●文:モーサイ編集部・品田直人 ●写真:沖 勇吾
1980年代のZを語るとなれば、外せないのがローソンレプリカ……ではなく、このKZ1000ポリスだろう。1970年代のアメリカで製作され大ヒットしたTVドラマ「CHiPs(邦題:白バイ野郎ジョン&パンチ)」で主人公の警官が乗っていたことでおなじみだし、ごく最近まで新車が購入できたJ系エンジンの最長寿モデルなのだから。
KZ1000ポリスの乗り味:巨体が魅せる優しさ
※本記事は八重洲出版『別冊Motorcyclist2009年12月号』に掲載されていたものを再編集しています。
1978年に初代モデルが発売されてから、その姿をほとんど変えず米国のカリフォルニアハイウェイパトロールをはじめとした警察署で使用され続けた長寿モデルKZ1000ポリス。
初期のCタイプと呼ばれる1978〜1981年モデルまでKZ1000マークIIのエンジンを使用していたことや、ハンドルマウントのウインドスクリーンかフレームマウントのカウルかにはじまる詳細な違いを追っていけば、長年にわたってそれこそかなりの場所に変更を受けているのだが、ここでそれを明らかにするのは本意ではない。
警察が使用する特殊用途仕様車とは言えど、KZ1000ポリスはそれほどまでに完成され尽くされた存在なのか。今日の日本でたとえるならば、ホンダのVFR800Pが30年以上生産されるようなものである。
その魅力というか乗りやすさについて、職業ライダーではない人間が触れてみてもわかるのだろうか──。
さて、1982年よりKZ1000Jのパワーユニットを採用するKZ1000ポリス。
試乗を行ったのはそのP型から数えて15代目となる1996年式だ。
エンジンは基本ノーマル(Jから不変)ながら、サイレンやサイドバッグ、無線機器などを装備した300kg以上の車体を楽々と引っ張ることができるのは使用用途から考えて当たり前としても、トップスローが尋常ではなく人が歩くようなスピードにも対応するのは驚きである。
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