指向の18インチ。
ホンダ VF1000R ライバル機
’84 ヤマハ FJ1100:ヤマハ渾身のハイスピードツアラー
世界最速を目指して開発されたヤマハ初の大排気量スポーツ。ゼロヨンは10秒681で世界1位、最高速度は233.82km/hで世界2位に輝いた。’86年にFJ1200(130ps)へ発展し、‘91年に国内投入(97ps)。国産車初のABS仕様もラインナップされた。
【’84 YAMAHA FJ1100】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 1097cc 125ps/9000rpm 10.5kg-m/8000rpm ■車重227㎏(乾) ■タイヤF=120/80-16 R=150/80-16
最速といってもGT寄りのキャラクターがFJの特徴。荷物満載でタンデムツーリングを楽しむオーナーが多かった。
’84 スズキ GSX1100EF:カタナの跡を継ぐ最速
カタナ(GSX1100S)のエンジンを4mmボアアップして排気量を1074→1135ccに拡大。VF1000RやFJ1100と世界最速を競い合った。ここからハイスピードツアラーというカテゴリーが確立。RF900Rの誕生につながっていった。
【’84 SUZUKI GSX1100EF】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 1135cc 114ps/8700rpm 10kg-m/6500rpm ■車重238㎏(乾) ■タイヤF=110/90-16 R=130/90-17
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[連載]青春名車オールスターズに関連する記事
人気記事ランキング(全体)
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
最新の記事
- オフロードバイク初心者も大歓迎! 爆破走行も楽しめる「エンジョイライドinケゴン2025」参加ガイド
- 「限定車“R”は可変排気バルブEXUP初搭載」1986ヤマハFZR400:FZ400Rの発展進化形【ニッポン旧車列伝】
- 原付二種の電動バイクは実用的!? メリット/デメリット/航続距離/おすすめ車種を徹底解説【2025年8月最新版】
- カワサキ「Ninja」ファミリーの2026年モデルが登場! 新ライムのグラフィックにダーク系のニューカラーも【欧州】
- GP125/250/500 全クラスで勝利したカダローラ レプリカ再臨! アライ「RX-7X CADALORA RESTYLE」9月中旬発売
- 1
- 2