愛すべきヤマハの象徴・SRの43年を振り返る#4〈全型式全色図鑑’00s〉

’78年から同じ姿のまま進化と熟成を重ねたヤマハSRの、時代に合わせ“変わらないために変わり続けた”歴史。比類なきロングセラーの43年に渡る歩みと色彩を振り返る。’78デビューから’90年代末までに引き続き、本記事では’00年代のモデル変遷を辿る。


●文:伊藤康司 ●写真:YM Archives

〈’00年2月〉SR400[3HTB]

ドラムブレーキの最終モデル。’99年のブラックゴールドは継続し、ダークパープリッシュレッドカクテル3が廃止され、写真のグロリアスマキシブラウンが追加された。

【’00 YAMAHA SR400[3HTB]】●価格:42万5000円 ※写真の車体色はグロリアスマキシブラウン

〈’01年3月〉SR400[3HTC]:ディスクブレーキ化で走りを一新

フロントブレーキを再びディスク化。ただし初代モデルとは異なり、フロントフォーク右に配置し、多孔式ディスクに2ピストンのピンスライドキャリパーを装備(ホイールのハブやスポークも異なる)。合わせて前後サスペンションのセッティングも変更して、走りの精度を高めた。またキャブレターをレスポンスに優れるBSR33に変更し、排出ガス規制に対応してエアインダクションシステムを装備。プラグの点火方式も見直した。

【’01 YAMAHA SR400[3HTC]】■全長2085 全幅735 全高1080 軸距1410 シート高790(各mm) 車重153kg(乾) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 399cc 27ps/7000rpm 3kg-m/6500rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=3.50-18/R=4.00-18●価格:45万円 ※写真の車体色はニューブラックブルー

’01年モデルのカラーバリエーション・ベリーダークグリーンメタリック1。初めて同型で3色をラインナップした。伝統的なツートーンは一見するとブラックだが、深みのあるグリーンのメタリックだ。

’01年モデルのカラーバリエーション・シルバー3。歴代SRで初めての、グラフィックやストライプがまったく入らない完全なソリッドカラーで、クールなイメージを強調。

〈’02年4月〉SR400[3HTD]

カラー変更。シルバー3はピンストライプが入り、歴代SRで初めてマットブラックのエンジンを採用。’01年のニューブラックブルーとベリーダークグリーンメタリック1は継続。

【’02 YAMAHA SR400[3HTD]】●価格:45万円 ※写真の車体色はシルバー3

〈’03年3月〉SR400[3HTF]

キャブにスロットルポジションセンサーを装備し、マフラーの内部変更で騒音規制に対応。イモビライザーを標準装備。サムソンブルーが新色で、’02年のシルバーとブラックが継続。

【’03 YAMAHA SR400[3HTF]】●価格:46万円 ※写真の車体色はサムソンブルー

〈’03年4月〉SR400 25thアニバーサリーリミテッドエディション[3HTH]

誕生から25年を記念した500台限定モデル。タンクは伝統のサンバーストで真鍮製の音叉マークが奢られ、左右エンジンカバー類は8工程ものバフがけを施す。カウルレスのシートはタックロールのツートーン。専用パネルのメーターに、アルミ削り出しの専用ハンドルクランプにシリアルプレートを装備するなど、26カ所にも及ぶ変更がなされた。

【’03 YAMAHA SR400 25TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION[3HTH]】●価格:55万円 ※写真の車体色はミヤビマルーン

〈’04年2月〉SR400[3HTJ]

’04年モデルはカラー変更。新色はクールで軽快感溢れるブルーイッシュホワイトカクテル1。サムソンブルーとニューブラックブルーは継続で、主要緒元に変更なし。

【’04 YAMAHA SR400[3HTJ]】●価格:46万円 ※写真の車体色はブルーイッシュホワイトカクテル1

〈’05年2月〉SR400[3HTK]

’05年モデルもカラー変更され、全3色をラインナップ。新色のヤマハブラックは、黒にピンストライプを入れたトラッドなスタイル。主要緒元に変更なし。

【’05 YAMAHA SR400[3HTK]】●価格:48万6150円(消費税5%含む) ※写真の車体色はヤマハブラック

’05年モデルのカラーバリエーション・ブルーイッシュホワイトカクテル1。ベースカラーは’04年モデルと同じだが、燃料タンクとテールカウルに入るピンストライプのカラーが変更された。

