ホンダは欧州で5代目となる新型PCX125を発表した。4バルブ化された新エンジンを改良されたフレームに搭載し、トラクションコントロールも獲得。リヤサスペンションの改良やシート下スペースの拡大を行い、スマートキーやUSBタイプC充電ソケットを新たに装備している。
外観を刷新し、シート下スペースもさらに拡大
外観デザインは現行型のイメージを引き継ぎつつ全面刷新されており、デイライトを備えたLEDヘッドライト、X字型のLEDテールランプともに新作。シート高は従来型から不変だが、形状変更で足着き性を向上。シート下の収納スペースは+2.4Lの30.4Lへと増大しており、フットスペースも前方と左右に30mm拡大されている。
また、グローブボックス内にはUSBタイプC充電ソケットが装備され、スマートフォンなどが直接充電可能に。「ワイドスクリーン」と称される液晶メーターも新作で、走行距離やトリップメーター、燃料計、燃費計などの情報を簡潔に表示。PCXの伝統と言える幅広タイプのクロームハンドルバーは踏襲されている。スマートキーはオプションの35Lトップボックスの開閉にも対応した。
4バルブの新エンジン『eSP+』でユーロ5に対応
ユーロ5に対応した水冷SOHCエンジンは2→4バルブ化された新作で、ボア×ストロークを従来型の52.4×57.9mm→53.5×55.5mmへとビッグボア化して4バルブ化のスペースを捻出。圧縮比も11→11.5へとアップされており、2mm大きな28mm径スロットルボディなどとの組み合わせで従来型から0.2kWのパワーアップも実現(従来型:9.0kW/8500rpm・11.8Nm/5000rpm→新型:9.2kW/8750rpm・11.8Nm/6500rpm。数値は欧州仕様)。加速能力の向上に加え、90km/hでの快適な巡航を可能としているという。最高速は98km/hと発表されている。
また、内径の歪みを抑制し、張力の低いピストンリングを使用可能とするスパイニー鋳鉄スリーブや摩擦を低減した油圧カムチェーンテンショナーの採用、トランスミッションベアリングの低抵抗化なども実施。ユーロ5に対応しつつもWMTCモード燃費は従来型と同値の47.6km/Lとされ、+0.1Lの8.1Lとされたタンク容量により約385kmの満タン航続距離を実現しているという。ACGスターターによるアイドリングストップ機能も改良され、バッテリーの充電状態が低下している場合は自動的にオフとなる機能などが追加された。
タイヤサイズを変更しトラコンも装備
シャシーではリヤショックのストローク量を+10mmの95mmとして乗り心地を向上。タイヤサイズは幅を太くしつつリヤを小径化している(従来型:F=100/80-14・R=120/70-14→新型:F=110/70-14・R=130/70-13)。ホイールもデザインを改めた新作だ。
従来型でアンダーボーンからダブルクレードル型へ変更し、大幅に剛性を向上させたスチールパイプフレームも改良が加えられた。従来型の1313mmから1315mmとなったホイールベースは微細な差ながら、キャスター/トレールは従来型の27°/86mmから、新型では26°30′/80mmへと明確に変更。130kgの装備重量は同値とされている(すべて欧州仕様)。ブレーキはフロントが220mm径ディスク+2ポットキャリパーで、リヤは130mm径のドラム。フロントにABSを備えている。PCX初のトラクションコントロールが装備されたのも大きなトピックだ。
‘10年に初代が登場し、‘12年にエンジンを刷新。 ‘14年には灯火類をフルLED化し、‘18年にフレームを刷新するなど、人気に比例して絶え間なく改良が加えられてきたPCX。今回の改良により、原付2種スクーターの王座はさらに盤石なものとなるだろう。今回は150cc版やハイブリッドは未発表だが、それらに加え、日本仕様も近日中に発表されるはずだ。
HONDA PCX 125[2021 model]欧州仕様
【HONDA PCX 125[2021 model]欧州仕様】主要諸元■全長1935 全幅740 全高1105 軸距1315 シート高764(各mm) 車重130kg(装備)■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 125cc 12.5ps/8750rpm 1.2kg-m/6500rpm 無段変速 燃料タンク容量8.1L■タイヤサイズF=110/70-14 R=130/70-13 ※諸元は欧州仕様 ●価格&発売時期:未発表
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