タイホンダは、「オールニュー」とするスーパーカブ110の新型を2020年9月に発表。外観はさほど変わりなかったものの、なんと新型エンジンを搭載していた。そして今回は、2022年モデルとしてニューカラーを投入。そこで気になるのは従来型エンジンのままの日本仕様だが……。
63.1mmのロングストロークは、ホンダ原付二種の基準になりつつある!?
タイホンダがスーパーカブ110の新型を発表したのは2020年9月。すでに1年以上が経過しているが、この当時「オールニュー」と銘打って登場した新型は、スマートエンジンと名付けられた109.5ccのロングストローク[47.0×63.1mm]横型4ストローク単気筒を搭載している。
当時の記事では「今後、このエンジンがスーパーカブ系の方向性を決めていくのでは」と解説したが、その後まさしく同じ63.1mm(ボアは50.0mmに拡大)を採用した125ccのグロム、モンキー125、スーパーカブC125が登場し、さらにはスクーターのディオ110までもが63.1mm(ボア47.0mm)を採用してきている。
これらは5速/4速ミッションだったりスクーターの無段変速だったりといった違いはあるが、一定数の部品を共用することでコスト削減を図っていると想像できる。
とはいうものの、日本仕様のスーパーカブ110だけは従来型[50.0×55.6mm]のエンジンを引き続き採用しており、なかなかモデルチェンジする様子を見せないでいた。しかし、すでに2021年10月1日より継続生産車もABSが義務化(原付二種はCBSでも可)されており、これに合わせてのモデルチェンジは必至の状況。そんな中、タイで2022年型スーパーカブ110が発表されたわけだ。
気になるのは、日本仕様のスーパーカブ110/クロスカブ110がモデルチェンジする際に、このタイ仕様の新型を踏襲するのかどうか。
タイ仕様スーパーカブ110は前後ドラムブレーキを採用しており、CBSも装備していない。となれば、少なくともブレーキまわりだけは日本独自の仕様になるはずだ。リヤブレーキ操作にフットペダルを用いるスーパーカブの構造からすれば、複雑なロッド&ワイヤーの取りまわしでCBS(前後連動ブレーキ)を実現するよりも、ABSはフロントのみ作動すればOKという原付二種のルールを利用して、前後またはフロントのみをディスクブレーキ化したほうが話はシンプルなのではないか、というのがヤングマシンの見立てである。
ちなみにこのタイ仕様スーパーカブ110、車体まわりでは前後シートがつながった“ビッグシート”が印象的。前後に長く、クロームメッキを施されたグラブバーも実用性が高そうだ。前後サスペンションは乗り心地と走破性を高めるためロングストローク化がなされたほか、タイ仕様の従来型比では3kgの軽量化を果たしている。
メーターはアナログと組み合わせたLCDデジタルマルチメーターを採用。ギヤポジションインジケーター、燃料残量計、燃費、時計、オド、トリップなどを表示可能だ。
タイ仕様の2022年モデルは、従来の47400バーツから47700バーツ(日本円換算約16万4000円)へとわずかに値上がり。日本仕様の新型登場も2022年中で間違いなさそうだが、その発表時期がどうなるのかについては、クロスカブ110とあわせて引き続き情報を収集していきたい。
HONDA SUPER CUB 110[2022 Thai model]
主要諸元■全長1876 全幅698 全高1042 軸距1224 シート高744(各mm) 車重98kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 109.5cc 出力未発表 変速機4段 燃料タンク容量4.2L■タイヤサイズF=70/90-17 R=80/90-17 ●価格4万7700バーツ(約16万4000円@2022年1月7日時点) ※スペック&価格はすべてタイ仕様
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