
CB750フォアを尖兵に、ホンダ/ヤマハ/スズキ/カワサキの日本4大メーカーが世界の頂点に君臨する時代が幕を開ける。大排気量空冷マルチエンジンを搭載した公道の王者たち、その有志をご覧いただこう。本記事では、スズキ初のリッターマシンであり、現代のGSXシリーズに連なる名車 GS1000/Sを紹介する。 ※本記事はヤングマシン特別号 青春単車大図鑑からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部
- 1 鈴鹿8耐第1回大会で優勝【スズキ GS1100】
- 2 スズキ党の憧れだった、元祖クーリーレプリカ【スズキ GS1000S】
- 3 スズキ GS1000/Sの兄弟モデル
- 4 スズキ GS1100/Sの系譜
- 5 [連載]青春名車オールスターズに関連する記事
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- 9 「2スト最強の500レプリカ」1985スズキRG500Γ(ガンマ):炸裂パワーのスクエア4【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 10 「究極のレーサーレプリカ!」1984ヤマハRZV500R:気分はケニーのYZRだった【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 11 「唯一のタンデムツイン(前後2気筒)」栄光のチャンピオンレプリカも:1984カワサキKR250/S【あの素晴らしい名車をもう一度】
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- 13 「カウル&セパハンの先駆け! 」2ストレーサーレプリカの代名詞:1983スズキRG250Γ(ガンマ)【あの素晴らしい名車をもう一度】
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鈴鹿8耐第1回大会で優勝【スズキ GS1100】
’68年のT500、続く’71年のGT750とそれまで2ストを積極的に開発してきたスズキ。だが、米国の排ガス規制法(マスキー法)の成立やオイルショックなどが重なり、排ガス対策と燃費の両面から2ストは不利と見て、新たに4ストエンジンの開発を急いだ。
4ストのGSシリーズは結果的に2気筒の400/4気筒の550/同じく4気筒の750の3本立てで登場した。これらはすでに発売されていた他社製品を徹底的に研究し、テストを繰り返した末に誕生したラインナップ。
全車の空冷DOHC2バルブエンジンには目新しい機構こそ見られなかったものの、重要な点は他社製品を超えたその完成度にある。すでに世界有数のチューナーであったヨシムラをして「過剰品質」と言わしめ、4ストでは最後発だったスズキが一気に他の3社と肩を並べたのは賞賛に値する。また、乾燥重量もGS750で223kgと比較的軽量であった。
エンジンの耐久性や出力、優れた車体性能も合わせ持つGS750だが、加速性能では排気量の大きなZ1にかなわないとの声も。そこでスズキは「750並みの重量で排気量はリッタークラス」というマシンを計画。それがGS1000だった。
【’78 SUZUKI GS1000】■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 997cc 86ps/8250rpm 8.2kg-m/6500rpm ■234kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.50-17 ※輸出モデル
ヨシムラ-スズキ連合の旗印 レースでの活躍
単に肩を並べるにはとどまらず、スズキとヨシムラはタッグを組んでGS750改944ccでAMAスーパーバイクに’77年秋から参戦、見事に初陣を飾った。さらに’78年型として投入されたGS1000はシリーズ決定版とも言え、ヨシムラ-スズキ連合はこの年のデイトナ、続く第1回鈴鹿8耐でホンダを退けて優勝するなど快進撃を続けた。スズキはその後GSX、GSX-Rといったニューモデルを次々に生み出すが、ヨシムラとのパートナーシップはいまも変わらず、成果を上げ続けている。36年に及ぶ友好関係のすべては、このGSから始まったのだ。
鈴鹿8耐の記念すべき第1回大会(’78年)および第3回大会(’80年)の優勝マシンこそGS1000だった。G・クロスビーとW・クーリーの活躍がヨシムラチームを勝利に導いたのである。
【YOSHIMURA GS1000 REPLICA】上記鈴鹿8耐のレプリカモデル。耐久カウル姿のGS1000に憧れを抱いたライダーも多かったはずだ。
スズキ党の憧れだった、元祖クーリーレプリカ【スズキ GS1000S】
AMAスーパーバイクレースのほか耐久レースでもヨシムラが大活躍。スズキのエースライダーだったウエス・クーリーの活躍もあり、専用ビキニカウルと青×白のワークスカラーを身にまとったモデルが「クーリーレプリカ」と呼ばれるようになった。
【’79 SUZUKI GS1000S】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 1062cc 90ps/8000rpm 8.5kg-m/6500rpm ■車重238kg(乾) ■タイヤF=3.50-19 R=4.50-18 ※輸出モデル
ヨシムラの創始者にして、伝説のチューナー 吉村秀雄氏。彼が手がけたGSは、AMAや鈴鹿8耐で快進撃を見せた。
スズキ GS1000/Sの兄弟モデル
’76 SUZUKI GS750【レースで活躍、白バイにもなった秀作】
GS1000よりも約1年早く登場、GSシリーズ当初のトップモデル。スタイリングや動力性能に突出した部分は見られないが、トータルバランスの高さや車体の軽さ、耐久性は優秀だった。
【’76 SUZUKI GS750】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 DOHC2バルブ 748cc 68ps/8500rpm 6.0kg-m/7000rpm 車重238kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ●価格:48万5000円
’80 SUZUKI GSX750E【ハイメカ採用の赤ベコ&黒ベコに進化】
750カタナのベース車。TSCC方式の多球型燃焼室を採用し、出力を向上。Fフォークにはアンチダイブ機構も装備する。外観からベコ(牛)の愛称も。
【’80 SUZUKI GSX750E】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 747cc 69ps/8500rpm 6.2kg-m/7000rpm 車重229.3kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=4.00-18 ●価格:52万円
’77 SUZUKI GS550【750より27kgも軽量だった】
シリーズ中の中堅機種。リヤはドラムブレーキだが、軽量な車体とクラス唯一の6速ミッションで高い運動性能を実現した。ギヤポジションインジケーター付き。
【’77 SUZUKI GS550】主要諸元■空冷4スト並列4気筒 DOHC4バルブ 549cc 51ps/9000rpm 4.2kg-m/7500rpm ■車重196kg(乾) ■タイヤF=3.25-19 R=3.75-18 ●価格:41万9000円
スズキ GS1100/Sの系譜
’79 スズキ GS1000[E]
【’79 SUZUKI GS1000[E]】初期型のマイナーチェンジモデル。グラフィック変更のほか、穴あきディクスクローターやグラブバーを採用していた。
’80 スズキ GSX1100[E]
【’80 SUZUKI GSX1100[E]】新開発のDOHC4バルブで100psオーバーを達成。ヘッドライトや燃料タンクなどに角ばったデザインを与え、フォルムにも新機軸を打ち出した。
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