スズキの逆輸入車として日本でも買うことができていたGSX-R750およびGSX-R600は、それぞれ2018年/2017年モデルを最後に排出ガス規制の関係などから国内導入が終了している。しかし、北米仕様は今も生き残り、2020年秋にはスズキ100周年記念カラーが登場。そして今月、2021年のニューカラーが発表された。
36年の歴史を誇るナナハン・スーパースポーツと、兄弟車のR600
1985年当時、ナナハンと呼ばれていた750ccクラスに油冷エンジン搭載のGSX-R750でレーサーレプリカの概念を持ち込んだのがスズキだった。AMAスーパーバイクをはじめとしたレースシーンでは4ストローク4気筒の排気量上限が750ccに設定されていたこともあり、これによって“ナナハン”はレースユースに直結したクラスとして隆盛を極めていく。
1992年にGSX-R750は水冷エンジンとなり、比較的短いスパンでモデルチェンジを繰り返してきた。1996年モデルではツインスパーフレームを採用し、その翌年には兄弟車としてGSX-R600も登場。ともにスーパースポーツとして支持されてきた。
情勢が一気に変わったのは2004年だ。スーパーバイク世界選手権で4気筒の排気量上限が1000ccに引き上げられ、それまでレースとは一線を画して公道でのスポーツ性を高めてきていたリッタースポーツがこぞってレースベースとしてのポテンシャルを持つようになった。これにはモトGPの4ストローク1000cc化の影響もあったほか、CBR900RRの登場に端を発したリッタークラスの充実で、ナナハンクラスはレース以外での活躍の場が減ってきていたこともあっただろう。
という具合にGSX-R750の誕生から近年までの歴史を駆け足で振り返ってみたが、他メーカーが750ccスーパースポーツをラインナップから外していくなか、最後まで生き残っているのが他ならぬGSX-R750であることは間違いない。
日本では2018年まで逆輸入車として買うこともできたが、現在は中古車として流通するのみ。しかし、排出ガス規制の関係でまだ販売が続けられる北米市場においてはGSX-R750およびGSX-R600が継続販売され、毎年のようにカラーチェンジを続けている。
最近では600ccオーバーのNinja ZX-6R(636cc)やCBR650R(648cc)が“ちょうどいいスポーツバイク”として脚光を浴びていることもあり、ナナハンスポーツ待望論が生まれてもいいはずだと思っているのは筆者だけではあるまい。実際、スズキはGSX-S750系の4気筒エンジンを搭載したGSX-S750というネイキッドの日本仕様をラインナップしているのだから。
さて、北米の2021年モデルとして発表されたGSX-R750/GSX-R600である。昨秋には先行してスズキの創業100周年を記念したカラーリングが2021年モデルとして発表されていたが、これに流行のグレーなどを追加。2020年モデルにもあったホワイト系はグラフィックが変更されている。
スペックについては、日本に最後に輸入されていたモデルから特に変更はないようで、現行オーナーも外装パーツさえ何らかの方法で入手できれば着せ替えも可能なはず。今のところ写真で眺めることしかできないのが残念だ……。
SUZUKI GSX-R750[U.S. 2021 model]
【SUZUKI GSX-R750[U.S. 2021 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重190kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 750cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●米国価格:1万2549ドル(約136万5000円) ※100周年カラーは12699ドル
SUZUKI GSX-R600[U.S. 2021 model]
【SUZUKI GSX-R600[U.S. 2021 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重187kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 599cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●米国価格:1万1449ドル(約124万5000円) ※100周年カラーは11599ドル
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