●文:ヤングマシン編集部 ●写真:Honda
ホンダは、注目の空冷ロングストローク単気筒を搭載する「GB350」およびバリエーションモデルの「GB350S」を正式発表。外観デザインは、ライダーにフィットさせた車体パッケージングによる、“ライダーの存在感”と“車両自体の存在感”のバランスと調和を追求したものだという。
キーワードは“Massive & Shaped Design”
ライダーとバイクの調和を外観デザインで表現する……そんな目標に到達するために、スタイリング、車体、エンジンの各担当者をはじめとする、各技術領域のスペシャリストたちが一体となって開発に挑んだという。
バイクの外観を後世する大きな要素は3つ。“骨格”としての役割を明確化したスリムな鋼管セミダブルクレードル式フレーム、“ボディー”としての役割を代表する表情豊かなフューエルタンク、“象徴”としての空冷直立単気筒エンジン……。これらが、外観の印象を左右する核と位置付けられた。
内側に骨格を感じさせる立体的なボディとともに、エンジンまわりなどに“空間”を設けることで、ライダーと車体の双方を際立たせるための、幅方向に奥行きを持った深い立体感が表現された。これがGB350シリーズの特徴だ。
また、車体骨格の3つのライン(ダウンチューブ、ピボットパイプ/リヤショック)を平行とし、これを対称となる角度で受けるフロントフォークを配置。さらに、ライダーが触れる車体上側と、メカニズムを主とした車体下側を分ける水平ラインを配し、安定感のあるたたずまいとした。
さらに、補機類のサイズや配置を工夫することで、シリンダー前後、前輪からヘッドパイプまわり、サイドカバー下部から後輪に抜ける“空間”を設けることで、構成部品の形状と量感を際立たせている。この“意志を持ってすっきりと空けられた明確な余白”が、GB350シリーズのたたずまいに大きく影響している。確かに余分な配線や補機類はほとんど表に出ておらず、現代のエンジンに必須のキャニスターも、言われなければ旧車のオイルキャッチタンクか何かに見えなくもない。
言わば公式スカチューン……というのは半分冗談だが、各機械構成部品が際立つつくりは、シンプルでありながら、どこか温かみのある抑揚と機能美が感じられる仕上がりだ。
GB350のデザインと主な専用仕様
燃料タンクをはじめ、前後フェンダーやサイドカバーなどの、スチールならではの深く絞られた温かみのある形状、アルミダイキャストによるクランクケースカバーや、冷却フィン端面を1枚ずつ切削加工して仕上げたシリンダーヘッドなど、主要部品を金属の豊かな表情でまとめた高品位な造りからくる、信頼感や落ち着きと抑揚が調和した外観が特徴となっている。
主な専用仕様
・クローム仕上げのマフラー
・メイン/ピリオン別体の専用ステップホルダー
・ヘッドライト、テールライトのクローム仕上げ
・スチール薄板(0.8mm)前後フェンダー
・スチール薄板(0.8mm)サイドカバー
GB350Sのデザインと主な専用仕様
燃料タンクやエンジンなどの製法や仕上げをGB350共通としながら、より現代的なイメージの灯火器、マス集中化に寄与する前後ショートフェンダー、よりワイドな17インチの後輪など、一層積極的な走りを喚起させる、軽快、ワイルドでスポーティな外観とした。
主な専用仕様
・リヤホイールを17インチ化し、150mm幅のラジアルタイヤを装着
・バンク角を増したマットブラックのマフラー
・メインステップ位置を後退させた専用ステップホルダー
・より低く遠いグリップ位置のハンドル
・増す集中化と軽量化を図った樹脂製前後ショートフェンダー
・よりコンパクトなテールランプ&ウインカー
・ライダースペースをより長く取ったワディングシート
・よりシャープな面構成としたサイドカバー
・コンパクトなアルミダイキャスト製リヤグリップ
・フォークブーツ標準装備
鉄の温かみある表情と、シンプルな各部の造形
エンジンが織りなす造形の妙については【エンジン解説】編でお届けしているので、ここでは車体まわりのデザインについて。
GB350のスタイリングとディテール
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