
●文:伊藤康司 ●写真:YM Archives
’78年から同じ姿のまま進化と熟成を重ねたヤマハSRの、時代に合わせ“変わらないために変わり続けた”歴史。比類なきロングセラーの43年に渡る歩みと色彩を振り返る。’78デビューから’80年代末までに引き続き、本記事では’90年代のモデル変遷を辿る。
’78年から同じ姿のまま進化と熟成を重ねたヤマハSR。時代に合わせ“変わらないために変わり続けた”43年の歴史。比類なきロングセラーの歩みと色彩を振り返る。まずは’78初代〜&[…]
〈’91年11月〉SR400[3HT3]/SR500[3GW3]
多重クリアの”ミラクリエイト塗装”によって深みのある艶を実現し、シートはツートーンに。レバー/レバーホルダー/ハンドルクラウンをバフ仕上げにして質感を向上。
〈’92年9月〉SR400S[3HT4]/500S[3GW4]:東京モーターショー出展モデルをスペシャルエディションとして市販化
ヤマハの量産バイク第1号車であるYA-1(’55)をモチーフにした、マルーン&ベージュのツートーンカラーSRが’91年東京モーターサイクルショーに出展され、注目を集めた。その翌年に同カラーの限定車を400×1000台/500×100台販売。深みのあるミラクリエイト塗装を施し、ライトケースも同色。ツートーンのシートも採用。
〈’93年2月〉SR400[3HT5]/500[3GW4]
バイクの”昼間点灯”に対応し、ヘッドライトを常時昼間点灯に。バッテリーを開放型からMF型に変更し、CDIや電装系も一新。ハザードランプ/サイドスタンドの安全スイッチ/ブレード型ヒューズ/荷掛けフックなどを装備して、安全性や利便性も向上した。500はグリタリングブラックのみ。
〈’94年6月〉SR400[3HT6]/500[3GW6]
規制緩和により、シートのタンデムベルトを廃止し、速度警告灯がオプション設定となった。またフロントフォークのトップキャップに設けたエアバルブも廃止された。ACG(発電機)が改良され、’93年モデルに続いて電装系を強化した。価格や主要緒元に変更はない。
〈’95年8月〉SR400S[3HT7]:スペシャルエディションとして人気のサンバーストが再登場
人気を博した’84年のSR7周年モデルの再来といえる“サンバースト”を施した限定車(400のみ2000台)が登場。深いグリーンとブラックのぼかし塗装はすべて手作業で、熟練した職人でも1日20台しか生産できない。多重クリアのミラクリエイト塗装も施され、さらなる深い艶がプレミアム性をアップ。
〈’96年10月〉SR400[3HT8]/500[3GW7]
ステップが10cm前進し、ディスクブレーキ時代と同じ位置に。燃料タンクは口金内部の形状変更(外観は変わらず)で容量12Lに変更。この型からブレーキワイヤーの素材がステンレスに変更され、耐久性が向上した。500はグリタリングブラックのみ。
〈’98年3月〉SR400[3HT9]/500[3GW8] 20thアニバーサリー
SR誕生20周年を記念し、予約期間限定で発売。’78年の初期型を踏襲するカラーを施し、レッド系は初期型500のグラフィックを採用。購入者にキーホルダーと記念エンブレムがプレゼントされた。また同年、東京限定でオーリンズ製サスやアクロン製リム(いずれもキット)をセットしたモデルも販売された。

【’98 YAMAHA SR400[3HT9]/500[3GW8] 20TH ANNIVERSARY】●価格:42万5000円/45万5000円 ※写真の車体色はディープレッドカクテル2 [写真タップで拡大]
〈’99年3月〉SR400[3HTA]/500[GW9]
マイナーチェンジでカラー変更。’96年モデルから基本的に主要緒元に変更なし。500の最終モデル(’96年から基本的に主要緒元に変更なし)。サイドカバーに400と異なる専用エンブレムを装備した(’00年も継続販売)。

【’99 YAMAHA SR500[GW9]】500の最終モデル(’96年から基本的に主要緒元に変更なし)。サイドカバーに400と異なる専用エンブレムを装備した(’00年も継続販売)。●価格:45万5000円 ※写真の車体色はブラックゴールド(共通色) [写真タップで拡大]
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