2007年の初チャンピオンから勝ち続ける

前人未到の14連覇! トライアル世界選手権と室内Xトライアル世界選手権、合計28タイトル

2020年のFIMトライアル世界選手権・最終戦イタリアGPにおいて、レプソルホンダのワークスライダーであるトニー・ボウ(Toni Bou)選手が14年連続14回目のシリーズチャンピオンを獲得した。チームメイトの藤波貴久選手は、25年目のシーズンをランキング7位で終えた。

大幅なスケジュール変更を経て4大会の開催へ

2020年シーズンのトライアル世界選手権は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて9月に開幕。3週連続開催から1週間を空けての最終戦は10月10日、11日の2日間にわたって行われた。

今シーズンは4大会のみの開催、かつ全ての大会で2日間連続開催の計8レースという変則的なスケジュールとなったが、やはり強さを見せたのは13連覇中のトニー・ボウ選手。開幕戦のフランスGPは優勝/3位、続くスペインGPでは2レースともに優勝、第3戦アンドラGPでは2位/優勝によって、ポイントランキングで2位に10ポイント差をつけた状態で最終戦を迎えた。

トニー・ボウ選手はダブルウィンで有終の美。

最終戦イタリアGPでは1日目に優勝してチャンピオンを決定し、続く2日目にも優勝で有終の美を飾り、2007年に初の世界チャンピオンを獲得してから一度もタイトルを落とさないまま前人未到の14連覇を達成した。ちなみにトニー・ボウ選手は、人口セクションを走破する屋内競技のXトライアル世界選手権の2020年シーズンでも14年連続のチャンピオンに輝いており、28個のタイトルを手にしていることになる。

また、日本人で唯一となるトライアル世界チャンピオン経験者で、トニー・ボウ選手のチームメイトである藤波貴久選手は、最終戦初日を4位、2日目を8位で終えてランキング7位。世界選手権への参戦は25年目という鉄人は、開幕戦6位/6位、第2戦8位/9位、第3戦7位/4位という結果で一時はランキング4位につけていたが、レース数の少ないなか大接戦の末の7位という結果には満足していない様子だった。来シーズンも活躍が期待される。

全日本で5回のチャンピオン、そして2004年のトライアル世界選手権でワールドチャンピオンを獲得し、その後もシングルゼッケンを付け続ける藤波貴久選手。2019年はランキング3位だった。

トニー・ボウ選手のコメント

「初日でタイトルを獲得できるとは思っていませんでした。例年もそうですが、今年もとても厳しいトライアルです。そして今年の特徴として、1位だと思えば次の瞬間には7位にもなるという、順位の変動が簡単に起こりえます。したがって、失敗をするわけにはいかない、難しい戦いになるのです。私は、このタイトルに非常に満足しています。インドア・アウトドア両方のタイトル獲得も、とてもうれしいことです。いつもと違うシーズンとはなりましたが、大いに祝いたいです」

株式会社ホンダ・レーシング(HRC) 代表取締役社長 野村欣滋(のむら よししげ)氏のコメント

「まずは自身の記録を更新する14連覇を達成したトニー・ボウ選手の栄誉を称えたいと思います。連覇というプレッシャーのみならず、今シーズンは短期間でチャンピオンシップが決するため、体力的にも、精神的にも、彼自身がかつて経験したことのない、非常にタフでシビアな闘いを強いられたと聞いています。このような状況で困難をはねのけ獲得したタイトルには、これまで以上の重みがあり、前人未到の偉業を成し遂げ続けるボウ選手に、改めて最大の敬意を表したいと思います。また、彼の連覇に尽力してくれたチームスタッフ、そしてレース活動を支えてくれた多くのスポンサー様と、世界中のトライアルファンの皆様に心から感謝いたします」


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