二輪車利用環境改善部会レポート#28

新型コロナ禍のなか開催が続く埼玉県の高校生向けバイク講習【危険を体験する機会】

  • 2020/10/19
新型コロナ禍のなか開催が続く埼玉県の高校生向けバイク講習【危険を体験する機会】

危険を体験するための種目をどう活かしていくのか?

前回記事に引き続き、埼玉県の「令和2年度高校生の自動二輪車等の交通安全講習」についてレポートする。8月24日、’20年度第3回目となる西部地区講習会には、日高市/新座市/飯能市/川越市/越生町/鳩山町といった市町から免許を取得した生徒、乗車中の生徒が参加。今回は「なぜバイクに乗ったのか。バイクに乗ってどうか」など生徒にも話を聞いてみた。

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感染防止対策として、受付時の検温、マスク着用、手指消毒が徹底された。

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開会式では教育委員会から生徒に対して挙手によるアンケートが行われた。免許取得・バイク乗車の理由について、ほとんどの生徒は「ツーリングなどの趣味として」と答えたが、一人ひとりに聞いてみると…。

講習会は、受付、開会式と続いた後、自分のバイクに乗ってきて実技講習を受けるグループと、今日はバイクに乗って来られなかった、あるいは免許を取得したもののバイクに乗っておらず、教室で座学を受けるグループとに分かれて始まった。

なお、61名(うち女子が10名)の参加予定だったが、開会式の時点では34名しかいなかった。この場合、欠席した生徒らは、年内にあと3回開かれる他地区講習会のいずれかに参加しなければならない決まりだ。

さて、それぞれのグループは実技・座学の後、休憩を挟んで、入れ替わり講義と救急救命法の2つの講習を受けたが、今回の講習では特筆すべき点が2つあった。ひとつは「坂道レムニー」という坂道の途中で低速スラロームをする難しい種目が実施されたこと。転倒の危険をはらんでいるが、習得を目指すのではなく、「坂道でのUターンは危ない」ということを体感するためのものだ。

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安全運転大会に出るようなライダーでも「怖い」という種目「坂道レムニー」。強制ではないのだが、免許取り立ての生徒には厳しい種目だ。坂道のパイロン1本を回るだけにするなど設定を易しくしないと挑戦者が現れないのでは?

もうひとつは、救急救命法の実技で、心肺蘇生法における胸骨圧迫やAED操作の実技を行ったことだ。新型コロナ禍ということもあり、第2回講習会までは座学のみとなっていたが、今回は生徒の代表が実際に体験した。

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心肺蘇生法の講習でも訓練用マネキンを消毒してから実技が行われた。

新型コロナ禍において、講習内容にも模索や深化が見受けられた。しかし、坂道レムニーに関しては任意にせざるを得ないほど危ない面もあり、もっと簡単なコース設定にするなど”安心して”危険を体感できるような工夫が必要と感じた。プロテクターの装着も必須とすべきだ。

また、生徒らには、公道を安全に走る上で「その種目が何のために行われているのか」について、もう少し詳しく説明したほうが良いとも思った。さらに、稲垣会長を始めとしたモニタリング組織委員会の有識者にも来場してもらうべきだろう。

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「親がバイクに乗っていて、小さい頃から後ろに乗っていました。なので自然と乗りたいなって思っていて。今は週1回はお父さんとバイクで走りに行くようになりました。まわりに乗ってる子もいないので」入間向陽高校2年 Tさん(16歳)

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「親は『学校の許可が出るならいいんじゃない』と免許を取らせてくれました。バイクは行動範囲が広がるので楽しいです。バイト先にもバイクで行くし、週末には芦ヶ久保とか秩父にツーリングにも行きます」富士見高校3年 Tさん(17歳)

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「八高線の最寄駅は電車の本数が少ないので、8kmくらい離れた西武線の駅に行くために免許を取りました。バスは本数が少ないし料金が高いんです。今は4km離れたバイト先にもバイクで行きますが、楽ですね」所沢商業高校2年 Hさん(16歳)

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「駅まで15分以上かかるので、親に送ってもらっていました。バスも本数が少なくて出かけようと思わなかったんですが、バイクに乗ってからは出かけるのが楽しくなりました。部活の特例でバイク通学もできています」坂戸高校2年 Sさん(16歳)

●取材/文:鈴木里佳(NEKONOTESTUDIO) 田中淳磨(輪)
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