ホンダのみならず国内のネイキッドを代表するCB1300シリーズ。度重なる環境規制を前に「今度こそ適合は無理じゃないか?」という周囲のウワサを跳ね除け、’21モデルでユーロ5も乗り越えた!! 「プロジェクトBIG-1の伝統を消してはならぬ」というホンダの意地の賜物だろう。その存続の決め手となったのが”電脳化”。トラクションコントロールをはじめとした数々の電子制御機構で、ツーリング時の疲労軽減と上質かつ快適な走行性能のさらなる向上を図った。
電子制御スロットルを軸に装備充実化&快適性向上&ユーロ5をクリア!
水冷4ストDOHC直列4気筒エンジンにこだわる「プロジェクトBIG-1」としてCB1000が登場したのが’92年。その後’98年には998ccから排気量を大幅に拡大し1284cc化。CB1300シリーズは、その存在感あるボリューミーなスタイリングと重量感ある走行フィーリングでホンダネイキッドのフラッグシップとして君臨し続けてきた。
ただ年々厳しさを増す環境規制の中で、いよいよピリオドが打たれるのではないかと噂されていたが、’21年モデルで見事にユーロ5をクリアし、存続を決めたのだ。
今回の継続販売における最大の立役者は電子制御スロットル。ホンダでいうTBW(スロットルバイワイヤ)の装備だ。これにより高精度なエンジン制御が可能となり、規制対応の要件をクリア。加えてパワー/エンジンブレーキ/トラクションコントロールを組み合わせた3つのモード切り替え機能、クルーズコントロールといった先進装備もゲット。オプションではアップダウンが可能なクイックシフターなども用意された。これらはすべてTBWの恩恵だ。
また、排気系の変更などが施された水冷インラインフォアは、従来型より最大トルクが0.6kg-m減となったが、3馬力の最高出力アップを果たした。マフラー変更の恩恵もあり、車重は従来型と比べて2kg減。装備面では、急制動時にハザードランプを高速点滅させるエマージェンシーストップシグナルも搭載された。
価格はシリーズ通して従来モデルから一律5万600円のアップ。このブラッシュアップ具合でこの価格はかなりお買い得である。
しかもスタンダードを見てみれば、CB1100R(’81年)へのオマージュである赤フレーム&ゴールドケースカバーを’08年以来、久しぶりに採用。しかもこれが価格上乗せの特別仕様ではなくスタンダード設定なのだから、CBに対するホンダの気合いはやはり相当なものだ。
なお従来型同様、ネイキッドのスーパーフォア(SF)とハーフカウル等を装着するスーパーボルドール(SB)ともにSP仕様も設定。こちらは、オーリンズ社と共同開発された専用フロントフォークとリヤサスペンション、ブレンボ社製のラジアルマウント式モノブロックフロントブレーキキャリパーを専用装備する。
トラクションコントロール&クルーズコントロール標準装備
エキゾーストパイプの取り回しを変更
オーリンズ&ブレンボで固めたSP仕様
カラーバリエーションはSTD/SP各2色
CB1300SF/SBともに、STD仕様は継続色ながらフレームが赤くクランクケースカバーが金色となったパールサンビームホワイトと、新色となるベータシルバーメタリックの2タイプ。SP仕様はパールホークスアイブルーとキャンディークロモスファイアレッドで、いずれも従来同様ながら、新たに赤いシートステッチが配されている。
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