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レーサー自らが作った究極のレーサーレプリカ「ゴディエジュヌー・パフォーマンスレプリカ1135R」
- 2020/12/30
●記事:モーサイ編集部 ●試乗レポーター:大光明克征 ●写真:金上 学 ●編集:上野茂岐 ※当記事は『別冊モーターサイクリスト』1984年3月号の記事を再構成したものです。
2019年末、欧州カワサキが「ビモータ」と合弁会社を設立。テージH2など衝撃的なマシンを発表した。かつてビモータは「KBシリーズ」でカワサキとコラボしてきた縁もあるが、カワサキ車ベースのスペシャルマシンとして忘れられないのが「ゴディエジュヌー・パフォーマンスレプリカ1135R」だ。
カワサキZ1000Jベース、耐久レーサーの公道版
ベースとなったのはカワサキZ1000J。ヨーロッパ耐久チャンピオンとなった名選手が開発を行い、世界耐久チャンピオンマシンのレプリカとして誕生したマシンだ。
生産台数は少なく、現在も高価な値がつくことも珍しくないが、一体どんなバイクだったのか? 1984年に別冊モーターサイクリスト誌で行った新車時の試乗&解説レポートを紹介したい。
日本製エンジンを、特製のフレームに搭載したスペシャルバイクが、ここ数年輸入されている。ビモータ、エグリ、モトマーチンなどがそれで、いずれも戦闘的な走りを予感させる個性豊かな外観を特徴としている。
しかし、今回試乗のゴディエ・ジュヌー社製パフォーマンスレプリカ1135Rは、そうしたスペシャルバイクとはちょっと違うムードをもっている。外観は国産スーパースポーツよりも、むしろ刺激が少ないほどに抑えられているのだ。
カワサキZ1000Jをベースとし、カウリングやシートなどを耐久レーサーと似た形状のものにかえただけ、といった外観である。フレームもノーマルベース。大改造車というイメージはなく、このまま日本のメーカーが市販したとしてもおかしくない仕上がりだ。もちろん、日本のメーカーが量産ベースでは使えないような高価なブランドのパーツが随所に見られる。しかし、それらはトータルバランスを考えたうえでの組み合わせである。
よくある改造車の、パーツ1点豪華主義が生む「ネコに小判」的なムダ、おまけに性能低下、という矛盾が、この1135Rにはないということだ。スタイルと機能の接点をほどよいところに設定し、一般市販車並みの乗りやすさを確保している。
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