’05年モデルのカラーバリエーション・ダルレッドメタリックD。落ち着きのあるレッド系ながら、メタリック感を鮮烈に放つ。SRで初となるシルバーフレームを採用。クラシック感を高いクォリティで演出する。

〈’05年10月〉SR400 50thアニバーサリースペシャルエディション[3HTL]:SRを生んだヤマハが創立50年

’55年に日本楽器製造から独立したヤマハ発動機の50周年を記念して500台限定発売。’78年の初代SR400(ブラックゴールド)をイメージさせるカラーリングや、シート表皮も初代風のパターン。左右エンジンカバーやフロントフォークのアウターは丁寧なバフ仕上げが施され、ブレーキキャリパーも専用のブラックを装備した。

【’05 YAMAHA SR400 50TH ANNIVERSARY SPECIAL EDITION[3HTL]】●価格:54万6000円(消費税5%含む) ※写真の車体色はヤマハブラック

〈’06年3月〉SR400[3HTM]

’06年モデルに新色のベリーダークオレンジメタリック1が登場。サイドカバーのロゴがゴールドメッキに変更された。’05年のダルレッドメタリックDとヤマハブラックは継続。

【’06 YAMAHA SR400[3HTM]】●価格:48万6150円(消費税5%含む) ※写真の車体色はベリーダークオレンジメタリック1

〈’06年6月〉YSPブラックスペシャルSR400[3HTN]

全国のYSPがヤマハにオーダーした360台限定。マットブラックのフレームにフィン研ぎ出しのブラックエンジンを抱き、ホイールのリムやハブ、ハンドルバーなど徹底的にブラックにこだわった仕様。

【’06 YAMAHA YSP BLACK SPECIAL SR400[3HTN]】●価格:52万3950円(消費税5%含む) ※写真の車体色はブラックメタリックX

〈’07年1月〉SR400[3HTP]

’07年モデルはベリーダークレッドメタリック2が新色で登場。また、ミラーが角型から楕円型に変更された。’06年のベリーダークオレンジメタリック1とヤマハブラックは継続。

【’07 YAMAHA SR400[3HTP]】●価格:48万6150円(消費税5%含む) ※写真の車体色はベリーダークレッドメタリック2

〈’08年2月〉SR400[3HTP]

’08年モデルではシルバーフレームが映えるブルーメタリックCが登場。’07年のベリーダークレッドメタリック2とヤマハブラックは継続。実質的なキャブレター仕様の最終モデル。

【’08 YAMAHA SR400[3HTP]】●価格:48万6150円(消費税5%含む) ※写真の車体色はブルーメタリックC

〈’08年7月〉SR400 30thアニバーサリーリミテッドエディション[3HTS]:キャブ車最後の限定モデル

SR登場30周年を記念する500台限定車。グリーン系のぼかし塗装で、サンバースト初のダブルストライプ仕様。カウルレスのシートはタックロールのツートーンで、エンジンカバーなど各部を丁寧にバフ仕上げ。専用メーターやブラックキャリパーなどを装備。キャブレター車で最後の限定車となった。

【’08 YAMAHA SR400 30TH ANNIVERSARY LIMITED EDITION[3HTP]】●価格:60万9000円(消費税5%含む) ※写真の車体色はベリーダークグリーンメタリック1

〈’09年12月〉SR400[3HTR]:FI装備でいっそう深化

厳しさを増した平成19年度排出ガス規制に対応し、ついにFI(フューエルインジェクション)化を果たす。燃料ポンプを収めるためにサイドカバーの幅を10mm拡大したが、燃料タンクを含め既存のフォルムを守る(ただしタンクやシートは新規部品のため既存モデルと互換性なし)。マフラーも触媒内蔵の新設計。空冷単気筒エンジンはクラッチ操作力を軽減したり、キックスターターの踏力も軽くなり、FI化と合わせて始動性も大幅に向上した。

【’09 YAMAHA SR400[3HTR]】■全長2085 全幅735 全高1080 軸距1410 シート高790(各mm) 車重174kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 399cc 26ps/6500rpm 2.9kg-m/5500rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=3.50-18/R=4.00-18●価格:57万7500円(消費税5%含む) ※写真の車体色はディープレッドメタリックK

FI化した実質的な’10年モデルのカラーバリエーション・ヤマハブラック。ディープレッドメタリックKとはグラフィックが異なる。サイドカバーには新デザインの立体エンブレムを装着する。


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