これはカスタムの指標! 50ps超えは手堅いか
9月に国内販売がスタートしたカワサキ ニンジャZX-25Rだが、日本仕様に先駆け、本来なら4月の時点でインドネシア仕様が発表されるはずだった。しかしながら新型コロナウイルスの影響で延期となり、日本仕様発表の数日前にオンライン発表会でお披露目されたという経緯が。さてこのインドネシア仕様、日本仕様と比べると異なる点がいくつかあるので、あらためてまとめておこう。
まず、ラインナップはSTDとABS SEの2グレード。日本仕様STDにはABSが標準装備となるが、インドネシア仕様STDにはない。カラーバリエーションについては、STDが黒、ABS SEは白×黒と緑×黒(日本で言うKRTエディション)と、ここまではテールカウルの”4 CYLINDER”ロゴの有無はあるものの基本的に同じ。しかし、インドネシアABS SEには第4の車体色として日本仕様にない青×黒が設定。この青×黒がフレームがライトグレーに塗装されていたりして、独特の魅力を放っているのだ。
そして最大の違いはパワー&トルク。ピークパワー発生回転数は日本仕様と同じだが、インドネシア仕様は50ps(ラムエア加圧時51ps)を発揮と、なんと1割以上もパワフル。これは排ガスや騒音の規制適合レベルの違いによるもの。インドネシア仕様は日本より規制値の緩いユーロ3準拠なのだ。
ともあれ、我々がガッカリする必要はまったくない。素の状態のエンジンが50psを出せるということは、日本仕様もマフラーやECUなりでカスタムしてあげれば、同等いやそれ以上のパワーを引き出せると分かったからだ。ZX-25Rの真の実力は計り知れないものかも。
インドネシア現地レポート「プライスタグ以上の価値アリ!」
さて、インドネシアで7月に開催されたメディア向けの試乗会にて、STD車とレースイメージ車を試乗したAndy Fadli氏がレポートを送ってくれたので、紹介したい。
「まず跨ると、ライディングポジションはニンジャ250よりもスポーティだがCBR250RRほどきつくはない。エンジンは8000rpmから上でこれらの2気筒ライバル勢に対し明確なアドバンテージを示す。トルク感はそれほど強く感じず、12速のギヤチェンジはやや忙しいかもしれない。“スクリーミングサウンド”は独特の高周波で、アフターマーケットパーツに交換すれば600ccクラスにも似た迫力だ。
ハンドリングは、もちろんニンジャ250よりもアグレッシブで、まるでレーサーのよう。リヤサスペンションはCBR250RRよりもはるかに良い感触でグリップを感じ取れる。驚いたのはモノブロックキャリパーによるブレーキングだ。ストッピングパワーは申し分なく、コントロールもしやすい。結論としては、これはもう従来のレーシングマシンを超えていると感じた。価格は2気筒に比べて30〜40%ほど上がるものの、優れた性能を持ったこのバイクは従来のものと比べものにならず、プライスタグ以上の価値を持っていると言えるだろう」
●文:宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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