ユーロ5対応のロングストローク

ホンダ原付二種125/110ccモデルは新型グロムエンジンをベースに進化する?!


●文:ヤングマシン編集部 ●CG:白圡学

人々の趣味嗜好が細分化されたうえ、新型コロナ禍で先が見通せなくなった混迷の現代。そんななかで2輪メーカー各社が進めているのが、カテゴリーや排気量をまたいだ派生モデルを作ることにより様々なニーズを吸収するバリエーションモデルの展開強化だ。現行ラインナップでも明らかなこの流れからすると、今後のホンダ125/110ccモデルは、’21年3月25日に発売された新型グロムのエンジンをベースにするものと考えられる。

新型グロムエンジン:ワイドレンジなロングストローク

次期型ダックス125に搭載されるエンジンは’21グロムと同系の新ユニットで決まりだろう。ユーロ5時代のトレンドに乗ったロングストローク設計で、環境性能を満たしながら全域でのトルクアップも実現。また高回転性能も伸びている。余裕あるストローク量から将来的にはボアを拡大しての150cc化も許容範囲と見られており、逆にボアダウンでの110cc版はすでに海外で登場している。

【’21 HONDA GROM】●ボア×ストローク 50.0×63.1 ●圧縮比 10.0

【’20 HONDA GROM】●ボア×ストローク 52.4×57.9 ●圧縮比 9.3

ボア×ストロークを変更し、旧型の52.4×57.9mm→50×63.1mmへとロングストローク化。パワーカーブも全域向上!

125系エンジン:余裕を活かしてさらなるキャラクター分け?

グロムの他に現在のところ横型125ccエンジンを搭載しているのは下の3機種。いずれもまだダックスに搭載される新型エンジンではなく旧来のユーロ4準拠のものを使用しており、やがてはユーロ5対応を余儀なくされる。その際はこの新型エンジンをベースにすることにより、さらにキャラクターの違いを出すことも考えられる。

【’20 HONDA MONKEY 125】トコトコ走るのが似合うモンキーは、一方でカスタムして速くしたいユーザーもいるのでエンジンのキャラ付けは意外に難しいかも。グロムよりもややマイルドくらいの現行路線が落としどころか。●価格:40万7000円~

【’20 HONDA CT125 HUNTER CUB】悪路や山道を走破するハンターカブには急な坂道でもへこたれない粘り強くて太い低速トルク型が似合う。荷物を満載してのキャンプツーリングにも心強い。さすがに副変速機の復活までは無理か。●価格:44万円

【’20 HONDA SUPER CUB C125】C125は、街中の大人コミューターとしてマルチに使えるキャラクターが求められる。必要以上の低速トルクは発進時が荒々しくなるのでそこそこに。あくまでマイルド&ジェントルが似合っている。●価格:40万7000円

110系エンジン:ボアダウン仕様ですでに海外では実装済み

110cc系の横型エンジンを使用しているのはスーパーカブ110/PROと派生モデルのクロスカブ110。こちらも国内仕様はまだユーロ4準拠のエンジンで、’22年の10月までに新規制対応に切り替えなくてはならない。だが、心配ご無用。スーパーカブ110はタイの’21モデルに先行して新型エンジンを投入済み。やがてはこれが国内仕様にも反映されることとなる。

【’20 HONDA SUPER CUB110】タイ版’21モデルに搭載されたエンジンは、新型グロムに採用されるもののベースとなっており、125cc版より3mm小さいボアで110ccに設定。次期国内モデルにもこれが導入される模様だ。 ●価格:28万500円

【’20 HONDA CROSS CUB 110】スーパーカブの派生モデルであるクロスカブは、新型エンジンになっても共通スペックとなる線が現実的。50cc版は新規制が施行される’25年11月(50ccだけの特別延長措置)までは継続か。 ●価格:34万1000円~

ホンダ|スーパーカブ|レジャーバイク|110cc|原付二種
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【タイに’21新型を先行投入】スーパーカブを始めWAVEなど横型エンジンモデルが大人気のタイ。そのタイでは’21スーパーカブ110に新型ロングストロークエンジンをいち早く搭載済み。車体まわりは基本的に従来と同様で、フレームもほぼそのままの模様。


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