危険を体験するための種目をどう活かしていくのか?
前回記事に引き続き、埼玉県の「令和2年度高校生の自動二輪車等の交通安全講習」についてレポートする。8月24日、’20年度第3回目となる西部地区講習会には、日高市/新座市/飯能市/川越市/越生町/鳩山町といった市町から免許を取得した生徒、乗車中の生徒が参加。今回は「なぜバイクに乗ったのか。バイクに乗ってどうか」など生徒にも話を聞いてみた。
講習会は、受付、開会式と続いた後、自分のバイクに乗ってきて実技講習を受けるグループと、今日はバイクに乗って来られなかった、あるいは免許を取得したもののバイクに乗っておらず、教室で座学を受けるグループとに分かれて始まった。
なお、61名(うち女子が10名)の参加予定だったが、開会式の時点では34名しかいなかった。この場合、欠席した生徒らは、年内にあと3回開かれる他地区講習会のいずれかに参加しなければならない決まりだ。
さて、それぞれのグループは実技・座学の後、休憩を挟んで、入れ替わり講義と救急救命法の2つの講習を受けたが、今回の講習では特筆すべき点が2つあった。ひとつは「坂道レムニー」という坂道の途中で低速スラロームをする難しい種目が実施されたこと。転倒の危険をはらんでいるが、習得を目指すのではなく、「坂道でのUターンは危ない」ということを体感するためのものだ。
もうひとつは、救急救命法の実技で、心肺蘇生法における胸骨圧迫やAED操作の実技を行ったことだ。新型コロナ禍ということもあり、第2回講習会までは座学のみとなっていたが、今回は生徒の代表が実際に体験した。
新型コロナ禍において、講習内容にも模索や深化が見受けられた。しかし、坂道レムニーに関しては任意にせざるを得ないほど危ない面もあり、もっと簡単なコース設定にするなど”安心して”危険を体感できるような工夫が必要と感じた。プロテクターの装着も必須とすべきだ。
また、生徒らには、公道を安全に走る上で「その種目が何のために行われているのか」について、もう少し詳しく説明したほうが良いとも思った。さらに、稲垣会長を始めとしたモニタリング組織委員会の有識者にも来場してもらうべきだろう。
●取材/文:鈴木里佳(NEKONOTESTUDIO) 田中淳磨(輪) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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