東京にもいまだ残る未舗装路

東京林道フラッとツーリング〈奥多摩方面・横沢小机林道/勝峰山林道/大名栗林道〉

●写真&文:ゴー・ライド編集部(小川浩康)

『オフロードマシン ゴー・ライド』が案内する、新米オフロード乗りからベテランまで、フラッと気軽に楽しめるフラット林道。今回はホンダADV150を駆って首都東京に残る未舗装林道へ行ってみた。さまざまな表情を持つ「東京」へ、林道でアクセスできるゾ!

1stステージ:武蔵五日市駅周辺、横沢小机林道から勝峰山林道へ

今回の近場フラットダートツーリング、相棒として選んだのはホンダADV150だ。PCX150のサスストロークを延ばし、石畳などの荒れた路面での快適性を高めているのが特徴。以前の試乗取材で、アクセルワークだけで軽快な走りを披露するのを体感していたので、林道ツーリングでの走りを試してみたかったのだ。

東京林道フラッとツーリング〈奥多摩方面・横沢小机林道/勝峰山林道/大名栗林道〉
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【HONDA ADV150:使い勝手抜群のバイク版SUV】舗装路では軽快な走りが楽しめて、フラットダートは難なくこなせる。ACCソケット、27Lラゲッジボックスなど高いユーティリティを併せ持つアドベンチャースクーターだ。■主要諸元 ■全長1960 全幅760 全高1150 軸距1325 シート高795(各mm) 車重134kg ■水冷4ストローク単気筒OHC 149cc 15ps/8500rpm 1.4kg-m/6500rpm 無段変速式(Vマチック) 燃料タンク容量8L ■タイヤサイズF=110/80-14M/C 53P R=130/70-13M/C 57P ●色:マットメテオライトブラウンメタリック ●価格:45万1000円

さて、向かったのは東京都下の武蔵五日市駅周辺の林道。ADV150は高速道路でもクルマの流れに乗って走行でき、じつに快適。自宅から1時間ほどで「横沢小机林道」の入口に到着した。この林道、30年前の学生時代には毎週のように走りに来ていたのだが、今回は10年ぶり? 2kmほどの短いダートだが、林道を抜けた先の里山の雰囲気が抜群にいいのだ。ただし、横沢側は遊歩道も整備されていて、散策する人が増えていた。人とバイクが長く共存できるためにも、横沢側に抜けたら、小机側に引き返してほしい。

さて、路面はよく整備されていて走りやすい。ADV150も軽快に上っていけた。下りはオーバースピードにならないように、ジワっとブレーキコントロールしながらの走行になる。不意にABSがかかるのを防ぎながら走っていると、なんだかADV150はアドベンチャーマシンの乗り味に似ているなと思えてきた。

市街地や高速道路の移動は快適で、フラットな林道なら走破できる。それでいて、少し荒れたダートになると、フロントタイヤのコントロールがシビアになる。そんな感じがアドベンチャーマシンに似ているのだ。アドベンチャーマシンほど巡行速度は速くないが、車重は断然軽いので、林道やワインディングでの取り回しも楽。アクセルに対するレスポンスも悪くないので、ここまで走るとは思わなかったのが正直なところだ。

東京都あきる野市、武蔵五日市駅を中心とした地図。

まずは横沢小机林道へ

【1】圏央道あきる野ICから約10分。中央道八王子ICから約20分。今回のエリアは武蔵五日市駅を起点にスタート。

【2】武蔵五日市駅から300mを右へ。ここが横沢小机林道の入口だ。制限速度40㎞の標識が目印となる。

【3】路面はウォッシュアウトされ少し荒れ気味だが、オフロードマシンなら問題ないレベル。木漏れ日が爽快。

【4】横沢方面は遊歩道が整備されている。ここに広がる里山の風景は、のんびりと散歩で楽しもう。

続いて勝峰山林道へ

小机側の入口【2】に戻ったら、次は「勝峰山林道」へ向かった。ここは勝峰山周辺のトレッキングルートになっていて、山歩きする人とクルマが多いので走行には注意してほしい。

【5】勝峰山林道へは、【2】から400m北上した分岐を左へ進む。黄色い中華料理店の建物が目印だ。

【6】さらに700m進むとT字路に行き当たる。ここを左折する。

【7】200m進んだ岩井橋の交差点を左折。太平洋セメント株式会社の看板が目印。

【8】岩井橋を渡ったら、すぐに左へ。駐車場の横に伸びるダートが勝峰山林道の入口。

【9】多くの登山客が訪れることもあって、路面は整備されている。フラットで走りやすいが、雨水を仕切るゴム板を乗り越える際にすべりやすいので注意しよう。

その先、勝峰山林道の終点は広場。テーブルがあり、休憩スポットになっている。見晴らしポイントでもあり、空気が澄んでいればスカイツリーも見えるとのこと。夜景もきれいそう。ここから登山道が伸びていて、徒歩5分ほどで山頂へ行けるらしい(1分だけ歩いて引き返したので未確認)。

この勝峰山林道、実は初めて走った。こちらは1.7kmほどの短いピストン林道で、ダート走行をメインに考えている人には物足りない長さだろう。だが、とにかく林道終点からの眺めがいいのだ。五日市の町並みを見下ろしつつ、都心の高層ビルまで遠望できる。さっきが里山で、こっちは都市。林道から東京の両面を楽しめるのがおもしろいので、ぜひ2本セットで走ってほしい。

2ndステージ:休憩を挟みつつ大名栗林道へ向かうが…

早朝に家を出たこともあって、ひとしきり景色を堪能しても、時間はまだお昼前。ならばと、数年前までよく走りに行っていた「大名栗林道」を調査してみることにした。市街地を抜けて、いくつかの峠を越え、旅館の横を通り過ぎると、大名栗林道は残念ながらゲート封鎖されていた……。

時間はちょうどお昼。大名栗林道の手前で見つけた古民家カフェ「フクフクガーデン」まで戻り、ランチタイム。テラス席は汚れたブーツでもOKという、オフロードライダー歓迎なのもうれしい。美味しいランチを堪能した後、下道で帰路についた。ADV150と一緒の時間を少しでも長く楽しむために。

東京都青梅市にある大名栗林道周辺。武蔵五日市周辺からさらに北上した場所だ。

【11】本来ならロングダートを楽しめる大名栗林道だが、現在は通行止め。ゲートを破壊する行為も見られるとのことだが、我々はルールとマナー厳守で再開を待ちたい。

【10】FUKU FUKU Garden:メイン料理/サラダ/スープがワンプレートで1000円。カフェメニューも充実しており、オフロードブーツでもOKとライダーに優しい古民家カフェだ。店内にはバイク雑誌も置いてあり(ゴーライドも)。●住所:埼玉県飯能市大字下名栗1169 ●電話:090-2144-5182 ●営業時間:11時30分~18時 ●営業日:金土日


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